『小出裕章が答える原発と放射能』
小出裕章・著/河出書房2011年
図書館の説明文。下「」引用。
「原子力の専門家が、「福島第一原発で何が起きているか」「放射能汚染の現実とどう闘うか」「脱原発に向けて」の3章にわけ、具体的な64の疑問に答える。」
約100トンの溶けた核燃料……。下「」引用。
「約一○○トンの溶けた核燃料は、圧力容器などを溶かしながらどんどん自分の体積を増やしていきますが、核燃料自体が上がるわけではないので、ある量にまでいくと固まるでしょう。ただし、どのくらいの時間がかかるかはわかりません。
核燃料は固まっても放射線は出し続けるので、福島第一原発もチェルノブイリのように石棺して、放射性物質を閉じ込めるしか残された手段はないのです。-略-
チェルノブイリは石棺するのに約半年かかりました。福島第一原発の場合も、時間がかかることを考慮して、その準備にかからなくてはいけないと思います。
防災は、最悪のことを考え、対策を打っていかなくてはなりません。本来ならば、メルトダウンした時点で核燃料の冷却とともに、石棺についての対策も進めなくてはいけなかったと思います。政府と東京電力は事故を過小評価したかったために、すべての対策が後手にまわっています。」
地震で壊れていた3号機。下「」引用。
「しかし、五月下旬に、東京電力の解析結果から三号機にある「高圧注水系」と呼ばれる冷却システムが地震で壊れていた可能性があることがわかりました。これは、緊急停止した原子炉を冷やすために必要なものです。核燃料の余熱による水蒸気を主な動力源としており、電源がなくても動くので、大きな地震が起きたときに求められる重要な機械の一つです。それが、地震で壊れていた可能性があるということです。」
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作業員は足りなくなっている……。下「」引用。
「すでに、作業員が足りなくなっており、他県の原子力発電所で働いている人たちが次々と送り込まれています。
それでも追いつかないので、原子力安全・保安院は新たな技術者の養成を行うようですが、間に合いそうにありません。
作業員の手当てがつかなくなったとき、最後に政府はどういう手段をとるのでしょうか。
年間被曝量の上限を上げるのではないでしょうか。-略-」
ロボットにできることは限られている。下「」引用。
「放射線量を測定するにも、人間ならば「こっちは高い」「こっちは低い」など、一つひとつを注意深く見ながら測定しますが、ロボットは決められたところへ行き、現場の写真を撮る、放射線量を測る、温度を測るといったことしかできないのです。実際、最初にロボットが入ったとき、水蒸気でレンズが雲ってしまったというニュースがありました。
現場に到着するまででも、障害物があればそこから動くことができなくなります。予想もしないところが水浸しになっていたり、瓦礫(がれき)が山積みになっていたとしたら、そこで立ち往生してしまうのでしょう。
ロボットにできることは限られているのです。」
マスクをしよう。下「」引用。
「大気中に含まれる放射性物質がほとんどなくなったとはいえ、いまでもマスクはしないよりしたほうがいいのです。外出時のマスクは着用は有効です。
しかし、マスクをするのは鬱陶しいものです。その鬱陶しさと被曝を秤にかけて、マスクをするかどうかは、それぞれが判断するしかありません。」
原子力発電のコストは高い。立命館大学の大島堅一教授の実績値による説明。
賠償金は100兆円……。下「」引用。
「もし、今回の事故の被害を、本来の被曝量である一ミリシーベルトという基準を守って補償しようとしたら、その対象は福島県全域になってしまい、一○○兆円かけても賄いきれません。
原発のいままでの利益は、なんだったのでしょうか。
原発は根本的に論理が成り立っていないのです。」
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【原子力ムラ】2010年秋、NHK「“核”を求めた日本」放映。下「」引用。
「「核」を求める国家、利益を求める電力会社と巨大原子力産業、その周辺に群がる土建業など無数の企業、名誉と地位・研究費を求める学者、戦争中からそうであったように国と企業に縛られたマスコミ、さらにはエネルギーを膨大に使う社会にあこがれた国民が一体となって原子力を進めてきた。-略-」
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目 次
