友人が発行するフリーペーパーに取材されました。
4月くらいに千葉大を中心に配られるみたいです。
http://www.cupo.biz/
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ー海外に行ってみようと思ったきっかけを教えてください。
純粋な興味からですね。知らない所に行って、知らない人と話す。想像しただけでわくわくします。ずっと海外に行きたいと思ってました。1年の時、留学しようと英語を勉強したけどダメで、2年の時、在外公館派遣員という海外の大使館で2年間働ける制度の試験を受けたけど面接で落ちました。そして3年の冬、いざ就活となった時に、「やっぱ行きたい!」と思ったのがきっかけですかね。働くと簡単には海外に行けないし、ラストチャンスだと思って休学を決意しました。また、僕の先生が大学のころ、一人で海外に行った話を聞いて刺激を受けたことも大きいです。
ーそれで初めての海外に一人で長期旅行ですか? ?
初めてというのは全く意識していませんでした。実際行ってみると同じような旅行者は沢山いました。ああ、狭い世界で生きてたなと気づきました。長期という要素は僕にとって非常に重要でした。ガイドに守られたツアーでは、現地のことは何も見えない。長期の貧乏旅行だと必然的に現地人との交流が増え、面白い発見や出会いがあると思ったのです。
また、一人というのも重要でした。誰かと一緒だと、現地人や他の旅行者と交流する機会が減ります。これはもったいないと思いました。まあ、ルートと気が合えば、近くの国まで一緒にっていうのは多々ありましたけど。
ー最初はどこの国に行ったんですか?
一ヶ月でタイ、ラオス、カンボジアを回りました。初日はもう帰りたかったですね。(笑)初海外のくせに無謀にも宿を予約してなくて、安宿街で有名なカオサンという通りの名前をひたすら連呼しました。それで連れて行かれたところが真っ暗、誰もいない。殺されるんじゃないかって、とても怖かったのを覚えています。ようやく見つけた宿に大きな窓があって、朝その窓を見るとバイクやトゥクトゥク(※注2)がひしめいていて、映画のスクリーンを見ているようでした。一歩踏み出すと全然違う世界なんだなって、ただただ圧倒されましたね。
ーそのあとはまたどこかに?
9ヶ月かけて陸路でタイからエジプトまで……長かった!この旅では、所々でボランティアをしてきました。タイでエイズ支援のボランティア(※注1)。あと中国四川大地震の時は、物資運びを手伝いました。他には、ウズベキスタンで日本語学校で先生(※注2)をしたり。普通に旅行するより貴重な経験ができました。
ー中東へ行ったと聞きましたが……。
始めは危ないイメージでした。でも、出会う旅人は良いところだと言うんです。実際どうなのか、自分の目で確かめようと思ったんです。行ってみて、イメージと現実のギャップに驚きました。アラブ人、すんごく優しいんです!ガイドブックを開いて、立ってるだけで必ず誰か話しかけてくれる。道を聞くと手を引っ張って案内してくれたり、食堂に行くと隣に座らされ、いいから食え食えっておごってくれたり。これは感動したんですけど、多くの人が「welcome!」って言ってくれるんです。バイク乗ってるやつが、ビューンってすれ違いざまに「welcome!」って言って通りすぎていくことも。(笑)イメージだけで物事を判断してはいけない、自分の目でみて、考えて、判断するのが大切だと気づきましたね。
ー危ない目には遭いませんでしたか??
イスラエルで、国際法廷でも違憲判決が出ている分離壁反対デモに参加した時、催涙弾やゴム弾が飛んできました。怖かったですね。今、イスラエルはパレスチナの領土を侵食する壁を作っています。これが完成すると農地が分断されてしまうため、ビリーン村では毎週デモをやっています。パレスチナ人だけでやると、イスラエル兵に殺されることもあるので、外国人も一緒に参加して見張らなければいけません。普段は優しいアラブ人が、目の色変えて叫んでいる姿をみて、彼らがなぜ、ここまで叫び、自爆テロを起こすのか。危ないという言葉で片付けずに、理由を考えなければならないと思いました。
ー旅に出る前と出た後で変わったことはありますか?
日本に居る外国人に対しての見方が変わりました。今までは、外国人の存在は目に入るだけでした。でも自分が外国人という立場になったときに、結構ストレスやプレッシャーがかかると気づいたんです。そんなときに現地の人に一言かけてもらうだけで、すごくうれしかった。だから外国人と話す機会があるときは言います、「ようこそ」って。……さすがにアラブ人みたく、すれ違いざまには言えないですけど。(笑)
ーでは日本という国はどうですか?
沢山の国を見てきたけど、やっぱり日本が最高ですね。
まず料理が美味しすぎる!中央アジアや中東は、乾燥地帯なのでパンばっかり。また、材料が少なく、ひたすらサンドイッチ、羊肉、サラダetc、、うんざりでしたね。あとは季節。中央アジアは夏は50℃、冬は-20℃ですよ。それ聞くと、ゆったりと移り変わる四季の変化があるって良いなと思います。旅行で行くには、食事も気候も耐えられると思うのですが、住むとなるとやはり日本がいいなって思います。日本人だから日本語が一番コミュニケーションをとりやすいですしね。また、海外には日本の製品がどこにでもあって、日本人だというだけで、すごく尊敬されるんですよ。「TOYOTA!!
Japan,Good!!」って。ああ、日本ってすごい国なんだなって認識しましたね。
ーそういえば、お金は幾らくらい使ったんですか??
生活費が月5万円×10ヶ月で50万。飛行機と合計でも約70万ですね。休学して貧乏旅行した方がよっぽど安くつきました。(笑)途上国の物価は恐ろしく安いです。宿は1000円以下で、食事も安食堂で200円出せばお腹いっぱい。移動費は、長距離バスが1時間あたり100円、市内交通に至っては初乗り30円とか(笑)
ーそれでは千葉大生に一言お願いします。
サークル活動もいいと思いますが、そこから勇気を持って、行動範囲を広げる。特に、今の自分と関係ないことに挑戦すると面白いですよ。そうすることで、意外な経験や出会いがあるはずです。僕は、英語圏ではない所への貧乏旅行をオススメします。言葉以外のものでコミュニケーションを取るのは大変ですが、とても面白いです。また、千葉大には大勢の留学生がいますね。外国へ行かなくても、様々な話が聞けると思います。時間だけは腐るほどある大学生のうちに、知らない世界へ積極的に踏み込んで、色々な経験をすると良いと思います。
▼NORIKO学級
ウズベキスタンの首都タシュケントから車で4時間。田舎町リシタンにある民間の日本語学校。
常駐の講師がいないので、常にボランティア講師を大募集中。教えるといっても、特殊な資格などは必要ありません。
日本語を使って子供たちの遊び相手になるだけで子供たちは大喜び。1泊3食付きの宿舎もあり、1日だけでも気軽に滞在できます。
事務局長;寺尾 千之
http://rjc.bz
cterao@peach.ocn.ne.jp