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石田郁夫記録文学選集1 沖縄闘争誌-新たな沖縄闘争の構築へ-』

2009年10月02日 | 読書日記など
『石田郁夫記録文学選集1
  沖縄闘争誌-新たな沖縄闘争の構築へ-』
    石田郁夫・著/御茶の水書房1993年

「刊行にあたって」 下「」引用。

「『石田郁夫記録文学選集』全三巻は、氏自身が闘病生活にはいった直後、十五冊の著者のなかから自選し、テーマに沿った三巻だての構想によって編集された。-略-
 石田郁夫氏は、入院直後に肺癌の宣告をうけ、一年あまりの闘病生活の甲斐なく一九九三年二月二五日、無念にも帰らぬ人となられたのである。
 まぎれもなく、日本階級闘争における一個の“戦死”として五九歳の生涯を閉じた氏は、一九三三年七月八日伊豆大島に生まれ、高校時代にコミュニストたろうとして闘いの道へはいる。のちに除名うける日本共産党をふりだしに“長征”につくわけであるが、一九五八年に、新島においてミサイル試射場設置反対闘争がはじまると、工作隊の一員として入島する。このときのオルグの経験が、やがて氏のデビュー作を飾る『新島』となって結晶するのである。その後、新日本文学会に籍をおくようになり、本格的な記録活動を開始していく。-略-」



沖縄は上からの敗戦ではないという……。下「」引用。

「沖縄は、それがちがう。八・一五で、上から「敗けた」のではない。一人一人が米軍の武力に、それぞれの仕方で敗れた。銃口の前で屈服した。その戦後過程から「敗けた」意識に、ながく、とらわれすぎた。だから故に「暴力」については、さらに神経過敏だ。それはいい、基本的にいい。-略-」

かつての「仕事師」のテレビ記者。下「」引用。

「その船から、私の知っているテレビ記者が下りてきた。彼は、石垣島の「暴動」のおり、ラジオの取材におもむいた。なぐりかかってくる警官隊にむかって、マイクを突き出しつつ攻めていった。本土の安保闘争で喧伝された、ラジオ関東のアナウンサーどころではない。「被害者」として、被害を訴えて、それが意図せざるキャンペーンとなるなどという、楽な闘いではなかった。「なぐるならばなぐってみろ」と、マイク片手に突き進み、石垣市の警察署まで攻めいって、署長にマイクを突きつけのだ。-略-」

集団自決で、声が出ない……。下「」引用。

「日本軍の強要によって集団自決をはかったという慶良間で、家族のなかでたった一人生き残り、今、ナハで暮らしている娘は、父にカミソリで、のど笛をかき切られたので、命はながらえたが、声帯をさかれて声が出ない、こみあげてくるものを、呼吸音の切迫というかたちでしか、発することができない、その娘から「聞きとる」ことのできた呪詛と等質の、悪性度への呪いを、私は老婆たちの顔や姿から、そしてさりげない大和口の呟きのなかから聞きとったのだ。」

ドラマ「神島」……。下「」引用。

「最近、劇団青俳によって上演された、沖縄の作家・大城立裕氏のドラマ「神島」もまた例外ではなかった。青俳のパンフレットのなかで、大城氏は「私のなかの神島」と題して、ドラマの意図を語っているが、「渡嘉敷嶋の集団自決の歴史に現時点でどう対決するか」というところから発想されている。-略-」

赤松隊……。下「」引用。

「赤松隊と集団自決の問題は、久米島の鹿山兵曹長の虐殺事件とともに、沖縄戦における皇軍と沖縄県民との関係の一つの象徴として、沖縄で語りつがれてきた。-略-」

女流作家と赤松……。そして、自衛隊。 下「」引用。

「なお沖縄か「不当」に追及される多弁な「被害者」赤松氏はと鹿山氏との相違について、さらにつけ加えるならば、居直った国家を反映する能力において赤松氏の方がはるかに長けている。
 それに島の有力者の弁護のみならず、うしろだてがそろっている。赤松氏は雑誌『諸君!』に連載されている女流作家の赤松隊事件の「神話説」をことごとく引用して弁明した。今年の一月には赤松隊士官の同窓会があり、その高名な作家も出席して歓をつくしたという。
 一座のなかには赤松大尉の旧部下、第三中隊長の皆本少尉もいた。彼は戦後、自衛隊にはいり、沖縄には六○年代にすでに戦史研修の一隊をひきいて渡島していたが、いまや防衛庁・陸幕・募集課・募集班長皆本義博一佐となっている。
 沖縄県民の惨死を自らが生きながらえるための条件として「故国」に帰った皇軍の士官が、今、沖縄に派兵される自衛隊の募集の張本人となっているということのなかにも、皇軍と自衛隊を貫徹する本質が露頭している。」


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2 天皇制国家と海外侵略

3 差別の重構造と階級支配






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