磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

071一つ一つに思い出がある……

2006年05月28日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

四、インスタント・カーマ

071一つ一つに思い出がある……



日本では、戦争は風化されようとしている。
被爆者たちもいつまでも生きていられるわけではない。

最近、被爆者が亡くなられた場合、
その遺品を寄付される場合が増えてきているという。

原爆で被爆した形跡がのこる品を、広島平和記念資料館に寄付する人たちは、どんな思いでそれを寄付するのだろうか。

あの悲劇を伝えるために、役立ってほしいと願い、それを寄付していくのだ。

その一つ一つの品に、その人たちの思い出が焼き付けられている。
それは余りにもむごい、背負いきれない苦しみでさえあったと思う。

戦地から帰った青年は、焼け野原の広島に立ち涙した。
親戚から、たった一人の家族である母が死亡したことを伝えられて、悲しみにうちひしがれたことだろう。

そして、彼は家のあったところを掘った。何か、母の遺品があったらと願ったのである。
そこには、瀬戸物の茶碗があった。

それは彼が戦地に行ったとき、毎日陰膳をしてくれていたという茶碗であった。
食料不足のときなのに、毎日すまないと彼は思っていた。その茶碗を抱きしめた。
そして、おそらく、生きなければ、母の分も生きなければいけないと彼は思ったことだろう。

その茶碗も苦痛にあった人のように変形をしていた。
その遺品を家族は平和記念資料館に寄付した。
資料館にある品は、そんな思い出のある品物である。

一つ一つに、思い出がこめられてもいるのである。
たった一発の原子爆弾が、こんなに多くの人を苦しめ、辱め、いじめぬいてきたのだ。
こんなことを忘れてはいけないと思う。
忘れたとき、次の原子爆弾が、どこかに落とされているかもしれない。

朝の海はさわやかである。
涼しい風、穏やかな波。
海ばかり、陸は見えない。
水平線が真っ直ぐでないのは、地球が丸いことを証明している。

食堂に勉はいた。
「昨日、届いていたのですけど、渡すのを忘れていて、すみませんね」
アシスタント・ディレクターは謝った。

「誰から、なんだろう……」
宛て先に書かれた文字は以前と同じ文字であった。








閑話休題

原爆で被爆された方たちの遺品や、
それにまつわる品々も、原爆を伝える
貴重な資料となっていますね。

今の科学力では、髪の毛一本あれば、
血液型だけでなく、DNAがわかり、
さらに、散髪にいつ行ったかなども
わかるらしいです。

もくじ

もくじ






↓1日1回クリックお願いいたします。

ありがとうございます。






Index[Ra.]







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。