今回をもって、硬派戦国ドラマとして名を成した「風林火山」が終了。
皮肉な形で、後世に名を残す事となった「啄木鳥戦法」を見破られた勘助。そのおかげで、武田軍は窮地に追いやられました。援軍が来るまで、武田軍は持ちこたえる事が出来るのか!
最後の最後まで緊迫感が漂う、このドラマ。
さて、その果てにあるものは。
勘助、突撃。
敵の本陣を突く為に-。
命を捨てる覚悟が感じられる、この表情。
一方、武田の奇襲をかわした上杉軍は退き陣をせずに、なんと武田本陣に突撃。
もう戦局は無茶苦茶です。策略もクソもありません。肉弾戦あるのみです。
別働隊として動いていた真田軍も本陣のピンチを聞いてすぐに駆けつけようとします。しかし、彼の前に立ちはだかったのは!
そう、消えたとばかり思っていた村上義清!
居たのか・・・。いや、居ないとおかしいのだけど(笑)。今更、何しに出てきた!という思いが強いです。
場面は次から次へと目まぐるしく変わります。
勘助は、なんと宇佐美と一騎打ち。
両軍の参謀同士が何と肉弾戦で一騎打ち。
勝敗は着かず。
勘助は宇佐美を振り切り、駒を進めます。
たった一騎で突入!
凄い、凄すぎる。中原永世十段(当時)の「今から突入しま~す」よりも凄い!
そう彼が狙うは・・・。
彼が狙うは・・・!
狙うは・・・、唯一つ!政虎の首!
が、勘助の左胸に2本の矢が!
ここから、勘助の執念の炎が燃え上がります。
悠然と構える政虎を目の前に奮迅する勘助。
突き刺されても、突き刺されても、先へ先へと進む勘助。
攻撃を受け、満身創痍になりながらも政虎めがけて進んでいく。
迫力がありました。この立ち振る舞いは凄い。内野さんの演技に圧倒されました。
このシーンはBGMの使い方も良かったです。
真田軍(や香坂軍)が武田本陣に駆けつけるに当たり、この勝負は武田軍の勝利。
勘助が勝ち鬨を挙げようとした、その刹那。
勘助は首を打たれました。
享年不詳。
そして、何だか対照的なラストを迎えることになってしまった平蔵。
勘助が満身創痍で動けなくなったところにひょっこりと登場。
しかし!
矢に当たって昏倒。
呆気ない!
しかも弱い!
それでもって運がない!
で、死んだのかと、思いきや。
生きていた!
新撰組の中村獅童みたいに『お笑い昇天』にならなくて、本当に良かったです。
でも、やっぱり死にました!(←短い間で何回、視聴者をミスリードさせる気か!)
人は何のために生まれてきたのか。重く考えさせられます。
彼の一生を思うと同情を禁じえません。
あぁ、最期までよく分からなかった平蔵の存在。(脚本家よ、もっとガンバレ!)
あぁ、どこまで行っても「やっぱり佐藤隆太」。(IWGPが懐かしい)
あぁ、ヒサの晩御飯。(でも待ちきれずに食べたと予想)
ラストはミツの言葉で幕を閉じました。
「勘助、ワシには見えるだよ。勘助の中に咲いてる花が。だから勘助は怖くねぇだ」
勘助は、死ぬ瞬間まで風林火山の旗が日本全国にはためく様相を夢見ていました。
しかしながら、勘助の死から約15年後。
武田軍は長篠の戦で惨敗。時代が変わる瞬間でした。
これにより、戦国は急速に収束へ向かい出します。
以下、琉河が思う、一年総括。↓
【配役について】
全体的に「配役にはお金をかけていない」という事実が一目で分かるこのキャスト。
仲代・千葉・緒形といったトメ専用重鎮俳優(次点で藤村・風吹・竜雷太・加藤武)と、それ以外の配役の軽さが目立つ「格差配役」が顕著に表れていました。
現に琉河は松井誠という役者さんをこのドラマで初めて知りましたし。
だけれども、ヒロインを除いてはミスキャストは少なく感じられ、個人的には「人件費の節約に成功したドラマ」と評価しても過言ではないような気がします。
でも、大河ドラマ開始当初は「豪華な配役」が売りの一つであったはず。「葵・徳川三代」や「利家とまつ」みたいな“役者の使い捨て”は勘弁ですが、もう少しキャスティングにお金をかけても良かったのではないかな~と思いました。
【OPクレジットについて】
ヒロイン「由布姫」をオーソドックスに2番手・3番手にもってくるのではなく、中間ピングループの特別枠(通称「花枠」)にもってくる手法は見事だと思いました。
しかし、その弊害で、回によっては金田明夫が三番手という渋い(というかヘボい)クレジット順番になってしまったのは残念でした。
そして、これは曲調に合わせてのクレジット表示だから仕方がないのですが、上杉祥三や近藤芳正がトメグループに表示されるのは勘弁して欲しかったです。大河ドラマにしては軽すぎる・・・。
【ドラマの構成】
合戦ロケに重点を置いた構成は良かったと思います。でも桶狭間の省略ぶりには閉口です。
来年の大河ドラマは、「篤姫」。
配役は豪華だと言われているようですが、単に例年並に戻っただけ、と思ってます。このドラマに期待するのは、役者陣の演技のみ。
長州贔屓な琉河としては「篤姫」はテーマ的にあまり魅力を感じません。でも一見の価値はあるのではないかと。「見なず嫌い」で、素晴らしいドラマを見逃してきた経験が何回もあるからです。
このブログを読んで下さった皆様、TB&コメントを下さった皆様、感謝しております。お付き合い頂き、本当にありがとうございました。
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