ミドリュウの巣

競馬と麻雀と蕎麦とスケートボードとランニングを愛する日々。

でしたが今は東京・中野からもっぱら釣りとかしてます。

【予想:スプリンターズS】8枠は死に枠か!?

2012-09-28 12:46:09 | 競馬

秋競馬G1の第1段、スプリンターズステークスの枠順が発表されました。

個人的に注目していたロードカナロアはなんと大外8枠16番。

悲願のG1制覇はこれでかなり厳しくなったのではないか?というのが一般的な見解かと思われます。

 

以下にJRAの「データ分析」を紹介します。

〔表1〕 中山競馬場・芝1200mで馬場状態が「良」だった年の、枠番別成績(2003年、2005~2006年、2008~2011年)
枠番 成績 勝率 連対率 3着内率
1枠 0-0-1-12 0% 0% 7.7%
2枠 0-3-1-10 0% 21.4% 28.6%
3枠 0-0-0-14 0% 0% 0%
4枠 1-0-0-13 7.1% 7.1% 7.1%
1~4枠 1-3-2-49 1.8% 7.3% 10.9%
5枠 2-1-0-11 14.3% 21.4% 21.4%
6枠 0-1-2-11 0% 7.1% 21.4%
7枠 4-1-3-5 30.8% 38.5% 61.5%
8枠 0-1-0-13 0% 7.1% 7.1%
5~8枠 6-4-5-40 10.9% 18.2% 27.3%

 

これを見ると、全体的に外有利の傾向が見て取れます。しかしお隣の7枠が非常に好成績をあげている一方で、8枠はてんでダメ。2着が1回あったきりと、ほぼ「死に枠」と言っていいほどの状態です(3枠ほどではないですが)。

「スプリンターズの7枠」はけっこう有名で、今年もネタにしている予想家さんがちらほら見受けられます。ここに1番人気濃厚のカレンチャンが入り、人気にさらに拍車がかかるのではないでしょうか。

では、本当に8枠は「死に枠」なんでしょうか。僕の渾身の◎カナロアは諦めたほうがいいのでしょうか。

そこで、上記JRAと同時期(良馬場限定)について、8枠馬の人気・着順を調べてみました。

2011
8-15 15人気 12着
8-16 8人気 8着

2010
8-15 8人気 6着
8-16 15人気 12着

2009
8-15 10人気 7着
8-16 14人気 14着

2008
8-15 2人気 2着
8-16 16人気 16着

2006
8-15 9人気 16着
8-16 6人気 6着

2005
8-15 14人気 6着
8-16 12人気 13着

2003
8-14 14人気 15着
8-15 6人気 8着


人気以上の着順に来た馬は赤字、人気以下は青字にしてみました。

ぱっと見、赤字のほうが多いですね。人気より上に来ることのほうが多い。

もう少し言うと、これまで人気薄しか8枠を引いてこなかったことが分かります。唯一人気したのが2008年のキンシャサノキセキ(2番人気2着)。こちらも人気通りですね。

なので、今回みたいに人気馬が8枠を引いた場合、「8枠だから」という理由で切らないほうが良さそうです。

うん。これで安心できますね。

◎ロードカナロア

○ダッシャーゴーゴー

▲カレンチャン

△パドトロワ

△リトルブリッジ

昨年から500万⇒OP⇒OP⇒G3⇒G3と5連勝し、その勢いのまま宮記念3着と実力を証明した◎ロードカナロア。それまで京都の後傾気味ラップばかりで正直疑ってたりもしましたが、こないだのセントウルS2着でしっかり前傾ラップもこなして見せ、G1級だと確信。

その後の上積みもあるとのことなので、それを信じて、スプリント新時代の到来に賭けます。

○ダッシャーゴーゴーは昨年の本命馬。G1勝てる力はあると思ってますが、どうやら不器用なタイプらしくなかなか力を発揮できていません。風の噂で、外枠の方が走りやすいタイプと聞いたので、今回は印を重めに。上り調子ですしね。

▲カレンチャンはいわずもがな。下げたのは、やはりスプリンターのピークは短いんじゃないかという疑念から。本レースが国内最終となるだろうとのこと。「引退レースの牝馬は来ない」という姐さんの格言も引っかかります。

あとは重賞連勝中の△パドトロワと、香港馬のうち調子の良さそうな△リトルブリッジ。

 

・・・ここまで書いたんですが、どうやら明日の天気は怪しい感じ。場合によっては重馬場も考えられます。

そうなったら◎マジンプロスパーから内枠で流しましょうかね。

 



『村田エフェンディ滞土録』『イスタンブール―世界の都市の物語』

2012-09-25 12:37:54 | 

新婚旅行はどうやらトルコに行くことになりそうで、せっかくの機会を無駄にしてはいけないと、トルコ関係の本を読んでいる。

『村田エフェンディ・・・』は前にも書いた家守綺譚と同じ作者の青春小説で、2度読んで2度泣いた。

『イスタンブール・・・』は都市を主人公にした歴史本で、押さえるべきところを押さえてくれてる、という感じ。

トルコは「ヨーロッパとアジアの交差点」みたいな言われ方をされるけど、まさにその通りで、古くはヒッタイト王国からビザンチン帝国、オスマン・トルコなど多種多様な国・民族・文化が栄えた。

イスタンブールなんかその権化みたいな存在だ。

これだけ長い間、色々な人が暮らしてきたその歴史の集積はものすごい。もし人々の「思い」みたいなものが綿ぼこりのように積み重なっていくとしたらどれほど積もるだろうか。ブルーモスクが埋もれてしまうんじゃないか。

「ブラタモリ」というテレビ番組があって、とても面白いのだが、それはそういった歴史の集積を踏まえつつ街をブラブラ歩いているからだ。

旅行でも、そういった街の見方が少しでもできればいいなと思う。

もちろん、普段暮らしている仙台の街でもだ。

この道は(誰かしら)いつか来た道。知らぬ誰かの思いを感じながら歩くとき、近所の小道一本でも立派な史跡となる。

 


家守綺譚(いえもりきたん)

2012-09-13 22:30:43 | 

いつも「してやられたな」と思うのだ。この作者の本を読むと。

少しコミカルで、ほっとするような日常を描いておきながら、「すっ」と不思議を差し込ませるのが本当に上手い。

舞台は庭付き一戸建ての家(友人宅に故あって家守をしている)。

庭に疏水が流れ込んできていて、縁側から鮎が釣れる。木々が生え、季節の花々が咲く、実に羨ましい家だ。

ただこの家は少々変わっていて、その植物たちをMEDIUM(媒介)として、河童だの小鬼だの人魚だのなくなった友人だの、ぞろぞろ出てくるのだ。

確かに、そうなのかもしれない。植物って人と同じ生き物ではあるけど動かないし、「自然」の一部だし、庭だって半分は人が生きる場所ではあるものの、「自然」の一部でもある。この「人間(人為)」と「自然」の二項対立が本作を形作るスキームだ。

この話で言う「奇譚」や「不思議」は、人間側ではない「自然」がふっと現れてくるときのかたちなんだろうなと思う。

だんだん書いててよく分かんなくなってきたが、とにかく面白く、庭が欲しくなり、犬を飼いたくなる本である。

【ほし:★★★★☆】