ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




東京地方簡易保険局。港区三田1-4。1990(平成2)年2月11日

建った時は「東京簡易保険支局」、現在は「かんぽ生命保険東京サービスセンター」。1966(昭和41)年の住宅地図には「郵政省/東京地方貯金局/東京地方簡易保険局/三田台郵便局/港電報局三田台分室」。1983(昭和58)年の「港区全図」では「東京地方簡易保険局/三田台郵便局」。
2017年1月30 日に日本建築学会から、かんぽ生命保険・日本郵政・都知事・港区長宛に「「旧東京簡易保険支局およびその敷地」の保存活用に関する要望書」が出されている。取り壊しの計画があるのだろうか。以下、建物に関しては「要望書」と、日本建築学会の後藤治氏の「旧東京簡易保険支局およびその敷地についての見解」を参照した。
東京簡易保険支局は設計=逓信省営繕課(中心の技師は張 菅雄ちょう すがお)、施工=大林組で1929(昭和 4)年 3 月 31 日に竣工した。総工費は435万円。RC3階地階付き、「交差する中央廊下で全体が田の字に分割され、4 つの中庭を設ける」。
建築様式は古典主義に新しく台頭した「アール・デコ」または「セセッション」のディテールが加わった折衷様式。また「ウイーンの郵便貯金局のホール(オットー・ワーグナー設計、1912 年竣工)を彷彿とさせる内部階段吹抜け等が、設計者の西洋近代建築の正確な理解の証左となっている」。
日本に残っている近代建築のなかでも有数の巨大建築である。状態も良好ということなので周囲の環境も含めて、残していく歴史的価値はあるだろう。



正面中央の玄関と三田台郵便局の入り口。1990(平成2)年2月11日



東京地方簡易保険局宿舎。三田1-4。2011(平成23)年9月13日

敷地の西南にある建物。『日本近代建築総覧』の備考に「宿舎あり」とあるので、それということにする。1966(昭和41)年の住宅地図には「官舎 ガレージ」で、1階のアーチはガレージだったのを部屋に改装したらしい。


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