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「キクラゲについて②」

2016-09-18 08:02:04 | 日本

● 基本情報

キクラゲはキクラゲ科キクラゲ属のキノコで、ブナやカエデなど広葉樹の枯れ木に生えます。漢字では「木耳」と書きます。キクラゲの形が耳に似ていることから中国でこのように呼ばれています。クラゲのようなコリコリとした食感から「キクラゲ」という名前が付けられました。中国では、昔から不老長寿の妙薬として珍重されてきました。


● キクラゲの種類、特性

キクラゲの本種はヨーロッパにはなく、アジアから北・南米の熱帯に分布します。
キクラゲは春から秋にかけて、広葉樹の倒木、切り株、枯れ木などに生える木材腐朽菌です。ゼラチン質の耳に似た形をしたキノコで、平地から山岳地帯まで様々な所に自生します。乾燥すると薄くなり、カラカラになります。「キクラゲ」という商品名で流通していますが、それはキクラゲ類の総称を指し、アラゲキクラゲ、コクロキクラゲ、シロキクラゲなど数種類が含まれます。大きく分けると白と黒の2種類に分けられ、シロキクラゲは高級種として知られています。
基本的にキクラゲと総称されているキノコは、直径3〜6㎝、高さは約3㎝ほどの大きさで、その形状は円盤状、杯状、耳状など変化に富んでいます。中でもシロキクラゲは大変ユニークな外見で、全体が純白の花びら状をしており耳状の片の集団で、直径3〜10㎝の塊となって生育しています。
どのキクラゲも背面の一部で基物につきます。群生していると、隣同士でくっつくことが多くなります。樹木に付着している面に極細毛が密生し、裏側は胞子[※1]ができ褐色で滑らかです。人工栽培も盛んにされ、栽培は原木、菌床の袋栽培で行われます。ナラやクリの木などに菌を植えて栽培する方法がとられています。市販されているものは、多くが乾燥品です。


● キクラゲの栄養成分

キノコ特有の多糖類[※2]、高分子多糖体[※3]のβ-グルカンを含み、生体免疫力を高める働きがあります。他のキノコ類に比べてキクラゲには、ミネラル類である鉄分とカルシウムが多く含まれることがポイントです。幅広いミネラルの補給源として期待できると同時に、貧血気味の方は積極的に摂りたい食品です。また、ビタミンB群やビタミンEのほか、体内でビタミンDに変化するエルゴステリンという成分が豊富なため、カルシウムとリンの吸収を良くする働きがあり、血液をサラサラにし、血栓症を予防します。ビタミンDは、丈夫で健康な骨をつくります。丈夫な骨は常に骨代謝によって新しくつくられ続けなければなりません。その骨代謝に効果を発揮するのがキクラゲの特徴です。ビタミンDは破骨細胞[※4]を活性化して古い骨を壊し、骨芽細胞[※5]を活性化して新しい骨をつくることに働きかけます。ビタミンDは、骨の新陳代謝の過程で、破壊と再生が行われるよう調整する役割を果たしています。
さらに、食物繊維も豊富で(100g中に5.2g)、食物繊維が豊富なことで有名なごぼう (100g中に5.7g)と比較しても遜色ありません。整腸効果も期待できます。


● シロキクラゲとクロキクラゲの栄養成分

一般的に中華料理などで食するキクラゲの多くがクロキクラゲで、シロキクラゲは数が少なく、高価で希少価値が高いとされてきました。しかし近年、栽培法が色々と考案され、以前に比べてシロキクラゲも入手しやすく、価格も落ち着いてきたといわれています。シロキクラゲとクロキクラゲは、成分に若干の違いがあります。
シロキクラゲには抗酸化作用[※6]があり、過酸化脂質[※7]の増加を抑え、動脈硬化や老化防止にも働きかけます。肺を潤し、咳を止める効果もあるので、カラ咳が出る時、老人性のぜんそくに有効です。また、植物性のコラーゲンを含むので、肌に潤いを与えます。続けて食べれば、シミやそばかすなどに有効で美肌効果があります。
栄養成分的にはクロキクラゲの方が鉄分、ビタミンB2が豊富に含まれています。そのため、動脈硬化、高血圧、
心臓疾患、婦人科系の疾患の改善に働きかけるといわれています。


● 免疫力を高める効果

高分子多糖体のβ-グルカンを含み、生体免疫力を高める効果があります。β-グルカンは人間の体内で、免疫機能をつかさどるマクロファージやナチュラルキラー細胞、白血球のT細胞、B細胞の働きを活性化し、免疫の関連物質であるインターフェロンの生成を促す作用があります。免疫にかかわる因子を活性化することで免疫力を高めます。
また、ブドウ糖や果糖などが多数つながってできた物質であるマンニトール[※8]やトレハロース[※9]といった糖質を約60%も含んでいるので、抗ウイルス作用も期待できます。


