大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・トモコパラドクス・71『ミズホクライシス・激突』

2017-04-22 06:37:24 | トモコパラドクス
トモコパラドクス・71 
『ミズホクライシス・激突』
        

 三十年前、友子が生む娘が極東戦争を起こすという説が有力になった未来。そこから来た特殊部隊によって、女子高生の友子は一度殺された。しかしこれに反対する勢力により義体として一命を取り留める。しかし、未来世界の内紛や、資材不足により、義体化できたのは三十年先の現代。やむなく友子は弟一郎の娘として社会に適応する「え、お姉ちゃんが、オレの娘!?」そう、友子は十六歳。女高生としてのパラドクスに満ちた生活が再開された! 娘である栞との決着もすみ、久々に女子高生として、マッタリ過ごすはずであったが……そのマッタリ生活が破綻。第五世代の義体の攻撃を受けた。


 乃木坂に着いたと思って、地下鉄のドアを出たら、そこは渋谷の駅前だった。

 自分でワープしたわけじゃない……誰かにワープさせられたんだ。その瞬間殺気を感じ、アナログで高速移動した。滝川さんからもらったメモリーの直感だ。
 移動の瞬間、すぐ前にいたオジサンの首がすっ飛ぶのが見えた。ワープしたバスケ通りからでも、オジサンの体が立ったまま、二メートルほどの高さに血を吹き出しているのが分かった。首のないオジサンの周囲に悲鳴が上がった。
 友子は、あらかじめ制服を直ぐに変換できるようにしていたので、バトルスーツになっていた。
0・5秒で、敵の位置が分かった。交番の前で、スマホを見ながら歩いているフェリペの女生徒が、それであると知れた。右手のスマホがパルスブレイド。使用後の55度の余熱が感知できた。友子は躊躇せずに、パルス弾を撃った。敵はスマホを見ながら一瞬驚いた顔になったが、次の瞬間、パルス弾の直撃で、80%生体組織である第五世代の義体は、血しぶきと生体の断片や肉片をまき散らしてバラバラになった。周囲で、また悲鳴が上がった。並の人間には、自爆にしか見えないだろう。敵は、わざと通常のパルス弾を使っている。あいつらは義体専用のパルス砲を持っているはずなのに……!

「お母さん、敵は、まだ4体いる!」

 ミズホがワ-プしてきて、耳元で囁いた。瞬間パルス弾の気配。ミズホはワープで、友子はアナログの高速移動で、一体の義体の後ろに回り込んだ。義体は青学あたりの女子大生に擬態し、パルス弾発射直後に前方にシールドを張っていた。
「アナログの高速移動は分からないようね」
 言いながら、パルスブレイドで縦に真っ二つにした。一瞬右半身が反応して振り返ろうとしたが、左半身が付いてこず、生体組織と大量の血液を吹きだして倒れた。次の瞬間には、三方からパルス弾が飛んできた。側にいた通行人三人が、友子の代わりに弾を受けてバラバラになった。

「こいつら、卑怯だ! 一般の人を巻き込んで!」

 高速移動しながら、友子は悔しくなった。高速移動で、姿をくらませるのは二秒が限界だった。二秒後には、居場所が突き止められ、パルス弾が飛んできて、その都度通行人が犠牲になる。
 高速移動に、乱数は使っていない。使えば、すぐに読まれて、攻撃されることは、学校の屋上の戦いで分かっている。

――ミズホ、ワープは直ぐに読まれる。乱数無しの高速移動で!――

 滝川からもらったメモリーのお陰だろう。友子は、人にも物にもぶつからずに移動できるが、ミズホは無理なようで、主に建物の陰や屋上を使って移動している。二度目にすれ違ったとき、ミズホの右腕は無かった。

 三体目を倒したとき、友子はおかしいと感じた。

 もう、敵の残りは一体のはずなのに、攻撃の密度が変わらない。この一帯には、友子達が逃げられないようにバリアーが張ってあるので、敵も新戦力の投入は出来ないはずだ。

――お母さん、こいつら、五分で復活する!――
――ミズホ、冷静になって。生体を破壊しても、こいつらは破壊されたことにはならない。おそらくCPUが生きている限り、リペアしてしまうんだ――
――ど、どうしたら、キャー!――
――ミズホ、どうした!?――
――左足が!――
 友子は、0・1秒遅らせて、ミズホの前に出た。櫻女学園のナリをした義体が、ミズホにトドメを刺そうとしていた。友子の反撃を予想して、背中と側面にはバリアーを張っていたが、パルス砲を撃つために、前はがら空きだった。
 パルス弾で破壊したあと、CPUを探した。0・4秒で発見した。
「くそ、足の踵にあったんだ!」
 一撃でCPUを破壊したが、寸前にCPUは信号を発していた。

 直感だった。信号を受信し、ほんの一瞬信号を送ってきた義体をアナログの高速移動で追いつめた。さすがに歴戦の義体たちのメモリーだ、30秒で追いつめ、バリアーが張れないように、敵を抱きしめ、パルス砲の右手を捻り、しっかりと、右足の踵をぶち抜いた。神楽坂高校の女生徒に擬態していた義体はぐったりとなって、動かなくなった。
「こいつが、司令義体だったのね……」
 残り3体を破壊しようとして、移動しかけた刹那体が反応して、横様に飛び、死んだふりをしていた義体の頭をパルス弾で破壊した。直後、右頬をパルス弾がかすめた。司令義体のメインCPUが直前に命じた指令で、右腕がパルス弾を撃ったのだ。

 あとの三体は、第四世代に司令義体による再生機能をつけただけの改良型だったので、司令義体を破壊したあとは、容易く破壊できた。

 ミズホの手と足の再生を手伝い終わったころに、救急車とパトカーが何台もやってきた。
 渋谷、早朝無差別テロと、マスコミは報じた。犠牲者は13人。そのうち身元が判明したのは8人。残りは義体である。判明のしようがない。
 その身元不明の遺体のDNA鑑定に入る前に、遺体は20%の金属部品と共に消えてしまった。

 今度は、こちらから、仕掛けなければと、決心する友子であった。
ジャンル:
小説
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