磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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心にのこる文学33 ヒロシマ、八月、炎の鎮魂歌(レクイエム)

2008年11月29日 | 読書日記など
『心にのこる文学33 ヒロシマ、八月、炎の鎮魂歌(レクイエム)』
   大野允子・作/永田治子・絵/ポプラ社1998年

「あとがき」に書かれてあります。下「」引用。

「公園の噴水のところにわたしの家がありました、と書いた手紙を加島さんからいただいたのは六年の前のことです。-略-同じ広島の女学生だったのにわたしとは違いすぎる加島さんのことを、いつか書こうと決めました。」



書き出しはこうです。下「」引用。

「とう子さんの噴水は、広島の町の平和公園の入り口にあります。
 公園にきたひとは立ちどまって、きっとあなたも、町いちばんの美しい噴水の輪をみあげるでしょう。-略-今はないけれどここに、あの朝までは、とう子さんの家があったからです。
 うちかたが噴水になったというほうが正確でしょうか。
 五十三年まえの八月六日、アメリカの飛行機が-略-」

家屋疎開……。授業の方がいいですよね……。下「」引用。

「「きょうから勉強はないんよっ、いよいよ疎開の作業でーす!」
と、妹はなんだか楽しそうだったけれど、女学生になったばかりの一年生なのに夏休みもなくて、かわいそう、タバコ工場のほうがよっぽど楽です。」

電車も女学生が……。下「」引用。

「その朝、広島市内を走っていた七十両の電車のほぼ半分は、運転士も車掌もふみえさんと同じ十代の少女たちでした。」

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日系二世のことも書かれてありました……。下「」引用。

「 あんたの荷物はそれだけ? なによなによ、日誌をだいて逃げてくるなんて、おかしなひとねと、思ったんです。竹中さんはきっと。
 でも、ほんとにへんなひとは竹中さんのほうです。カリフォルニア生まれの二世だから英語はべらべら、日本人なのに日本語はへたで、アメリカが好きみたいな竹中さんのこと、学校ではみんなへんなひとだと白い目で見ていたのです。
 そのとき、電車道を自動車があっちへ走っていきました。すさまじい音をたてて装甲車が走っていきました。宇品の曉部隊の車です。-略-社殿につづく石畳の上に、三十人ほどがならんでころがっています。」

人間は間違えることもありますね……。下「」引用。

「何十年もたったある日、広島の原爆資料館で、とう子さんはやけどのウマの写真をみつけました。
 ホシが、ホシがいたと、写真をなでて泣きました。
 やけどのウマは、ホシなんかじゃありません。」

でも、間違ったから無意味ということもないですね……。

そして、この物語は終る……。下「」引用。

「とう子さんの噴水は、
広島市中区中島町一丁目二番地平和公園の入り口にあります。」














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