機会不平等

『機会不平等』
　　　斎藤貴男・著/文芸春秋2000年

政治の脊柱（精神）は理念といっていいだろう……。
つまり、不平等とは民主主義から逸脱したものであり、ファシズム（反民主主義）でしかないだろう……。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「「非才、無才には・せめて実直なる精神だけ養ってもらえばよい」。
　基礎学力を培う主要教科の年間授業数をあえて削減する「ゆとり教育」の真の意図を、教育課程審議会前会長の三浦朱門氏はこう説明した。
「結果の平等を重視した戦後の社会政策が日本の衰退を招いた」という主張のもと、九○年代に行われたルール変更。その結果、私たちは「機会の平等」すら失いつつあるのではないのか。
　新階級社会の諸相を鋭く報告する問題作！」

－－「教育改革国民会議座長（江崎玲於奈）の「優生学」」下「」引用。
「江崎座長の発想の根幹には、優生学ないし優生主義と呼ばれる思想がある。とりあえず基礎的な文献の序文を紹介しておきたい。－略－」

ナチのようなことを語っている……。

三浦朱門は最高責任者だったという。下「」引用。
「三浦朱門・前教育課程審議会会長（七十四歳）の証言を紹介しよう。東大言語学科卒、八○年代反ばに文化庁長官も務めた作家で、教育改革国民会議の有力メンバーであるやはり作家の曾野綾子氏を夫人に持つ三浦氏は、“ゆとり教育”を深化させる今回の学習指導要領の下敷きになる答申をもとめた最高責任者だった。－略－」

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住友不動産の「夜のセクハラ運動会」について書かれてあった。下「」引用。
「彼女たちだって、好きで参加したわけじゃない。ほとんどは派遣社員なんです。人事部の要請を断れば、いつ馘首されるかもわからない。不安定な立場。会社はそんな弱みにつけ込んだですよ。」

トヨタ方式が人間にまで。下「」引用。
「トヨタ自動車の“かんばん方式”に代表される管理手法が、部品ならぬ生身の人間にも広がってきたのである。」

「商品として派遣スタッフ」

ナチスドイツに倣った税法式。下「」引用。
「これが年末調整である。ナチスドイツに倣った制度だったが、現在では源泉徴収とのコンビネーションによる勤務先任せの納税システムがこれほど徹底している先進国は日本以外に存在しない。－略－」

「松下電工の高級ハイテク老人ホーム」　下「」引用。
「定員八十人の「ナイス・ケア大和田」。松下電器産業グループの中核で、住宅設備のトップメーカーである松下電工が九八年七月にオープンした。－略－」

しかし、費用が高いので、よほどの資産家でないと入居できないという……。

『規制改革という悪夢』で紹介された陳情。下「」引用。
「大規模店舗を規制する大規模小売店舗法を徹底する方向性を打ち出されれば、既存の商店のダメージは甚大なのでご配慮をと求めてきたのだ。－略－そんな営みを中谷教授はせせら笑った。やはり平岩研究会のメンバーだった鈴木淑夫・野村総合研究所理事長との対談ではは、彼は次のように語っている。－略－」

買物難民まで生み出してしまった悪法ですね。
それにエコじゃない！

竹中平蔵の名前がありました。下「」引用。
「慶応大学政策学部の竹中平蔵教授、東京大学経済学部の伊藤元重教授ら、個人的にも思想的にも中谷教授に近い経済学者も参加。彼らが翌九九寝二月にまとめた最終答申は、前記「平岩研究所」で打ち出されたのと同様の思想を強化し、より広範囲な分野に適用させる内容となっていた。」

竹中平蔵氏の金持ち優遇政策。下「」引用。
「法人税厳正の一層の強化に加え、所得税の最高税率を下げてやる。明らかに、金持ち優遇税制が必要な時期なのです」
　竹中平蔵・慶応大学教授（四十八歳）の持論である。」

竹中平蔵について。下「」引用。
「竹中平蔵教授には、日本マクドナルドの藤田田社長が所有する「フジタ未来経営研究所」のオフィスで会った。彼は大学での研究・講義の傍ら、同研究所の顧問と、日本財団（旧・日本船舶振興会）系の「東京財団」の理事長などを務めている。総理府の「新政策研究会」メンバーや『朝日新聞』書評委員だったこともある。
「私が目指しているのは、アメリカで言う“ポリシー・インテレクチュアルズ”です。ある時は大学、ある時はシンクタンク。またある時はジャーナリズム。舞台を幅広く求めつつ、政策提言をしていく。機会があれば政権にも参加してみたいと思うのです」
　竹中教授はそう語った。－略－」









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