大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・オフステージ・(こちら空堀高校演劇部)・49「地区総会・1」

2017-07-15 13:43:54 | 小説・2

高校ライトノベル・オフステージ(こちら空堀高校演劇部)
49『地区総会・1』




 茶臼山高校が見えてきた。

 今日は高校演劇連盟の地区爽快なんだ。
 ボンヤリしていたら爽快になってしまった。正しくは総会。
 三十三度になろうかという外気温の中、電動とはいえ車いすはきつい。
 UVカットの帽子に日傘をさしているんだけど、車いすというのは健常者よりも地面が近い。
 三十三度というのは百葉箱の中だかアメダスとかの観測値で、照り返しのキツイアスファルト道路の温度じゃない。
 体感的な気温は四十度に近い。

 地区総会のことは昨日言われた。

「地区総会に行ってこいやて、顧問命令や」
 不貞腐れたように小山内先輩が言った。
 先輩は一人で行くつもりだったけど「おもしろいかも」という須磨先輩のノリで四人打ち揃って行くことになったんだ。「茶臼山までは車出してもらえるらしい」ということだったんだけど、今日になって学校だか顧問の都合でアウトになり、地下鉄と徒歩で行くことになったんだ。

 顧問の先生は用事があるとかで、付き添いは新任の朝倉先生。

 ザックリした先生で「大丈夫?」と二度ほど聞いてくれたけど、あとはほったらかされている。
 昨日今日の車いすじゃないからホッタラカシが気楽でいい。
 歩道なので一列になっている。
 先頭が朝倉先生。小山内先輩、ミリー、あたし、須磨先輩の順序になっている。
 ミリーと小山内先輩は時々入れ替わるけど、須磨先輩とわたしは定位置になっている。
 茶臼山が近くなっても変わらないので、須磨先輩が人知れず介助をかってくれているのだと思った。
「すみません先輩」
「え、え、なにが?」
「介助してくださって」
「あ、え……あ、どういたしまして」
 そう言いながら、先輩は耳元に顔を寄せてきた。
ちょっと朝倉先生苦手でね
 え、なにがあったんだろ!?
「ドンマイドンマイ」

 校門から総会会場までは、要所要所に茶臼山の生徒さんが立っていて迷わないようにしてくれていた。

 たった四人なんだけど目立ってしまう。
 四人がそれぞれに個性的なんだ。
 わたしは車いす、やっぱ一番に目立つ。視線が痛い「がんばってるね!」感で見られるのは収まりが悪い。
 ミリーはブロンドのアメリカ人なのでやっぱ注目される。
 小山内先輩も、こういう場というか他校の生徒と比較できるところに来ると、存外のナイスガイに見える。とても、部室でエロゲばっかりやっているオタクには見えない。
 そして、須磨先輩は四回目だったっけ……の三年生なので、アニメに出てくるお姉さまキャラのように魅力的だ。

 遅れてくる学校があるようで、定刻になっても総会は始まらない。
「お待たせして申し訳ありません、五分遅らせます」議長校の生徒から声が掛かった。

 すると赤いリボンの女子高の一団がわたしたちのところに寄って来た。 
  
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