ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




みかどパン店。台東区谷中1-6。1989(平成1)年3月12日

みかどパン店とヒマラヤ杉は谷中の名所のひとつ。巨木の杉は昔からあるものと思っていたが意外と新しいもので、戦後すぐはまだ鉢植えの状態でY字路の角に置かれていた。その頃はパン屋の後ろにはえていた榎の大木が目立っていたそうで、『東京路上細見3』(酒井不二雄、平凡社、1988年、1900円)にはその榎が「昭和43、4年ごろに枯れてしまったが、切り株は今もある」とある。『昭和の東京2台東区』(写真=加藤峰夫、デコ、2013年、1800円)の昭和43年の写真では、角の、人の背丈ほどの木がヒマラヤ杉かと思える。それが地に根を下ろしてわずか20年で写真のようになったと考えられるのだが……。現在はさらに幹は太く高くなっている。
『東京路上細見3』によると、「みかどパン」は元は汁粉屋で、創業は昭和初期という。周囲の寺に墓参りに来たご婦人が一休みしたのだろう。店名はやはり「みかど」だったのだろうか。戦後、パン屋に変わった。
2012年3月にパン屋と二軒長屋は人手に渡ったようで、取り壊しになる予定らしい。景観を保持するための保護運動も起こっているが、どうなるか心配だ。



二軒長屋。谷中1-6。2007(平成19)年12月1日

ミカドパン店の隣は二軒長屋。2階の軒高が低い、古いタイプのものだ。引き戸や窓を白く塗ったほうは床屋だった構えに見える。



川名石材工務店、民家、繪処。谷中1-6。2007(平成19)年12月1日

現在、写真の川名石材工務店とその隣の民家は建て替わって、住宅のような家に「川名石材店」の看板をあげている。その隣の「繪処」はアラン・ウエストという日本画家のアトリエ。「谷中自動車」という整備工場だった家に、アメリカから来日して日本画を研究した氏が1999年にアトリエを構えた。テレビの谷中散歩の番組でもよく紹介される。

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