羚英的随想日記

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■花巻へ 其の六 花巻まつり・パレード移動■

2016-10-07 15:07:35 | 風の吹くまま
9月10日(土)、花巻まつりの鹿踊りパレードの準備も整い、いよいよ移動が始まります。
各団体が続々と順番の列に並び始め、これから順次会場へと向かいます。
お天気が心配でしたが、幸い午前にあった雨雲も去り、青空には真っ白な雲が!

今回も私は行山流山口派柿内沢鹿踊さんにお世話になり、踊り組の半纏をお借りしてパレードに同行させて頂きました 





今や遅しと出発を待つ、柿内沢鹿踊のみなさん。
4年振りの参加だそうです。


その前年度(平成23年)に参加したときの様子がYouTubeにありますが、その時は中立の角鹿さんは左口輪(中立の左隣り/観客から見て右手)として踊られていました。





この日はベテランも復帰し8名の踊り手で参加。
各団体それぞれの渡り拍子(道行の太鼓)の音が鳴り響きます。


柿内沢さんに同行していると、他団体の太鼓の音が重なり響き、自分たちの太鼓の音が聞こえ辛いという現象が起こっているのが私にも分かりました。
特に、この日の柿内沢さんの渡り拍子の太鼓のリズムは今まで以上にゆっくりだったので、余計にリズム合わせが難しかったのではと思います。

鹿踊りをいろいろ観ていると感じますが、緩急は穏やかで比較的早めの太鼓のリズムとそれに合わせた軽快な踊りの団体が多い中で、柿内沢鹿踊のような太鼓のリズムと踊りの随所に緩急と唄が織り交ぜられている踊りは、独舞ではなく群舞である故に調和がとても難しい踊りだと思います。
その端麗なシシ姿とともにそういったところにも目を向けると、この踊り組の特徴や魅力といったものを捉えることが出来るのではと感じます。

で、なぜこの日はこんなにゆっくりだったのか不思議に思ったので後で中立の角鹿氏にお聞きしたところ、『柿内沢の太鼓のリズムは本来はこのぐらいゆっくりだから、直した』 そうなのです。
角鹿氏は中立として、また柿内沢鹿踊が昭和59年に活動再開を果たした当初の頃からの踊り手として、先輩方から伝授された“正統な”踊りを、後進の踊り手さんたちに何とか正しく伝えていこうと孤軍奮闘の日々。
ご自身は第12代中立、第8代中立にお祖父様が、第10代中立に(世話役としてこの日も同行されている)母方のいとこ叔父がおられ、踊りの長を輩出した一族としても、その責務を全うせんと尽力されているように感じます。
今後はどちらの太鼓の速さで活動されるのでしょうね。





吹張町まで移動して、一時休憩。
読みはフッパリ、ではなく、フツパリチョウなんですね!






鹿踊りの一行が一直線に。
画像では表せませんが、立ち並ぶ白いササラが圧巻!

看板建築風の建物が並ぶアーケード、昭和の人間の私にはどこか懐かしい風景です。






柿内沢鹿踊さんの後ろには同じ住田町の下有住に伝承される
行山流外舘鹿踊(ぎょうざんりゅう とだてししおどり)さん。

気仙鹿踊りの幕は外舘さんのような色合いが多い中、柿内沢さんは濃いめの色合い。






こちらは一関舞川の行山流舞川鹿子躍さん。

装束は踊り内容に合った工夫がなされていて動きやすそうに思います。
初めてこの装束を見たときに、ニシキエビかいっ!と思ったほどの伊達な色合い!

 




金津流石関獅子躍さん。

午前中の鳥谷崎神社の奉納演舞、お疲れ様でした。
何年振りかで中立の鹿踊マニアさんが参加されたとか!
おなじみの金津流の装束姿を見ると何となくホッとします。






ふたたび、舞川鹿子躍さん。

この日、親子ほど歳の離れた友人が 『海の門中(うみのとなか)』 を歌い踊りました。
観ることは出来ませんでしたが、きっと彼女にとって満足のいく躍りだったことでしょう!






柿内沢鹿踊さんの中立と、左口輪(中立の左側)で踊る次期中立の踊り手さん。

この日ご家族がその晴れ姿を観にいらしていました。
この若鹿さんがどんな中立になるのか、とても楽しみです!






休憩時間が終了し、渡り拍子を叩きながら会場へと向かいます。
タンタン タグヂグ タンタンコ…






鹿踊りの道行きを楽しそうに眺めている母子の姿が。
この太鼓の音と勇壮な姿は、きっと幼い心に刻み込まれたことでしょう。






長い鹿の列は、鹿踊りパレードの会場となる上町のおまつり広場へ。
広場といっても両側に商店が並ぶまっすぐな大きな通りです。


前日の夜のかがり火鹿踊りが踊られた場所と同じなのに、雰囲気がまったく違い、大きく感じます。
幽玄な夜の灯りに浮かぶ鹿踊りに対し、晴れ渡った空のもと傾きかけた眩しい初秋の陽射しに照らし出される鹿踊り。

白いササラを揺らし、意匠を凝らした装束に身を固め、おのおのの太鼓を轟かせ、圧倒的な数のシシたちがこの日この会場に集結しました。

夕べのあの太鼓の音の何倍もの音が、重なり、街中に響き渡っています。





最初に踊る所定の場所にスタンバイ。
抜けるような青い青い空、そして柿内沢鹿踊の深い青!



これからこのおまつり広場において、鹿踊りパレードの最初の演舞が一斉に披露されます。


■花巻へ 其の七 花巻まつり・柿内沢鹿踊り 1■につづく

#鹿踊り #ししおどり
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