磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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広島にチンチン電車の鐘が鳴る

2010年10月25日 | 読書日記など
『広島にチンチン電車の鐘が鳴る』
   きむらけん・著/高橋透・装画/汐文社1999年

姉は学徒動員で広電の車掌をしていた。
そして、運転士に姉がなったという……。



4ノッチで運転しろというが、3ノッチでしか運転ができない。最高8ノッチ。

車輪の数によって音がことなる……。下「」引用。

「-略-車輪が四つしかついとらんのは、『ガッタン、ゴットン』ってのんびりした音がするんよ。車体の前と後ろに台車のついとるんは、車輪が八つじゃろう。それは二軸ボギー車っていうんじゃけどね。これは、『ガタンゴトン、ガタンゴトン』とちょっといそがしい音がすんよ。-略-」

相生橋の下りがこわい。下「」引用。

「一番こわいんは、太田川をまたいどる相生橋(あいおいはし)の下りじね。あの橋はぐっとうえに上がって、そして、下だるじゃろ、下るときにはどうしてもスピードがつくんよ。-略-」

十五、六歳の娘運転士が働いている。

そこを、原爆が襲う……。

--広電の電車の音をきく……。

『東京電信隊』の応援……。下「」引用。

「「生き残った『ひろでん』の社員たちがの、『東京電信隊』から応援にかけつけた四十名ほどの電信兵といっしょになって、夜通し復旧作業を続けて己斐とここまで開通させたいうけんな」
 電信兵たちは、電車に電気を送るトロリー線を張るためにきゅうきょ応援にやってきたということらしかった。そのトロリー線は焼け跡から掘り起こし、それをなんとかつなぎあわせて張ったという。
「電車に電気を送る架線柱(かせんちゅう)が焼けてしもうて、電柱が足りんかったらしいんじゃ。それでどうしたかというと、宇品の陸軍船舶司令部、暁部隊から帆船の帆柱を五百本ほど分けてもろうて電柱を立てたいゆうとるけんの」」

高知からも応援。下「」引用。

「「いまでも電柱柱の復旧工事はどんどん進められとるというけんのう。なんや聞いた話じゃけどの、『ひろでん』の電気の灯とが全滅したいうんで、呉の交通局とか遠くは高知の土佐電鉄の電気関係の人が応援に来とるとかいう話らしいで」
「広島はもうぜんぶつぶれたと思うとったのに、爆弾が落されて、ほいで三日後に電車を動かすいうんじゃけん、こりゃあほんま、たいしたもんよ」」







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