大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・メガ盛りマイマイ 15『真空カマイタチキック!』

2017-07-08 11:14:30 | ノベル
 高校ライトノベル・メガ盛りマイマイ 
 15『真空カマイタチキック!』




 気楽にやればいいじゃないか

 アドバイスとしては間違っていないと思う。

 お友だちとして付き合う。
 そういう括り方で付き合いを承知したんだ。
 だからデートという誘い方をされたら、ちょっと引いてしまうのは理解できる。
 
「でもなあ、男と女が付き合うってのは恋愛フラグが立ったってことことなんだぜ。看板はどうあれ誘われて当たり前じゃねえか」

「だって……」
「嫌ならOKしなきゃよかったんだ。もともと断ること前提だったろ、コクられそうになったら、俺が電話して中断させるって段取りだったじゃねえか」
「だって、断ったら傷つけちゃうじゃんか。同じ学校に居て傷つける傷つけられたなんて嫌じゃん」
「難しく考えすぎなんだよ。何度かデート……いっしょに出かけてさ、やっぱピンとこないってことで自然に解消しちまえばいいことじゃねーか」
「そんなのできないよ、相手が気持ち持ってくれて、いっしょに出かけて退屈とかのフリできないよ、ピンとこないフリなんてできないよ」
「それって、梶山とデートしたら面白いってか、舞自身も乗り気の予感ってことじゃねーのか」
「え、あ、うん……梶山さんのSNSとかネットに流れてる評判とか、すごくイイってか、素敵だとか思うよ」
「だったら付き合っちゃえばいいじゃねーか」
「ダメなんだよ、最初は、時々の学校の帰りとか月一の休日デートとか……でも、時々が毎日になり月一が毎週とかになっていくの目に見えてる」
「付き合うって、そういうことだろ」
「他のことができなくなってしまう、いまやってることってどれも止めるわけにはいかないから」
「ま、そーだろーけど、この際、整理したらどうなんだ。七つも部活やった上に生徒会に、こないだからはモデルの仕事だろ」
「それは、わたしの今のキャパでやっていける。どれも、自分自身が努力すればいいことだから。でも、付き合うってのは人間相手なわけだから、予定とかマニュアル通りにはいかない……それに、わたしブキッチョだし」
「あーーーーーーー」
 それは分からんでもない。メールの返事を打つだけでも一晩掛かる奴だ。
「ま、とりあえずは用事があるってことにしとけ」

 もう朝礼のチャイムが鳴りそうなので暫定的な結論にしておいた。

 朝礼が終わると、舞は机の下で隠すようにしてメールを打っていた。目が合うと真っ赤な顔で睨まれたが、とりあえずは解決したようだ。

 手術に臨む前の外科医のような手洗いを廊下で待っていると、舞からメールが来た。
「んだよ……」
 今日の舞はしつこすぎる。
 学校では、俺と舞はただのクラスメート、兄妹だってバレるようなことはするなというのは、そもそも舞が言いだしたことなんだぞ。
「え……うそだろ?」
 メールには突拍子もない提案が書かれていた。

――んなこたーお断りだ――

 返事を打つと、斜め後ろの女子トイレから殺気を感じた。
 ヤバいと思った時には、後頭部に風が吹き、見慣れた足先がマッハ2くらいの速度で視界の隅を横切った。
「次はまともにヒットさせる」
 必殺仕掛人の脅し文句のようなことを言って舞は遠ざかっていく。

「すまん待たせた……新介、その耳どうした?」
「ん?」

 触ってみると左の耳たぶから血が流れている。

 くそ、舞のやつ、真空カマイタチキックを仕掛けてきやがった!

 
ジャンル:
小説
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