●骨粗しょう症の予防効果

エルゴステリン[※10]から変化した豊富なビタミンDは小腸や腎臓でカルシウムの吸収を促進し、吸収率の悪いカルシウムをしっかりと体に取り込んでくれます。骨では血液中のカルシウム濃度を調整し、カルシウムが不足しているときは尿からの排出を防ぐなど、骨のカルシウム濃度を一定に保つ働きを持っています。もともとカルシウム、マグネシウムが豊富ですので、強い骨を目指す方に適した食材です。


●疲労回復、老化防止効果
ビタミンB群、ビタミンEが豊富なので、疲労回復、老化防止にも効果があります。
さらに、キクラゲ独特のヌルヌル成分にも効果があります。このぬめりは膠質(にかわしつ)と呼ばれるものですが、滋養強壮、乾燥肌防止、老化を防ぐ効果などがあります。


● 脳梗塞や心筋梗塞の予防効果

体内でビタミンDに変化するエルゴステリンという成分が豊富なため、カルシウムとリンの吸収を良くすることで、血液をサラサラにし、血栓を予防します。そのため、脳梗塞や心筋梗塞など、あらゆる血栓症の予防効果があります。


● 造血作用・貧血の改善効果

鉄分、カリウムを豊富に含んでいるため、造血作用があり、貧血を予防、改善する効果があります。


● コレステロール値、血糖値、血圧を下げる効果

酸性多糖類を多く含むので、コレステロール、血糖値の上昇を抑制します。またカリウムも多く含んでいるのでナトリウムの排出を促進し、血圧を下げる効果があります。


● 健康な皮膚、髪、爪をつくる効果

ビタミンB2が豊富に含まれているため、細胞の新陳代謝を助け、健康な皮膚や髪、爪をつくり、成長を促します。また、粘膜を保護する働きもあるので、目、舌、唇など、粘膜性の部位の健康にも効果があり、肌荒れや口内炎の改善が期待できます。


● 大腸ガンの予防、便秘の改善効果

特に乾燥キクラゲの場合、食物繊維がずば抜けて多いため、大腸ガンの予防、便秘の改善に効果を発揮します。


◎こんな方におすすめ

・免疫力を向上させたい方
・骨粗しょう症を予防したい方
・疲れやすい方
・老化を防ぎたい方
・貧血でお悩みの方
・生活習慣病を予防したい方
・髪や爪、肌の健康を保ちたい方
・便秘でお悩みの方


◎主な栄養と効果

黒きくらげは栄養学的に見ると他のきのこに比べて、カルシウム、鉄、食物繊維、ビタミンDが豊富に含まれています。またカリウムやマグネシウムなどミネラル類の含有率も高くミネラル補給源としても活用できるほか、ビタミンB群・葉酸なども含んでいます。
ビタミンDは骨の新陳代謝の過程で必要とされる成分ですし、カルシウムの吸収促進する働きもあります。キクラゲはビタミンDや体内でビタミンDに変化するエルゴステリンに加え、カルシウムも豊富に含まれていますので、骨粗鬆症の予防や、血液サラサラ効果による生活習慣病の予防などにも効果が期待されています。


◎免疫力アップに

キクラゲにはキノコ特有の高分子多糖体であるβ-グルカンという成分も多く含まれています。β-グルカンはマクロファージやナチュラルキラー細胞など人間の免疫機能に関わる細胞を活性化させたり、インターフェロンの生成促進作用など、免疫系に関わる多くの因子を活性化させることで免疫力向上効果があると注目されている成分です。またビタミンDにも免疫力や細胞の代謝機能をアップさせる効果があるとされており、ビタミンDが豊富なキクラゲを食べれば免疫力向上の相乗効果も期待できるでしょう。
抗ウィルス作用が期待できるトレハロースなどの糖質や、疲労回復、強壮、老化防止などの効果があるビタミンB郡や膠質と呼ばれるヌメリ成分もあります。キクラゲは疲労などで低下してしまった体力を取り戻し体のコンディションを整えることに役立ってくれますから、風邪やインフルエンザの流行る時期などにも摂りたい食材です。


◎便秘解消、ダイエット中に

キクラゲの種類によってカロリーは変わりますが、一般的に食べられている「本キクラゲ」と呼ばれるキクラゲは茹でた(戻した)状態で100gあたり13kcalと非常に低カロリーな食材。野菜で言うと茹で白菜と同じカロリーで、キャベツや大根よりもローカロリーなのです。ちなみにアラゲキクラゲと呼ばれる肉厚で毛羽感のあるものでも35kcalとさほどカロリーは高くありません。
低カロリーなことに加え、キクラゲには食物繊維が5.2g(100g中)と非常に多く含まれています。食物繊維が豊富と言われるキノコ類の中でも食物繊維料はトップで、苦瓜(ゴーヤ)の約2倍、レタスやだいこんの約3倍の含有量になります。キクラゲに含まれている食物繊維の大半は不溶性食物繊維ですので、有害物質を吸着して排泄させたり腸の蠕動運動を促す働きがあります。便秘の解消や腸のお掃除・デトックスにもキクラゲは役立つ食材と言えます。
不溶性食物繊維は胃の中で水分を吸収して膨らむ性質がありますので低カロリーながら満腹感が長く続きますし、便秘の解消によってぽっこりお腹の解消や代謝向上などダイエットに嬉しい効果も期待できます。またキクラゲには脂肪の分解・代謝に関わるビタミンB2も含まれています。


