NHK BS1 2010年9月11日
原爆投下を阻止せよ
“ウォール街”エリートたちの暗躍
原爆を使うべきではないということが圧倒的多数だったという。
Joseph C. Grew が残した文書が見つかった……。
「原爆が投下される必要は全くなかった」
国務省のNo.2だったという。
ビジネスの戦略として、反対!
--原爆投下を強行に主張したジェームズ・バーンズ。
ソ連の恫喝のためにに使用したバーンズ。
--現在でも、アメリカでは「原爆神話」を信用している。
二人の対決を新たな史料から見つめ直すという。
--反対しつづけた一派。その中心人物はグルー。
グルーが監修した映画で、敵国日本を賞讃。
日本は輝いた市場だったという。
政策に影響力をもつ、JPモルガンの従弟がグルーだった。
グルー駐日大使、三菱などの財閥と交流したという。
--日本をアメリカの工場にして世界に売ろうとしていた。
戦争によってインフラが破壊され、投資が回収できないことを危惧していたグルーたち。
日本を石器時代にかえすなんて論外で、現実的な見方をしていたという。
--ジェームズ・バーンズ。
国の予算の90%を軍事にしたバーンズ。
--グルーはエリート中のエリート!
バーンズとは対照的だったという。
--バーンズがかかえていたマンハッタン計画。
アメリカ国民のまったく知らないところで、当時の国家予算の2割が使われていた。
20億ドル……。失敗すれば、きびしい追究を受けることになるだろう……。
原爆開発を正当化しなければならなかった。
--グルーは「原爆開発」を、スティムソンとマクロイから聞かされたという。
彼らは3人ともウォール街の人間だったという。
戦争を終わらせて、日本に投資した資金を回収しようとしていたという。
よき投資先の日本のため、原爆回避のプロジェクトをつくった……。
--最初の舞台はスイスのバーゼル。
アレン・ダレスを派遣。グルーと旧知の中。
スイスの国際決済銀行。
情報交換することができた。
日本の降伏条件を求めた。それは「天皇制の存続」であった。
--ハードルの高い条件だったという。
グルーたちには、願ってもない条件だった。
天皇の周辺の財閥などとワンセットになっていた。
財閥はウォールストリートから資金を借りていた。
天皇制がなくなった場合、このルートが使えない。
--グルーはスティムソンを通して、陸軍長官 ジェームス・フォレスタルに「天皇制の存続」の了解をとりつけたという。
フォレスタルもビジネス界の出身者だったという。
軍部に、「天皇制の存続」に反対する者はいなかった。
--そのころ、マンハッタン計画は、初の実験にとりかかる……。
バーンズの号令で投下目標をリストアップ。
失敗の確率が少ない地域を選んだという。
晴れの日が多く、標的になるものがある。
--6月18日軍事会議、トルーマン大統領。
グルーは文官であるため参加できず、スティムソンとマクロイが参加。
議事録には、原爆のことは書かれていないが、その他いくつかの問題について討議したとメモ書きが残っているという。
--戦後、マクロイが回顧録に残してたという。「今こそ天皇制の存続を認める」ようにトルーマンに進言したという。
トルーマンもまさに考えていたことだと語ったが。バーンズと相談してくれ!
翌日、マクロイとバーンズは話し合う。バーンズは反対した。
バーンズは原爆投下を決めており、早期の終戦を拒否した。
バーンズが認めていたら、戦争は3月早く終わっていたろう。それでは、原爆が使えない。
戦争を原爆が使えるまで、バーンズはのばしたいと考えていた。
--ヨーロッパ情勢の変化。
共産主義の脅威! 原爆の威力を見せつける必要があるとバーンズを思った。
原爆投下の目的は、ソ連に脅威を見せつけるためであった。
--ドイツのポツダムでの会談。
対日戦にたいして、「天皇制の存続」を入れることにしたグルー。
グルーのポツダム宣言の草案の第12項に「現在の天皇制を存続する」と書かれてあったという。
--1945年7月7日、トルーマンはポツダムに向かう。
しかし、その傍らに国務次官グルーの姿はなかった……。
同行者はグルーではなく、バーンズだった。
--4日前に、トルーマンは国務長官にバーンズを任命。
間もなく核兵器を手に入れるだろうと語った。
バーンズとグルーの立場は逆転していた。
グルーは草案をバーンズに託すしかなかった。
そして、ポツダム会談がはじまる前日、アメリカ初の核実験成功。
その場で原爆投下をトルーマン決定。
バーンズは日本が戦争を続けるために、第12項「現在の天皇制を存続する」を削除。バーンズの独断だったという。
そして、戦争は続く……。結果、広島・長崎に原爆が投下された……。
終戦の翌日、グルーはワシントンをさる。グルーの仲間たちも去っていった。
--ポケットに原爆と揶揄されたバーンズの外交姿勢をトルーマンは疑問に思い、2年後罷免。
今も「原爆神話」を信ずるアメリカ……。
そして、アメリカのウォール街グループに原爆を売り込まれた日本……。
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INDEX
“ウォール街”エリートたちの暗躍
原爆を使うべきではないということが圧倒的多数だったという。
Joseph C. Grew が残した文書が見つかった……。
「原爆が投下される必要は全くなかった」
国務省のNo.2だったという。
ビジネスの戦略として、反対!
