磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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中性子爆弾と核放射線

2008年04月22日 | 読書日記など
『中性子爆弾と核放射線』
   安斎育郎・著/連合出版1982年

すごく専門的な部分も書かれてある本と思います。中性子爆弾のことに限った本ではありません。



中性子爆弾のことはワシントン・ポストがスクープしたという。下「」引用。

「思いおこせば、五年前の一九七七年六月六日、ワシントンポスト紙の記者W・ピンカスは「建物や戦車などを破壊することなく、内部の人員だけを大量の中性子線で殺すランス・ミサイル用の放射線強化弾頭を生産するための予算が、七八年度のエネルギー研究開発庁(ERDA)の予算にひそかに盛り込まれている」ことをスクープした。」

カーターは研究開発の予算を承認。下「」引用。

「こうした動きを受けたアメリカ議会は、七月一日上院本会議において異例の秘密会議を開き、放射線強化弾頭の七七八年度の研究開発のための予算を承認したが、この承認には「大統領が正式に決定するまではその執行を凍結する」旨の付帯条件がついていた。その十日ほどあとの七月十二日、カーター大統領が研究開発を認めることを暫定的に決定したことが発表され、国内外に波紋を広げていった。」

中性子の動きも複雑である……。下「」引用。

「中性子はもともと不安定な粒子で、中性子を放置しておくと平均寿命およそ二四分ほどで分解してしまう。このように言うと、原子核内の中性子は、時間がたつと全部こうした現象によって陽子に変わってしまいそうな気がするが、現実にはそのようなことはない。核内では中性子と陽子の間で中間子のキャッチ・ボールが行なわれ、ある瞬間中性子か陽子に変わって中間子が放出されると、近傍の陽子がその中間子のボールを受けとめて中性子となると考えればよい。中性子と陽子は中間子のキャッチボールによって結びついていると言ってよい。しかし、もしも核内に中性子が多くなりすぎると、投手だけが多くなって捕手が相対的に不足し、いわば受け損いが出てくる。受け損った中間子は原子核の垣を越えて核外に出てていき、これが陰電子と反中性微子として放出される。」

広島・長崎のコバルト。下「」引用。

「広島・長崎の被爆後三十七年を経たこんにちまでに、コバルト60の放射能は約一三○分の一に減少した勘定である。」

原発でもコバルトは問題であるという。下「」引用。

「ところで、中性子によるコバルト60の生成反応は、原子力発電所における労働者の放射線被曝の原因にもなる。原子炉の構造材は鉄であるから、その中に不純物として含まれるコバルトが原子炉の運転とともに放射化される。鉄原子は原子番号26、コバルトは27で隣接しているが、単に番号が一つ違いであるだけでなく、核外原子の配列が類似している。」

放射線障害は1500年ころにあったという。下「」引用。

「西暦一五○○年当時といえば、人類はいまだ放射能などというものを発見する四百年ほども前のことであるが、実は、放射線障害をすでに体験していたのである。」

--チョコスロバキアやドイツに位置しているエルツ山脈。
その鉱山で、肺の奇病で死亡する人がおり、“鉱山病”とか“シュネーベルク・クランクハイト(シュネーベルク病)”と呼ばれていた。
--1911年アインシュタインが「肺癌」であると証明。
原因は、この山からはウランも産出したという。
1924年、ルドヴィッヒによって、ウランの放射能が肺癌の原因と指摘。

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アメリカの報告書。下「」引用。

「アメリカ議会の技術評価局は『核戦争の効果』という報告書を一九七九年に発表したが、その内容の一部は、一九八○年九月にワルトハイム国連事務総長が提出した『核兵器の包括的研究』の中にも引用されている。ここでは、人口四百万人の都市(デトロイトまたはレニングラード)の中心部の一八○○メートル上空で夜間に一メガトンの核兵器が爆発した場合の評価結果を紹介する。同報告書の計算によれば、デトロイトでは即死者が約五○万人、負傷者が六○万人に達し、レニングラードでは人口分布の相違のため、死傷者がデトロイトの約二倍になる。」









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