ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第二部・国境なき恐怖 120「クイズでドンドコ!」 これは、コメディアンの祭田ドンドコがやっている人気番組であった。 「こんにちは、今日の特集は、原爆以前の放射線の歴史を学びたいと思います」 明るい口調で祭田ドンドコは話すと次に低い声で 「そんなに緊張しなくなっていいよ。これは録画ですからね。ちゃんと編集しないと、英語でのクイズ番組なんて面白くないですからね」 と、微笑んだ。 画面に『放射能フィーバー』と文字がでて、アニメェーションが始まった。 ナレーターは説明する。 「では、第一問、X線のエックスとは何でしょう」 博士は瞬時にボタンを押した。 「ちくしょう、僕でもわかった」 「そりゃ、英語圏の国なら当然よ」と、ミス・ホームズ。 「では、博士とニックネームで呼ばれているブッフバルトくん」 「わからない」 明るいチャイムが鳴る。 「正解です」 「あれ、わからないって、答えたのに、正解なの」と勇気。 「では、正解を教えてくれるビデオを見ましょう。ドンドコ!」 ドンドコとは、コメディアン・祭田ドンドコのギャグである。そのとき、太鼓をたたいている真似をしている。 ビデオが流れる。 「一八九五年、ウィルヘルム・レントゲンは放射線を発見しました。しかし、彼はそれが放射線の一種であることを知りませんでした。それゆえ彼はその名前をX線と名付けたのです。Xとはわからない、謎という意味です。それからの数週間、レントゲンは自分の発見を昼夜調べ、可視光を通さない物質を通り抜けること、だが、人間の骨やある種の金属、そして普通のガラスでさえ、この放射能に対しては不透明であることを発見しました」 「わからない、謎で正解でした、ドンドコ!」 X線は、健康診断のときしたよ。フィルムに骨がうつっていたと勇気は思い出していた。 もう謎の物質ではないので、諸外国ではX線とは呼んでいないという。 女性アナウンサー「次のシルエットは、歴史上の人物です。その人はだれでしょう」 「ドンドコ!」とカメラに向かって、太鼓をたたく真似をしている祭田ドンドコ。 チャイムを鳴らす。 「これはもらった」 とマイクは喜んでいる。 「簡単なクイズだなあー」 「では、アメリカのカウボーイ少年、マイクくん答えてくれたまえ、ドンドコ!」 「簡単さ、ロビン・ウィリアムス」 スタジオは爆笑の渦となった。 「うまいねえー、マイク。こういうボケが番組を救ってくれます」と祭田。 「じゃ、金さん」 「はい、発明王エジソンです」 「正解です。どうして、科学分野のクイズでロビン・ウィリアムスなのでしょうか。彼は映画俳優でしたよね」と女性アナウンサー。 「では、エジソンの犯した間違いについて、ビデオ。ドンドコ!」 画面は明るい色調になった。 ナレーション「X線を最初に取り上げた一人はトーマス・アルバ・エジソンでした。彼はすでに電灯、映画、写真の発明で有名でした。彼の技術への情熱はショーマンシップと結びついていて、彼がやったことはどれも新聞と公衆を魅惑し続けていました」 画面は何かの展示会だ。 古い写真である。 「その後アメリカ中で行われた何百回の展示で、何千人もの人々が列をなして自分の手、足、頭をX線の通り道に置き、蛍光スクリーン上の像を見た。エジソンは販売の特許をとり、やがて「トーマス・A・エジソンのX線キット」が売り出されました」
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