◎貧血改善、美肌作り

鉄分・カリウム・葉酸を豊富に含むキクラゲは造血作用に優れています。女性に多い貧血・鉄欠乏性貧血の予防改善に役立ちますし、レバーやヒジキほどクセの無い味なのでレシピにも取り入れ安いでしょう。検査上の数値で明らかに貧血と出ていない隠れ貧血の人も合わせると女性の60%が貧血だという説もあるほど。めまいや立ちくらみがある方や、倦怠感があってやる気が出ない、疲労感が抜けない、体のだるさ・重さを感じている方もキクラゲを摂るようにしてみると良いかもしれません。
貧血・鉄不足は体調面だけではなく美容面にも関係してきます。血液中の酸素量が低下して顔色がどんよりとくすんでしまったり、代謝が低下してターンオーバーが乱れる、肌の細胞が栄養不足で荒れてしまうなど様々な弊害がありますし、コラーゲン生成も低下してしまいカサカサやシワ肌になってしまう危険性もあるのです。
キクラゲは鉄分補給に優れていますし、食物繊維による便秘解消・デトックス効果は肌荒れの防止にもなります。また独特のプルプルした食感の元になっているゼラチン質=膠(ニカワ)質には肌に水分を与え乾燥肌の改善に効果が期待できるとも言われています。


◎白キクラゲについて
日本ではさほど馴染みのない白キクラゲですが漢方では「体に水分を補い、肺を潤す働きがある」とされ、古くから重宝された食材です。肺を潤すと言われてもピンときませんが、漢方の考え方では肺というのは呼吸器系だけではなく「皮膚」も司っており、肺を潤すというのは咳や喉の痛みだけではなく「美肌」効果もあるということになるのだとか。中国では美肌食材としても人気があります。
科学的に見ても白キクラゲには「白キクラゲ多糖体」と呼ばれる独自の成分が含まれています。化粧品に配合されることもある白キクラゲ多糖体はヒアルロン酸を超える高い保水力があるため、肌の潤い・ハリの維持に優れていることが分かっています。継続して食べることで乾燥肌やじわ・たるみ・シミの予防改善に高い効果が期待出来ると考えられています。
白キクラゲには白キクラゲ多糖体や水溶性食物繊維など水分を含ませる成分が多いことから便秘の解消効果も期待出来ます。便がカチカチに固まってしまうタイプの方や寒天などで便秘が悪化したことのある方などは、水溶性食物繊維やそれに準じる働きを持つ成分の多い白キクラゲの方が適しているでしょう。


<豆知識①>
食品としてのキクラゲ

キクラゲを食用としている国は、主に日本、中国、韓国などの東アジアです。日本では、古くから食用として人々の生活に取り入れられており、15世紀(室町時代)以後には、食用にされていたという記録が残っています。大変栄養素に富んでおり、様々な健康効果が期待されるキクラゲですが、その見た目の印象に加えて無味無臭であったため、食材と思われるまでに時間がかかったといわれています。
乾燥すると著しく収縮し固くなりますので、水に30分ほど浸けてもどしてから調理します。スープや炒め物など中華料理には頻繁に使われています。また滋養があることから、薬膳料理にも使用されています。
乾燥品が主流ですが、より美味しく味わいたい場合は、天然もので調理するほうが望ましいといわれています。天然物の旬は春と秋です。全体的にしっとりとしていて湿り気があり、色が濃いものを選ぶとよいでしょう。
乾燥品の場合、選ぶ際のポイントとしては、色が黒くしっかり乾燥しており、形が大きいものが良品とされています。


<豆知識②>
キクラゲの調理ポイント


滋養のあるキクラゲは中華料理としてだけでなく、気軽に日常のお惣菜として食卓に取り入れることも可能です。
乾燥キクラゲを水でもどす際、10倍に増えます。水でもどしたキクラゲは、酢の物、和え物、炒め物、スープなどに幅広く活用できます。コリコリとした歯ごたえが美味しさの秘訣で、きゅうり、セロリ、はくさい、もやしなどと好相性です。
また、ちょっと高価なシロキクラゲには、ユニークな調理法があります。もどした後、さらに熱湯にくぐらせてから、シロップ漬けなどにして常備しておくとデザートとして楽しめます。












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