大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・メガ盛りマイマイ 05『俺たち兄妹の秘密・その一』

2017-06-18 11:12:09 | ノベル
 高校ライトノベル・メガ盛りマイマイ 
 05『俺たち兄妹の秘密・その一』





 舞にしては珍しく、三日もかけて結論を出した。

 もっとも悩んでいたというわけではなく、単に忘れていただけだけどな。
 それも度忘れじゃなくて、忙しすぎて思い出すヒマもなかったというところだ。

 舞は学級委員長をやっているだけじゃない、七つの部活を掛け持ちしている。

 美術部 漫研 ダンス部 演劇部 放送部 野球部 陸上部

 入学してから二十幾つある部活を全部体験入部、その全ての部活から「ぜひうちのクラブに!」と熱烈なラブコール。
 それで、毎回来る必要はないという条件の七つのクラブに入った。
 他にも、生徒会の一年生の学年代表なんてのもやっていて、生徒会室のスペアキーを持っていたりする。
 それ以外にもやっていそうなんだけど、家ではほとんど会話が無いので分からない。

「モデルのお誘いがあるって言ったら、バアチャン喜んでたぜ」

 バアチャンの反応を伝えると「じゃ、決まりだ!」と宣言し、関根さんに電話し、今日のスケジュールに繋がっている。
「バアチャンに車出してもらえばよかったのに」
「高校生が、そんな贅沢できるか」
「だったら、もうちょっと離れてくれ、暑苦しい」
「くっついてないと危ないっしょ!」
 
 俺は、陸上部の朝練が終わったばかりの舞を自転車の後ろに乗せ、国道を疾走している。

 学校でシャワーは浴びてきたらしいが、朝練の直後なので、女の匂いプンプン。おまけに背中にべっちゃりくっ付かれ、やりにくいことおびただしい。こんなことを平気でやるのは、舞がブラコンであるわけではない。舞にとっての俺は単なる下僕だ。
「じゃ、せめて眼鏡とウィッグは取らせてくれよ」
「取ったら殺す」
「へいへい」

 本当は、プロダクション差し回しに車の迎えで、舞一人で行くはずだったが、直前で車の手配がつかなくなって呼び出された。

 たまにこういうことがある。
 いろいろ掛け持ちしている舞は、タイトなタイムスケジュールで、ときどきアクシデントに見舞われて間に合わなくなる。
 そう言う時に、俺は動員される。
 クラスメートの新藤君ではまずいので、メガネとウィッグの装着をしなければならない。
 四月から四回目になるので、そろそろ噂が立ち始めている。

 芽刈舞には他校の崇拝者が居て、なにくれと世話をしているらしい……。

「ほら、着いたぞ」

 指定された隣町のビルの前で自転車を停めた。
「えと、ここの二階か……」
「じゃ、俺は帰るな」
 ペダルを踏み込もうとしたら、ブレーキを掛けられた。
「な、なにすんだよ!?」
「あんたは、ここで待つの。ほら、このイヤホン装着して、そこの自販機の陰で待機」
「なんでだよ!?」
「万一ってことがあるでしょーが、あたしはメガ産業総帥の娘なんだよ、不測のことでお父さんに迷惑かけられないでしょ」
「万一って、俺がどうにかすんのかよ?」
「バッカじゃない! そこまで期待してないっつーの! 万一の時は、あんたがお婆ちゃんに通報すんのよ!」
「俺は警報機か?」

 瞬間、舞の瞳がガチガチのマジになった。

「あんたのお母さん、忘れたわけじゃないでしょ……」

「わ、わかった……」

 俺たち兄妹は、母親が違っていたりするのだった……。
ジャンル:
小説
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