磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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宗像誠也教育学著作集 第5巻 平和と教育と学問』

2009年05月18日 | 読書日記など
『宗像誠也教育学著作集 第5巻 平和と教育と学問』
  宗像誠也・著/青木書店1975年

この本も古いです。
--カルトに対する見方、考え方も今とは異なるようです。
しかし、カルトもすべてが悪かったら、だまされることもないのでは?
--非人道的な政治がカルトを増殖させる……。
いや、組んでいるのが実態のようですね……。



「伊勢神宮」について。下「」引用。

「首相の伊勢神宮に関する言明とは、一議員の質問に対してなされたつぎのような文書答弁である。-略-それは信教の自由の侵犯となるばかりでなく、教育が直接に打撃を受けるだろう。教科書にもこのとおりに書け、ということにはならないとは限らない。一九六○年の教科書検定に際して、文部省が押しつけた「皇国史観」は、さらに強く押し出されてくるであろう。「国家的な伊勢神宮」への修学旅行が盛んになり、敬礼が強要されるというようなこともあるのではないか。
 新安保体制下における教育政策の方向を、私は、以上の二つの政府文書のからみあいのなかに予見しうるような気がする。一方には研ぎすまされた科学技術、他方には不合理で非人間的な皇国史観、この両方を促進する教育の強行。それは狂人に刃物をもたせることであり、この道はかつて一度日本が歩んで最後にはカタストローフに突き込んだ道だったはずだが。-略-」

日立製作所……。下「」引用。

「日立製作所が二億円の寄付の対象として東洋大学を選んだのは、「同大学の学生が全学連に加入しておらず、その穏健な思想が気に入ったからだ」(日立製作所社長倉田主税氏談)とされ、経済同友会では、大学生が保守政党から離反した姿は憂慮すべきだとして、「教授陣と産業界を結ぶ『産学協同』を政治的観点から再検討しようとする動き」も伝えられる。」

創価学会……。下「」引用。

「創価学会の青年部は、きびしい集団の規律と秩序とをもち、また若さの喜びを横溢させる運動会などの行事をもっている。そこには革新運動のもたないものがある。革新運動は合理的だが、新興宗教は全人的である。革新運動にはとてもついていけないが、新興宗教はダメな自分をもスッポリ抱きとってくれる。」

さらに、創価学会……。下「」引用。

「しかし創価学会の教義には--およそ宗教の教義は多かれ少なかれそうだが--神秘的な要素が多過ぎる。ある秘義を信じないかぎり、その集団に属することができない。非合理性は人間存在の本質的な一面だとしても、不合理を信ずることは人間の理性が許さない。その不合理なもの、神秘的な要素をできるだけ剥ぎとって行けば、最後に残るのは、人間の尊厳の確立、ということではなかろうか。私にはそうとか考えられない。
 人間の尊厳が確立されていくためには、物質的貧困から人間が解放されることは当然に必要だが、さらに、精神的にも、人間がオドオドしたりビクビクしたりペコペコしたりする必要がないようにならなければならない。社会悪が除去され、民族が当然に独立し、そして世界平和が確立されなければならない。一言でいえば、人間の尊厳と世界平和との確立の道こそが、人間の自己疎外からの回復の道なのでないか。」

結局、上からの言いなりでは、核保有論者と組む政治も、よしとするロボットをつくることになるのだろう……。

アイゼンハワーの告別演説。下「」引用。

「ところで、アイゼンハワーは、大統領の任期の終りの告別演説でつぎのようにいったそうだ「アメリカの民主主義は、新しい、巨大な、陰険な勢力によって脅威を受けている。それは『軍部・産業ブロック』と称すべき脅威であって、何百万という人間と、何十億円ドルという莫大な金を駆使しており、その影響力は全米の都市、州議会、連邦政府の各機関まで浸透している」の支配下にあるアメリカを、ウォルフェア・ステイトをもじってウォーフェア・ステイトと名づけた(笹川正博訳『戦争国家』)。」

科学者運動。下「」引用。

「宗像は、日本学術会議の会員となるや、きわめて積極的に日米政府による科学政策を批判し、同時に、平和と民主主義の原則に立つ科学政策の樹立のための理論的考察にとりくんだ。」

権威主義的な本であるとボクは思った……。






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