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原発と日本の未来-原子力は温暖化対策の切り札か-

2011年06月16日 | 読書日記など
『原発と日本の未来-原子力は温暖化対策の切り札か- 岩波ブックレット No.802』
   吉岡斉・著/岩波書店2011年

「はじめに」 下「」引用。

「-略-とくに女性の能力の活用において日本は欧米に比して著しく遅れている。このように日本社会を支えるべき「戦力」が弱体化する中で、年間国内総生産(GDP)の約二倍にのぼる国家・地方財政の累積赤字や、出口の見えない経済停滞など、日本社会が抱える難題は一向に解決の兆しを見せていない。-略-
 原子力発電事業に直接利害関係をもつ者は、電力会社の社員や立地地域の住民など国民のごく一部に過ぎないが、国民誰もかぜ公共政策に影響力を行使することを通して、主権者・納税者・消費者として原子力発電事業に関与することができる。日本社会の重要問題について主権者・納税者・消費者として影響力を行使することは国民の責務である。その方法は調査研究にもとづく政策提言活動などさまざまである。政党に入ったり選挙で投票したりするだけで不十分である。
 公共政策は政治家や官僚など少数の職業専門家の占有物ではない。筆者は、誰もが原子力政策に限らず多くの政策分野について、自発的な調査研究にもとづいて公共政策形成に参画し、その知恵と努力が報われるような社会へと、日本社会が脱皮してほしいと念願している。」



自然災害、テロや犯罪目的に……。下「」引用。

「しかし原子力発電はその代わりに大量の放射性物質を生み出す。それが事故や自然災害により大量放出される危険性は無視できないし、破壊工作や武力攻撃などによって大量の放射性物質が飛散する危険もある。-略-」

現実の世界では、分離などできまいに……。 下「」引用。

「平常運転時の環境影響については事故時と一括して議論してもよいが、原子力事故の被害が他と比べて桁違いに重大であることを考えれば、分離して議論することにも十分な理由がある。」

経済的ではない。下「」引用。

「日本の政府・電力会社は原子力発電が火力発電・水力発電などと比べて経済性が優れているならば、政府が支援する根拠がなくなるからである。この主張は政府支援の正当性を自ら否定するものである。にもかかわらずこの主張が繰り返されるのは、経済性が劣っていることを認めれば、原子力発電事業推進そのものの正当性が揺らぐからである。」

安いことが正当? 正当とはそんなことだったのか?

脱原発の定義? 下「」引用。

「ドイツで広く使われるようになったアウスシュティークAusstieg(バスや電車から降りる意)という言葉を日本語に置き換えたものである(高木仁三郎『市民科学者として生きる』、岩波新書、二○○○年、一九七ページ』。脱原発という言葉には、すでに原子力発電が社会の中で一定の役割を果たしている事実を認識した上で、原発からの脱却を図るという意味が込められている。」

『一定の役割を果たしている事実を認識』なんて、「脱」に関係がないとボクは思う。「脱」はあってはならず、「反」などという対立すべきですらないものであるからではないか? 高木さんのは、そういう感じ……。反対しないと、「脱」にもならないのが現実で、「反」を否定する人は「脱」などする気もない、嘘っぽい人が多いとボクは思う。

もくじ

新潟県中越沖地震により……。下「」引用。

「新潟県中越沖地震(二○○七年)により七月以降の長期停止を余儀なくされたことが最大の原因である。東京電力は二○一○年末までに、比較的被害の小さかった1・6・7号機の運転再開が果たしたが、残る四基については被災後丸三年を経過した現在も、運転再開が実現していない。」

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温暖化対策とはならない。下「」引用。

「地球温暖化対策として原発を拡大することについて、筆者は否定的である。その最大の理由は、一九九○年代以降の歴史的経験に照らして、原子力発電拡大と温室効果ガス排出削減の間には、正の相関関係ではなく、むしろ負の相関関係が認められているからである。つまり原子力発電拡大に熱心な国ほど、温室効果ガス排出削減の達成度が悪い傾向がある。表現を変えれば、原子力発電拡大という行為は、地球温暖化防止対策としては歴史的に失敗してきた。」

削減ならず。下「」引用。

「電気事業連合会が「電気事業における環境行動計画」(毎年九月に発表)のなかで示した二○○七年の二酸化炭素排出量は四億一七○○万トン(排出原単位四五三グラム)となっている。つまり原発の大幅拡大にもかかわらず、二酸化炭素排出原単位は逆に大幅に悪化したのである。-略-」










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