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政府は必ず嘘をつく-アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること- 角川SSC新書 147

2012年08月27日 | 読書日記など
『政府は必ず嘘をつく-アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること- 角川SSC新書 147』
   堤未果・著/角川マガジンズ2012年

3.11以前から、日本政府というものはひどいものでした。
現政権よりは自民党のほうが確実に隠蔽する能力は高かったと思います……。
それは、いつものことですね……。



デモ84歳「ウォール街のデモが意味するもの」 下「」引用。

「2011年11月16日、1枚の写真が全世界を駆け巡った。
 写っているのは、顏に白い液を滴らせた84歳のアメリカ人女性だ。化学物質を浴びた恐怖で目は大きく見開かれ、しわのある顏からは白い液体が滴り落ちている。
 ニューヨークのウォール街で始まり、全米に飛び火した抗議デモ。シアトルでこのデモに参加した彼女は、警官に至近距離で唐辛子スプレーを噴射された。白い液体は、赤くただれた熱をもった皮膚にたらされた治療薬だ。-略-」




オレンジ色のスプレー「ウォール街のデモが意味するもの」 下「」引用。

「ネット上で流されたこのニュースに、たちまち世界中から批難の声が殺到、だがその声がやまないうちに、さらにショックな動画がアップされた。
 今度の犠牲者は、カリフォルニア大学の学生だった。映像の中では、警官が座り込み講義をする彼らに向かって、庭にホースで水をまくように至近距離からオレンジ色の催涙スプレーをまいている。無抵抗の学生たちは、目や鼻をかばおうと地面にうずくまり、両腕で顏を覆っている。
 助けに入ろうとした人々も、無差別暴力の犠牲となった。-略-」

【ファシズムとコーポラティズム】 下「」引用。

「国内の二極化が進むほどに、国家は権力を集中させ監視体制を強化する。〈ファシズム〉と〈コーポラティズム〉は、両方そろうことで最も効率よく望ましい結果を出すからだ。
 2012年1月、野田佳彦総理は、5月末までの「共謀罪」成立を国際社会に向けて宣言した。
「日本でも〈愛国者法〉に近い法案が出されようとしています」」

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原子力ムラと真実を手にできるのか……。下「」引用。

「〈原子力村〉に象徴されるように、政府が、マスコミが信じられなくなった今、アクセス技術だけ進化した情報の洪水の中で、どうしたら私たちは真実を手にできるのか。」

ハワード・ジン(歴史学者)の明言。下「」引用。

「「政府は嘘をつくものです。ですから歴史は、偽りを理解し、政府が言うことを鵜呑みにせず判断するためにあるのです」」

「9.11」「3.11」……。下「」引用。

「「3・11後の政府発表を聞いて思い出した、イラク戦争時の違和感とは何ですか?」
「イラク攻撃が、実は9・11テロのわずか4日後に議会で発案されていたことをご存知ですか? アメリカ国民は感情的にパニックになっていたために、『フセインは9・11に関係している』『大量破壊兵器を隠し持っている』という政府発表をいとも簡単に鵜呑みにしました。
 ですが、ブッシュ大統領はずっと後になってから『9・11テロとフセインは、全く関係がなかった』と発言したのです。アルカイダとの関連も大量破壊兵器も、初めから全く嘘だった。そのことにアメリカの国民が気づいた頃には、途方もない数の人たちが犠牲になっていました。私の義兄もね。でも、すでに手遅れだったのです」

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海外からも見放されている=【報道災害】。下「」引用。

「サリーの話を聞いて、元朝日新聞記者の烏賀陽弘道(うがやひろみち)氏が3・11以降の日本のマスコミ報道に対して使った「報道災害」という言葉をふと思い出した。「報道が本来の役割・機能を果たさないことで、国民の生命や財産に危機が及ぶ」こと。国が緊急事態下にもあるにもかかわらず、記者クラブの流す震災・原発報道はあまりにも酷く、海外からも見放されている。」

