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「トランプ勝利で日本は今のままではいられなくなる」

2016-11-12 09:16:44 | 日本

古森義久さんが 「トランプ勝利で日本は今のままではいられなくなる」と題して掲載している。
以下、要約し記す。



米国の大統領選挙がついに終わった。共和党ドナルド・トランプ候補の勝利だった。
トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン候補を破るという展開は、文字通り誰も予測できなかった。米国では巨大な衝撃波が広がった。
トランプ氏はなぜ勝ったのか。トランプ大統領の誕生は何を意味するのか。今回の結果を私なりに総括してみたい。


◎オバマ政権が招いた閉塞感

トランプ氏の勝利は、米国の大方の予想を裏切る展開だった。選挙の結果を占うときに誰もがまず頼りとする大手メディアなどの世論調査の数字は、ほぼすべてがクリントン候補の勝利を予告していた。
これまで政治経験がなく暴言・放言の多かったトランプ氏は、母体であるはずの共和党内部でも反発されていた。クリントン氏の多彩な経歴と比べると、足元にも及ばない政治の素人でもあった。
だが、そのトランプ氏がヒラリー氏を打ち負かした。当選には全米で合計270人の選挙人の獲得が必要だが、トランプ氏は290人を獲得した。クリントン氏が得たのは232人だった。
米国の草の根の保守勢力が、リベラル派のオバマ政権とその後継となるクリントン氏に真っ向勝負を挑み、勝利した。オバマ政権が8年にわたり米国を率いた末の閉塞感に、強烈な「ノー」が突きつけられた結果とも言えるだろう。トランプ新大統領が米国内外に劇的な変革の波を起こすことは確実である。


◎選挙戦終盤、メール問題がクリントン氏を直撃

1年半にわたって繰り広げられた大統領選挙キャンペーンは、まさに異例づくめだった。今年8月以降、トランプ、クリントン両候補の1対1の対決となると、政策論争は置き去りになり、両候補は相手の非を叩くネガティブキャンペーンに徹するようになった。この点においては、米国の近年の歴史の中で最も低次元な大統領選だった。米国の主要メディアが両候補の罵り合いをあおることで選挙戦はさらに低俗化した。
トランプ氏はオバマ政権のすべてを否定し、クリントン氏はその延長にあると位置づけて非難した。たが、その非難は上滑りし、暴言・失言を重ねた。
トランプ氏の発言には、少数民族や女性に対する差別的な言葉もあった。そのため、リベラル寄りで民主党を支持する傾向が強い米国の主要メディアからは酷評され続けた。しかしトランプ氏は動じることなく、大衆受けのする過激な言葉でクリントン非難、オバマ非難を発し続け、共鳴の輪を広げていった。

トランプ氏の主張は「アメリカが第一」「自由貿易協定破棄」「移民難民の入国制限」という単純なスローガンに集約されてきた。それらの主張はときには排他的で時代錯誤にさえ響く。しかし、グローバル化が行き過ぎた現状において、賛同する米国民は実は少なくなかった。
一方のクリントン氏は、公務に私的なメールアカウントを使っていた問題や、クリントン財団の公私混同の疑惑などで守勢に立たされることが多く、得意なはずの政策論争に持ち込むことができなかった。特に選挙戦終盤にメール事件が刑事捜査の標的となったことは大きな打撃となった。「刑事訴追もあり得る」という疑念が各州での世論調査にも反映され、明らかに支持を減らした。


◎2つのアメリカの構造が鮮明に

今回のトランプ氏、クリントン氏の対決の背後には「2つのアメリカ」が広がっていた。
まず、オバマ政権に見られる、政府が弱者や少数民族の保護を優先して大幅に介入するリベラル路線。片や、民間の自助や自主努力を重視する、主に白人中間層が求める保守路線。アメリカはこれらの2極に分化されている。
両候補ともこのどちらを歩むのかを正面からの政策提示によっては表明しなかった。だが、お互いの激しい非難の応酬は、期せずしてその対立の構造を浮かび上がらせ、溝を深めることになった。

トランプ氏は保守主義をほとんど唱えず、共和党主流派を叩いて反発を受けた。しかしいざ投票となると、議会選挙も含めて保守派全体の「反クリントン」傾向は予想以上に強いことが判明した。トランプ陣営が思っていたよりも、ずっと多くの州で、ずっと多くの票を得たのである。


◎日本にとっては重大な事態

こうしてトランプ氏は、第45代大統領に就任することとなった。だが、超大国の最高指導者としての政治的手腕はいまだ未知数だ。国内政策や対外政策も不透明な部分が多い。
日本に関しては「日米同盟への日本の寄与があまりに少ない」という批判を繰り返してきた。安倍政権が推進しているTPP(環太平洋パートナーシップ)にも反対している。
この2点だけをみても、トランプ新大統領の登場は、日本にとって戦後の国のあり方の根本を問い直される重大な事態と言ってよい。日本は防衛でも経済でも自主性を強く求められるようになるだろう。












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