大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・ポナの新子・80『てっきりポナだと思った』

2017-03-21 06:42:05 | 小説7
ポナの新子・80
『てっきりポナだと思った』
       


 てっきりポナだと思った。

 ポナはもぎたてレモンのようだけど、その人は同じ柑橘系でも夏みかんほどに座りの良さがあった。
「きみ、ポナの知り合い?」
「どうして……」
「ハハ、だって『ポナ』って声かけたじゃない」
 しまったと思った時は、その人について近くのマックに向かっていた。

「そっか、それでポナに声かけづらかったのね……」
 形のいい唇が、マックシェイクを吸い上げた。
「ああ、やっぱシェイクの飲み方なんか大学生ですね」
「プ、よしてよ、シェイクが横っちょに入っちゃう。ほんの四か月前までは女子高生だったのよ」
「見かけたときは、ポナそのものでしたよ。なんてのか……歩いていても、なんだか背中に羽が生えてるみたいで」
「どんな羽根?」
「えと……小さな天使の羽みたいな」
「あたしには小悪魔の羽みたく見えるけどね……どう、この飲み方は」
 背中に電気が走った。片肘ついて、少し上目づかいにストローを咥えるしぐさはポナそのものだった。
「ポナ……」
「そっか……それほどポナのことが好きなのね」
「でも、嫌われてるから……」
「でも、さっき声かけてきたじゃん」
「とっさだったから……」
「ポナは、きみがデモに行ったぐらいで嫌いにならないわよ。ただ、あの子は『去る者は追わず』ってとこがあるから、放っとくとほんとうに切れちゃうわよ」
「……大丈夫でしょうか」
「きみ次第。ただフライングしないでね。ポナはライブとお芝居が命のお子ちゃまだから、友だち以上のことは望まないでね」
「はい、おねえさん」
「がんばって、大輔くん」

 大輔は改札まで優里を送った。後姿と残り香は、やはりポナといっしょだった。

 スマホを持って三時間悩んだ。メールにしようか電話にしようかで悩む。意を決して電話に決めると、ポナから電話がかかってきた。
――おひさ~! 元気してる? そう、ところで明日会えないかな。来週芝居やるんでチケとか渡したいの――
「うん、あ……」
――どうかした?――
「ごめん、明日は家族で墓参りだ……」
 大輔はご先祖を呪った。
――じゃ、今からじゃだめ? 渋谷ぐらいなら出ていくけど――
 大輔は二つ返事でOKした。

 四時間前優里を見送った改札からポナが出てきた。ポナはノースリーブの白いワンピースを着ていた。ほんとに天使に見えた。

 大輔は、さっき呪ったご先祖に感謝した。
  



父     寺沢達孝(60歳)   定年間近の高校教師
母     寺沢豊子(50歳)   父の元教え子。五人の子どもを育てた、しっかり母さん
長男    寺沢達幸(30歳)   海上自衛隊 一等海尉
次男    寺沢孝史(28歳)   元警察官、今は胡散臭い商社員、その後乃木坂の講師、現在行方不明
長女    寺沢優奈(26歳)   横浜中央署の女性警官
次女    寺沢優里(19歳)   城南大学社会学部二年生。身長・3サイズがポナといっしょ
三女    寺沢新子(15歳)   世田谷女学院一年生。一人歳の離れたミソッカス。自称ポナ(Person Of No Account )
ポチ    寺沢家の飼い犬、ポナと同い年。死んでペンダントになった。

高畑みなみ ポナの小学校からの親友(乃木坂学院高校)
支倉奈菜  ポナが世田谷女学院に入ってからの友だち。良くも悪くも一人っ子
橋本由紀  ポナのクラスメート、元気な生徒会副会長
浜崎安祐美 世田谷女学院に住み着いている幽霊
吉岡先生  美術の常勤講師、演劇部をしたくて仕方がない。
佐伯美智  父の演劇部の部長
蟹江大輔  ポナを好きな修学院高校の生徒
谷口真奈美 ポナの実の母
平沢夏   未知数の中学二年生
ジャンル:
小説
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