羚英の随想●日記  ryou-ei no zuisounikki

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■花巻へ 其の十 祭りのあと■

2016-10-14 14:23:21 | 風の吹くまま



花巻まつりの鹿踊りパレードが無事に終了しました。
傾きかけた初秋の陽を浴びて、意匠をこらした装束のシシ達が白いササラをゆらゆらと揺らしながら、会場を後にします。

興奮冷めやらぬ心持ちながらも、入場してきたときの高揚感とは相対する何とも言えない寂寥感が心に去来してきます。
まるでこれが現実ではなく夢の中の出来事だったような、そんな感覚でもありました。





準備会場だった体育館に戻り、踊り手たちはシシから人間に戻り、帰り準備を整えています。
踊り終えて戻ってきたその顔はみな、踊りつかれた心地よい気だるさと共に安堵と充実感とに満たされているように見えました。
この一連の場面の数々は、同じ空間にいるのにも関わらずどこか美しい映像を観ているような、そんな感覚でした。

それは多分、自分が外の人間だからだろうと。
暮らす土地に連綿と伝わる鹿踊りが当たり前にあるこの岩手に住まう人々と、これが非日常である私との間にある隔たり。
何故だろう、近くに行けば行くほど、知れば知るほど遠くに感じてしまうのは。

そんな気持ちを心のどこかに置きながら、鹿踊りを通して繋がった友人たちとのつかの間の時間を惜しんでいました。
ひとつまたひとつと、支度を終えた踊り組が帰路を急いでこの準備会場を離れていきます。
だんだんと人の少なくなった空間に、ますます寂しさが増してきます。


そんな中、地元石鳥谷のお祭りでの演舞を終えてから、春日流八幡鹿踊の中立氏が半纏姿で駆けつけて来られました。
この日行事が重なってしまったために、八幡さんは花巻まつりの鹿踊りパレードには参加出来なかったのですが、前日の言葉通りに顔を出して下さったのです。
八幡さん、舞川さんの踊り手のMさん、この日踊りデビューだった成島さんの踊り手のMさん、スペインからこの時期のために帰国されていた岩手ゆかりのAさん、この日再びお世話になった柿内沢さんの中立氏と、みなで最後にしばしの会話を楽しみました。

しかし、無情にももう時間は残り少なくなりました。
ひとり、またひとりとお別れの挨拶を交わし、最後に残った4人がそれぞれ分かれていよいよこれでしばしのお別れです。
まつりのあとの寂しさに心をここに残しながら、岩手を離れなければなりません。



ご厚意で駅まで送って頂く途中の車窓から見える街の景色も、もう頭には入る余地もなく。
お忙しい中でしたので挨拶もお礼もそこそこに、新花巻駅には早く到着出来たことで乗車時間までまだ1時間以上ありました。
寂しさばかりの気持ちを持て余しながら何するともなく時間を潰し、まだまだ乗車まで時間がありましたが、改札を通り誰もいないホームに上がっていきました。

乗車位置より離れたところにあったベンチに独り座り、スマートフォンで書き込みをしていると、いよいよこれで岩手を離れるのだとの思いに名残惜しさがこみ上げてきました。

困ったな、今回はハンカチを忘れてきちゃったのにな。
ポケットティッシュならいっぱいあるからいいんだけどね。


新幹線に乗り、思い出になったひとつひとつの出来事に思いを馳せ、ふと気がつくともう仙台駅。
ごめんね、また素通りです(笑)
東京駅に着くと、名残惜しさと諦めと安堵の交じり合った、東北から帰るといつも感じる感覚が襲ってきます。
家族が待つ川崎への帰路も、もう迷わずお手のもの。
信用ならないJR横須賀線もスムーズに流れ、予定の時間に帰宅出来ました。





さて、この記事で行山流山口派柿内沢鹿踊の紹介は2度めになります。
細々としたブログではございますが、関連記事を読んで下さり、住田町世田米の柿内沢の里に伝承されるこの鹿踊りに少しでも興味を持って頂けた方がいらしたら幸いです。
心から嬉しく思います。

このまだあまり世に知らせていなかった稀有な踊り組を詳しく知りたいと思い、出向いたり聞き取りで取材をさせて頂きましたが、関係者の方々には何かとお忙しい中ご迷惑をお掛けしたここと思います。
この場をお借りして、お詫びとお礼を申し上げます。

式年祭・(急な話でしたが)花巻まつりと、2度にも渡りお世話になりました。
本当にありがとうございました。
230年の歴史を刻む伝統のともしびが永劫に灯り続けますよう、ますますのご活躍を心からお祈り申し上げます。

ということで、招かれざる客はしばしお暇いたします(笑)
保存会のみなさま、お世話になりましてありがとうございました。


また、この滞在でお会い出来ましたすべての皆さまに、心からお礼申し上げます。
素晴らしい時間を頂戴しました、本当にありがとうございました。
またいつか機会がありましたら、是非お会いしましょう!
まずはその時まで…!


『日が暮れる 西の根笹に 露が入る おいとま申す いざや我が連れ いざや我が連れ』

#鹿踊り、ししおどり
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