龍の声

龍の声は、天の声

「万能薬念 キムチの作り方」

2014-01-30 08:33:45 | 日本

韓国の家庭の食卓のように、サラダのように、毎日もりもりキムチを食べたい。
身近な野菜と「キムチの素」で、簡単に本格派のキムチをつくってみよう!

「大根、白菜取り入れて、漬物漬けよう。唐辛子、にんにく、塩辛を程よく入れ、大瓶にも漬け、中瓶にも漬け、小瓶や壺にも漬けなされ……」

これは昔々のキムチづくり奨励の唄。
かの地の人々にとってキムチがどれほど大切なものであったか。いや、それは現代でも同じだ。

デパートのキムチ売り場や市場に行けば、白菜、大根、えごまの葉、からし菜、きゅうり、芋づる、たんぽぽの根っこに似たもの、山菜、日本では見たことのない葉物のキムチも並んでいる。しかしこれらはほんの一部。大根一つにしても小さな大根、間引いたものの葉を賞味するもの、大きな大根など数種もあるし、郷土の特産品まで含めるとその数は200とも400種類ともいわれている。

ヘルシーかつ、美しい肌をつくるキムチを自分でもつくってみたい。とはいえ、キムチは日本の漬物のように、極端にいえば塩と糠があればできるものではなく、複合的な旨味を出すための調味料からして複雑だ。そして、出来上がったキムチを適温で保存し、ゆるやかに発酵を促すキムチ冷蔵庫もない。本場の味をつくり出すのは、至難の業かもしれない。

そこで、この対応策として、チェ・ジウンさんの万能薬念(ヤンニョム)、いわば自家製「キムチの素」を伝授する。これさえ仕込んでおけば、思い立ったときにすぐキムチを漬けられるし、ご飯のおかずになる。

万能薬念のポイントは、ベースとなる、もち粉でつくる糊。この糊が、発酵を早める効果と優しい甘味を添えることで、漬けてすぐにおいしく食べることができるのだ。
ポイントはほかにもある。薬念の味つけは控えめに。仕上げで、塩や甘味を足して好みの味に調整できるようにするためだ。下処理した野菜の量の1割程度の薬念をからめ、様子を見るといい。野菜は、均一に味がなじむよう厚さや大きさを揃えること。野菜と薬念を混ぜるときは、力を入れず指先にまで神経を行き渡らせて、優しい手の動きで軽やかに混ぜ合わせること。力を入れすぎると食感に影響が出るからだ。

すぐに食べきらないキムチも、室温、野菜のもつ水分、冷蔵庫の温度によって発酵の進み具合が変わるので、自分の舌で判断しながらおいしく楽しんでほしい。

◎チェさんの万能薬念

【材料(つくりやすい分量)】

もち粉…大さじ2、玉ねぎ…150g、大根…250g、梨…大1/2個、にんにく…60g、生姜…10g、アミの塩辛(汁ごと)…1/3カップ、カナリエキス(イカナゴの魚醤)…2/3カップ、梅エキス(または砂糖)…大さじ2、粗挽き唐辛子…100g、細挽き唐辛子…20g
※梨が手に入らない場合は、りんご中1個でも可

(1)もち粉で糊をつくる。小鍋にもち粉と水200mlを入れてよく溶き、中火にかける。焦げつかないように木杓子で絶えず混ぜながら加熱。とろみがつき透明感が出て、全体にフツフツと泡が立ったら火を止めて完全に冷ます。

(2)玉ねぎ、大根、にんにく、生姜は適当な大きさに切り、梨はすりおろして汁を搾る。ミキサーに(1)の糊、その他の材料をすべて入れる。

(3)全体になめらかになるまでミキサーを回す。味をみて塩気が欲しい場合はカナリエキスを、甘味が欲しい場合は梅エキスまたは砂糖を足す。約5カップできるが、ここから適量をキムチに使う。残った薬念は冷凍保存できる。