小出裕章・著/河出書房2011年
図書館の説明文。下「」引用。
「原子力の専門家が、「福島第一原発で何が起きているか」「放射能汚染の現実とどう闘うか」「脱原発に向けて」の3章にわけ、具体的な64の疑問に答える。」
約100トンの溶けた核燃料……。下「」引用。
「約一○○トンの溶けた核燃料は、圧力容器などを溶かしながらどんどん自分の体積を増やしていきますが、核燃料自体が上がるわけではないので、ある量にまでいくと固まるでしょう。ただし、どのくらいの時間がかかるかはわかりません。
核燃料は固まっても放射線は出し続けるので、福島第一原発もチェルノブイリのように石棺して、放射性物質を閉じ込めるしか残された手段はないのです。-略-
チェルノブイリは石棺するのに約半年かかりました。福島第一原発の場合も、時間がかかることを考慮して、その準備にかからなくてはいけないと思います。
防災は、最悪のことを考え、対策を打っていかなくてはなりません。本来ならば、メルトダウンした時点で核燃料の冷却とともに、石棺についての対策も進めなくてはいけなかったと思います。政府と東京電力は事故を過小評価したかったために、すべての対策が後手にまわっています。」
地震で壊れていた3号機。下「」引用。
「しかし、五月下旬に、東京電力の解析結果から三号機にある「高圧注水系」と呼ばれる冷却システムが地震で壊れていた可能性があることがわかりました。これは、緊急停止した原子炉を冷やすために必要なものです。核燃料の余熱による水蒸気を主な動力源としており、電源がなくても動くので、大きな地震が起きたときに求められる重要な機械の一つです。それが、地震で壊れていた可能性があるということです。」
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作業員は足りなくなっている……。下「」引用。
「すでに、作業員が足りなくなっており、他県の原子力発電所で働いている人たちが次々と送り込まれています。
それでも追いつかないので、原子力安全・保安院は新たな技術者の養成を行うようですが、間に合いそうにありません。
作業員の手当てがつかなくなったとき、最後に政府はどういう手段をとるのでしょうか。
年間被曝量の上限を上げるのではないでしょうか。-略-」
ロボットにできることは限られている。下「」引用。
「放射線量を測定するにも、人間ならば「こっちは高い」「こっちは低い」など、一つひとつを注意深く見ながら測定しますが、ロボットは決められたところへ行き、現場の写真を撮る、放射線量を測る、温度を測るといったことしかできないのです。実際、最初にロボットが入ったとき、水蒸気でレンズが雲ってしまったというニュースがありました。
現場に到着するまででも、障害物があればそこから動くことができなくなります。予想もしないところが水浸しになっていたり、瓦礫(がれき)が山積みになっていたとしたら、そこで立ち往生してしまうのでしょう。
ロボットにできることは限られているのです。」
マスクをしよう。下「」引用。
「大気中に含まれる放射性物質がほとんどなくなったとはいえ、いまでもマスクはしないよりしたほうがいいのです。外出時のマスクは着用は有効です。
しかし、マスクをするのは鬱陶しいものです。その鬱陶しさと被曝を秤にかけて、マスクをするかどうかは、それぞれが判断するしかありません。」
原子力発電のコストは高い。立命館大学の大島堅一教授の実績値による説明。
賠償金は100兆円……。下「」引用。
「もし、今回の事故の被害を、本来の被曝量である一ミリシーベルトという基準を守って補償しようとしたら、その対象は福島県全域になってしまい、一○○兆円かけても賄いきれません。
原発のいままでの利益は、なんだったのでしょうか。
原発は根本的に論理が成り立っていないのです。」
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【原子力ムラ】2010年秋、NHK「“核”を求めた日本」放映。下「」引用。
「「核」を求める国家、利益を求める電力会社と巨大原子力産業、その周辺に群がる土建業など無数の企業、名誉と地位・研究費を求める学者、戦争中からそうであったように国と企業に縛られたマスコミ、さらにはエネルギーを膨大に使う社会にあこがれた国民が一体となって原子力を進めてきた。-略-」
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