磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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安政大地震と民衆-地震の社会史-

2011年04月30日 | 読書日記など
『安政大地震と民衆-地震の社会史-』
   北原糸子・著/三一書房1983年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「地震の社会史
関東大震災以前に首都を襲った大規模な地震、それは安政2年(1855)の江戸地震である。江戸の庶民は、その時どう対応したか? そして地震の恐怖が高まりつつある現在、我々はどう対応するのであろうか?」



虐殺なしの江戸時代。下「」引用。

「安政江戸地震には、流言蜚語も乱れ飛んだ。しかし、それは、関東大震災時の朝鮮人虐殺にみられるような社会的攻撃性を民衆の中に顕在化させなかった。-略-」

マグニチュード。下「」引用。

「西欧における近代地震学が成果が日本に導入され、活用され始めたのは、当然のことながら明治に入ってからのことである。明治二四年(一八九一)マグニチュード8、仙台以北を除いた日本中が有感したという美濃地震は愛知・岐阜両県に甚大な被害をもたらした。この地震をきっかけに、翌明治二五年(一八九二)震災予防調査会が発足し、これ以後の地震について科学的調査を行うことが可能になった(萩原尊礼『地震学百年』昭和五七年)。」

瓦版。下「」引用。

「震災後の社会的諸現象とは、死者や負傷者の続出、罹災者の非難、公的・私的救済、震災復旧工事とそれがもたらす活気、それに激甚な災害を被ったにもかかわらず読売かわら版が出版され続け、人々の間でもてはやされたという事実に代表される社会現象全般を含んでいる。とりわけ、私が興味を覚えるのは、当時流布した読売かわら版の内容に、地震による世直りを歓迎し、また期待・歓迎するばかりでなく、既にそれを体験した場合出て来るであろうある種の至福感さえ窺える点である。-略-」

圧死が多かった安政江戸地震。(直下型だからだろう……。)

京都大地震』 下「」引用。

「地震学者三木晴男は、現代地震学に役立たせる意図から、この地震に取り組んで、『京都大地震』(昭和五四年)を著した。これによれば、当時流された情報は、震災を過大に伝える傾向があるとする。田と例えば、市中の建築・土蔵はすべて損じたという報道があったが、
「破れたり、壊れたりした家がかあるが、人々の噂の十分の一にも満たない。しかし、細かにみると、どこか損なわれていないものはないものだ」(「京都地震見聞記」、三木前掲書所収)とするのを妥当な見解としている。」

--豊富に残っている文献。
・幕臣、又は元幕臣『時風録』『なゐの後見草』(以上二書『大日本地震史料』)「安政乙卯地震紀聞」(『視聴草』四集)がある。
・緒藩士、『震災動揺集』
・松平藩河原綱徳の「江戸大地震雑記」(『むし倉日記』)
・米沢藩『文化安政震災記』
・町役人『武江地動之記』(別名『東都地震記』)
・市井の一教養人。「破窓の記」(『大日本地震史料』)、『藤岡屋日記』、『江戸の情報屋』、『なゐの日並』

「地震鯰絵の研究史」





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