大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・『はるか 真田山学院高校演劇部物語・50』

2017-07-08 06:31:18 | はるか 真田山学院高校演劇部物語
はるか 真田山学院高校演劇部物語・50

出版された『はるか ワケあり転校生の7カ月』の原話ノーカット版。いかにはるかは生まれ変化していったか!?


アハハと笑いながら読み、高校演劇の基礎とマネジメントが分かる高演ラノベ! 

『第五章 ピノキオホールまで・11』


 その日を皮切りに、稽古は激しくなっていった。

 しかし、あの日わたしが個人的に受けたような稽古は無かった。立つキッカケ、立ち位置、振り向くタイミングなどが何度も試され、修正を加えられた。

 固有のクセも直された。

 タロくん先輩は肩や目に出る過剰な力み。
 タマちゃん先輩は自然と開いていく膝、トチった時に出る「また……」という口癖。でも直った。これでもう誰かさんに「マタちゃん」などとは呼ばせない。
 わたしは、よく失う集中力。集中力を失うとぼんやりとした笑顔になってしまう。つまり「ホンワカ顔」を禁止された。
 演技中に集中すべき対象は全て指示された。台詞や道具(無対象が多いのだけど、慣れっこになっていたので苦にはならなかった)役としての過去の記憶。
 なんだかお人形さんになったみたいだけど、言われたとおりにやってればテンションも上がりラクチンだったので誰も文句は言わない。
 二曲の挿入歌も、N音大から届いた楽譜を元に正確な二部合唱になった。
 そして、休憩時間は少し長くなった。
 休憩の間に、先生は演出ノートを整理し、わたしたちは自主的に演技の調整。
 それも終わったら山野先輩のギターで、勝手に唄ってリラックス(これがコンクールでは生きてくる)していた。
 そうやって、厳しくも楽しい稽古が二週間続き、本番三日前のリハーサルをむかえた。

「わあ、大きなホール!」感動と怖じ気が同時にきた。

 タマちゃん先輩と、タロくん先輩は去年も出ていたので平気だった。
 山野先輩もびっくりなんだろうけど、さすがは少林少女。泰然自若。
 わたし一人が「わあー!」「広い!」「すごい!」「ヤバイ!」などを連発。大橋先生はニヤニヤと、乙女先生は少し怖い顔でわたしを見ていた。
 このピノキオホールは兵庫県のA市が持っている、演劇専用のホールで、付属の劇団まで持っていた。
 大阪には、これに似たS会館が有ったが、知事の事業仕分けのために取りつぶされていた。
 A市は大阪に近いこともあり、出場校の半分近くが大阪の学校だった。
「みんな持ち込みの道具多いですね、今の学校なんか大道具立てただけで……」
 終わってしまった。
 次ぎの学校は、やたらと照明に凝っていて吊り込みとシュートで、持ち時間の半分を使ってしまい、道具も 半分ほどしか飾れなくて、役者は登退のキッカケを確認しただけ。

 いよいよ真田山、わたしたちの番! 舞台監督のタロくん先輩は、誰よりも張り切っていた……わりには仕事がない。

 道具は、三六の平台(劇場が持ってる基本道具で、畳一枚の大きさで、高さが十二センチほどある)を二枚重ねたのが二つっきり。照明も地明かりだけなんで、なんの調整もなし。音響だけは持ち込んだMDの音量調整をやったけど、これも合わせて五分で準備完了。ゆうゆうと一本通せた。
 ただ、タマちゃん先輩の宝塚風の歌になったとき、ミラーボール(あとで名前を知った)が回って、光の雨みたくきらめいたのには驚いた。
 あらかじめ、学校の体育館のフロアーで実寸で二度ほど稽古していた。だから演技的に戸惑うこともなかった。
ジャンル:
小説
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