大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・トモコパラドクス・98『友子の修学旅行・4』

2017-05-19 06:31:27 | トモコパラドクス
トモコパラドクス・98 
『友子の修学旅行・4』
       

 三十年前、友子が生む娘が極東戦争を起こすという説が有力になった未来。そこから来た特殊部隊によって、女子高生の友子は一度殺された。しかし反対勢力により義体として一命を取り留めた。しかし、未来世界の内紛や、資材不足により、義体化できたのは三十年先の現代。やむなく友子は弟一郎の娘として社会に適応する「え、お姉ちゃんが、オレの娘!?」そう、友子は十六歳。女子高生としてのパラドクスに満ちた生活が再開された! 久々に女子高生として、マッタリ過ごすはず……今度は、忘れかけていた修学旅行!

#………大阪 


 二日目は新幹線で、京都を飛ばしていきなり大阪に入る。
 ここからは完全に班別行動。付き添いはノッキー先生と、例の米造ジイチャン。
「東海道新幹線は、トンネルが少のうて、景色がいいじゃろ」
 ジイチャンの言葉通り、きれいな富士山が見えた。
「さすが世界遺産、きれいだな~」
 麻衣がため息つきながらシャメっている。
「東海道新幹線は戦前から構想があって、土地だけは買っておいたんじゃ。だからトンネルが少ない。戦争がなきゃ、対馬海峡に海底トンネルを掘って、朝鮮半島から満州鉄道、シベリア鉄道、オリエント急行と繋ぐ壮大な計画があったんじゃ。東京駅で、ロンドン行き一枚! なんてことになったかもしれん」
「へえ~」
 あまりのスケールの大きさに、一同は感心するだけ。

 大阪に着くと、バスでアベノハルカスの最上階に向かった。
「周りをみわたしてごらん」
 言われるままに、最上階を一周した。
「今、目に入っただけが大阪。狭いじゃろ。昔は日本で一番狭い都道府県じゃった」
「今は、ちがうんですか?」
「関空が出来て、香川を鼻の先で抜いて、今は二番目じゃ。しかし、この狭い大阪が、江戸時代まで、日本の経済の中心じゃった」
 そう言われると、なんだか侮れない街に見えてきた。
「下らんという言葉があるじゃろ。あれは大阪近辺から来た商品のことを『下り物』と言ってありがたがった。で、江戸近辺で出来た物は二級品以下といわれ『下らない物』と言った、そこから来た言葉じゃね」
「な~る」
 感心した後は、高島屋前を集合場所にして、自由行動。大阪を体感した。
 食べ物屋さんの多さはハンパじゃない。そして街が騒がしい。大阪の人間というのは、息を吸って吐くときには、必ず何か言葉にしている。なんだか街中で漫才のノリ。
「いやあ、あんたら東京の子!?」
 オバチャンが声をかけてくれる。
「はい、修学旅行です」
「せやろな、ヒカリモン付けてへんし、なりがシューっとしてて、いけてるわ。なあ」
 横のオバチャンに同意を求める。
「シューと言うか、低めの変化球やな。ジャイアンツのノリやな」
「低めは、あんたの背いや!」
「え、うちのせいかいな。ほな、記念にアメチャンあげよ」
 と、漫才しながら全員にタイガースのシマシマ模様のアメチャンを配ってくれた。なんだか、もう生まれたときからの付き合いのノリ。

 吉本の劇場前は、人でいっぱい。ここでもあっちこっちでプチ漫才。NMB48の劇場前にも行った。さすが秋元康のパワー、開演までだいぶあるのに人でいっぱい。
   
「ねえ、お茶しない?」
 微妙にアクセントのおかしい東京弁で声をかけられた。
「え、あたし?」
 口では勝てないので、腕相撲をすることにした。
「負けたら千円ね!」
「そら、高いは、オレの身長170やから、四捨五入して、二百円!」
 仲間の気のよさそうなニイチャンがレフリーになった。側でC組のコウちゃんが笑っている。なんと言っても、友子は義体である。世界チャンピオンとやっても負けはしない。
 あっと言う間に三本勝負で、ニイチャンをやっつけたが、掛け金は百円に値切られた。さすが大阪。立て続けに五人に勝つと人だかりがして、挑戦者が次々に現れる。
 気がつくと、ひっかけ橋の上は阪神が優勝した時みたいに人だかりが膨れ、たまたまロケにきていたテレビ局がロケの方針を変えて中継をしはじめた。
「はい、通行の邪魔になるから、惜しいけど、これが最後の勝負」
 マンモス交番のお巡りさんに言われ、なんと本物のプロレスラーが現れた。
「ネエチャン、負けたら、わしと付き合え」
 この条件が無かったら負けてやってもいいと思ったが、こんなオッサンと付き合うわけにはいかないので、あっさり全勝。
「ネエチャンえらい!」
 あっと言う間に胴上げされてしまった。なんせ友子はスカートである。ええいままよと、ひっかけ橋の上で三十回ほど、胴上げ。念のためミセパンを穿いていて正解と思う大阪の夕方であった。

ジャンル:
小説
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