--原爆投下を強行に主張したジェームズ・バーンズ。
ソ連の恫喝のためにに使用したバーンズ。
--現在でも、アメリカでは「原爆神話」を信用している。
二人の対決を新たな史料から見つめ直すという。
--反対しつづけた一派。その中心人物はグルー。
グルーが監修した映画で、敵国日本を賞讃。
日本は輝いた市場だったという。
政策に影響力をもつ、JPモルガンの従弟がグルーだった。
グルー駐日大使、三菱などの財閥と交流したという。
--日本をアメリカの工場にして世界に売ろうとしていた。
戦争によってインフラが破壊され、投資が回収できないことを危惧していたグルーたち。
日本を石器時代にかえすなんて論外で、現実的な見方をしていたという。
--ジェームズ・バーンズ。
国の予算の90%を軍事にしたバーンズ。
--グルーはエリート中のエリート!
バーンズとは対照的だったという。
--バーンズがかかえていたマンハッタン計画。
アメリカ国民のまったく知らないところで、当時の国家予算の2割が使われていた。
20億ドル……。失敗すれば、きびしい追究を受けることになるだろう……。
原爆開発を正当化しなければならなかった。
--グルーは「原爆開発」を、スティムソンとマクロイから聞かされたという。
彼らは3人ともウォール街の人間だったという。
戦争を終わらせて、日本に投資した資金を回収しようとしていたという。
よき投資先の日本のため、原爆回避のプロジェクトをつくった……。
--最初の舞台はスイスのバーゼル。
アレン・ダレスを派遣。グルーと旧知の中。
スイスの国際決済銀行。
情報交換することができた。
日本の降伏条件を求めた。それは「天皇制の存続」であった。
--ハードルの高い条件だったという。
グルーたちには、願ってもない条件だった。
天皇の周辺の財閥などとワンセットになっていた。
財閥はウォールストリートから資金を借りていた。
天皇制がなくなった場合、このルートが使えない。
--グルーはスティムソンを通して、陸軍長官 ジェームス・フォレスタルに「天皇制の存続」の了解をとりつけたという。
フォレスタルもビジネス界の出身者だったという。
軍部に、「天皇制の存続」に反対する者はいなかった。
--そのころ、マンハッタン計画は、初の実験にとりかかる……。
バーンズの号令で投下目標をリストアップ。
失敗の確率が少ない地域を選んだという。
晴れの日が多く、標的になるものがある。
--6月18日軍事会議、トルーマン大統領。
グルーは文官であるため参加できず、スティムソンとマクロイが参加。
議事録には、原爆のことは書かれていないが、その他いくつかの問題について討議したとメモ書きが残っているという。
--戦後、マクロイが回顧録に残してたという。「今こそ天皇制の存続を認める」ようにトルーマンに進言したという。
トルーマンもまさに考えていたことだと語ったが。バーンズと相談してくれ!
翌日、マクロイとバーンズは話し合う。バーンズは反対した。
バーンズは原爆投下を決めており、早期の終戦を拒否した。
バーンズが認めていたら、戦争は3月早く終わっていたろう。それでは、原爆が使えない。
戦争を原爆が使えるまで、バーンズはのばしたいと考えていた。
--ヨーロッパ情勢の変化。
共産主義の脅威! 原爆の威力を見せつける必要があるとバーンズを思った。
原爆投下の目的は、ソ連に脅威を見せつけるためであった。
--ドイツのポツダムでの会談。
対日戦にたいして、「天皇制の存続」を入れることにしたグルー。
グルーのポツダム宣言の草案の第12項に「現在の天皇制を存続する」と書かれてあったという。
--1945年7月7日、トルーマンはポツダムに向かう。
しかし、その傍らに国務次官グルーの姿はなかった……。
同行者はグルーではなく、バーンズだった。
--4日前に、トルーマンは国務長官にバーンズを任命。
間もなく核兵器を手に入れるだろうと語った。
バーンズとグルーの立場は逆転していた。
グルーは草案をバーンズに託すしかなかった。
そして、ポツダム会談がはじまる前日、アメリカ初の核実験成功。
その場で原爆投下をトルーマン決定。
バーンズは日本が戦争を続けるために、第12項「現在の天皇制を存続する」を削除。バーンズの独断だったという。
そして、戦争は続く……。結果、広島・長崎に原爆が投下された……。
終戦の翌日、グルーはワシントンをさる。グルーの仲間たちも去っていった。
--ポケットに原爆と揶揄されたバーンズの外交姿勢をトルーマンは疑問に思い、2年後罷免。
今も「原爆神話」を信ずるアメリカ……。
そして、アメリカのウォール街グループに原爆を売り込まれた日本……。
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