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「「情報隠ぺい」が作ってきた世界の原発の歴史」

「御用学者の作り方」 下「」引用。

「著書『国民の天皇』で大佛次郎論壇賞を受賞した、ポートランド州立大学ケネス・ルオフ教授が、「3・11後の日本人は、今こそアカデミズムと財界の癒着にの注意を払うべきだ」と警告する。
「日本人の中にはまだ“東大神話”をはじめ、大学教授の言うことを無条件に信じる傾向がある。だが、大学という場所も昔と違い、もはや研究だけをしていればいいという聖域ではなくなった。米国では大学に対する政府予算削減により、多くの大学を外部資金調達に走らせ、企業との癒着を増大させている。学者は、大学名や肩書きでひとくくりせず、その人物の背景を見ることが重要だ」
 例えば、「格納容器破損は1億年に一度起こるかどうかという危険レベル」「大隕石衝突で地球滅亡と同じ確率ー」「プルトニウムは飲んでも大丈夫」などと言い切った東京大学工学系研究科システム創成学の大橋弘忠教授の経歴を見ると、東大の前の勤務先は東京電力だ。東大工学系研究科へは東電から「寄付口座」の名目で、10年間で約5億円が流れている。
 安全説を繰り返す東大の放射線科医も、その背景を見ればつじつまが合う。
 国際放射線医学会が放射線無害を表明している上に、バックについているWHO(世界保健機関)やIAEA(国際原子力機関)も、国連常任理事国同様、原発推進の立場だからだ。」

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山下俊一【メンゲレ商法】 下「」引用。

「-略-その後「朝日がん大賞」を受賞。それからまもなく、今度は福島医科大学が放射線医学の拠点化を目指してまとめた「復興ビジョン」を出している。
〈放射線関連の医療産業の集積にも取り組む。産学連携の研究施設として、ふくしま医療産業振興拠点(仮称)を設け、地元や海外の企業と連携して放射線医療の検査、診断、治療に用いる機器開発などを促進する。研究のパートナーとなる企業誘致も進め、地域産業の活性化と雇用創出にもつなげる〉(福島民報、2011年9月20日付け)」

やはり一連の癒着システムが……。

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マンクーゾ報告。下「」引用。

「マンクーゾ報告とは、低線量放射線が人間の体に与える影響を疫学的に証明した世界初の研究だ。経済学者の内橋克人氏の著者『原発への警鐘』の中にも、マンクーゾ博士ヘのインタビューが掲載されている。
 同博士はアメリカのハンフォード原子力施設で働いていた2万4939名の労働者の29年にわたるデータを分析し、がんや白血病による死者や、肺、骨髄、咽頭などに与える影響のレベルを調査しした。その結果、原発労働者は一般労働よりもがんになる危険性が数十倍も高いことが科学的事実として明らかにされたのだった。
 だが、この結果は高く評価されたものの、委託元の原子力委員会の怒りにふれた。アメリカ政府は、ただちにマンクーゾ博士を“危険人物”リストに記載、博士の研究結果および研究費は、全て没収された。」

IPPNWの非難。
「IAEA同様にノーベル平和賞を受賞したIPPNW(核戦争防止国際医師会議)は、国連機関の出した調査結果はどれも、チェルノブイリ原発事故で被害を受けた近隣の3か国で報告された数字を全く計算に入れていないと批判する(チェルノブイリ原発事故25年の研究調査報告書。)。」

「TPPでも政府は嘘をつく」

「従順な人間を作る教育ファシズム」 下「」引用。

「「アメリカの〈失われた10年〉で最も打撃を受けたのは、何と言っても〈公教育〉です」
 2011年3月まで、サンフランシスコで高校教師をしていてたポール・キャメロンは言う。〈コーポラティズム〉が支配を強めるアメリカでは、2001年と2002年に導入された〈愛国者法〉と〈落ちこぼれゼロ法〉という二つの政策が、異なる意見を押しつぶす空気を拡大させている。
「9・11以降、政府が進めてきた教育改革は、強力に規格化された点数至上主義と厳罰化による教育現場の締め付けでした。〈恐怖〉は国民を萎縮させ、統制するのに有効なツールです。テストでいい点数を取れなければ、生徒は学校から切り捨てられ、教師は無能だとして処罰される。効果はあったようです。その結果、皆が恐がってモノを言わなくなってきましたから」」

大学病院の民営化。下「」引用。

「「医療現場は、それで救われましたか?」
「病院側に、経済的な選択肢などありませんでした。藁をもつかむ思いで、差し出された買収に乗る病院が急増し、民営化ブームが起きたのです。2006年に大手民間病院チェーンに買収された大学病院では、営利を最優先とする株式会社経営によって医療の質が急落し、医療格差を感じた患者の反対や、医療従事者の内部告発が次々と出てきました。」

でも、悪意ある人々は儲けたことでしょうね……。










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