大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・かぐや姫物語・4Преступление и наказание・罪と罰

2017-07-16 18:46:15 | 小説・2
かぐや姫物語・4 
Преступление и наказание・罪と罰


 アポロ計画は、1972年を最後に終わった。

 1969年、アポロ11号が月面着陸を果たしたあと、17号が1972年に着陸。途中13号が事故で着陸を断念したのを除いて、合計6回の月面着陸に成功……以来40年以上、人類は月面に立っていない。宇宙工学は、比較にならないほど発展させながら、人類は地球軌道を回る宇宙ステーションなどで、お茶を濁している。
 この秋、駐日アメリカ大使として日本にやってきたキャロライン・ケネディの父ジョン・F・ケネディは、以下のように議会で華々しく、アポロ計画の実行を宣言した。

First, I believe that this nation should commit itself to achieving the goal, before this decade is out, of landing a man on the Moon and returning him safely to the Earth. No single space project in this period will be more impressive to mankind, or more important in the long-range exploration of space; and none will be so difficult or expensive to accomplish.

 要するに、月まで人間載せて、一発かましてやるぜ! というものである。

 2004年、ジョージ・W・ブッシュ大統領が2020年までに、もう一度人類を月に送るコンステレーション計画が発表されるが、2010年、あの[Yes we can!]のオバマ大統領をして[No we cant!]と否定せしめたものは!?

 レコーダーの操作が分からないせいではあるが、姫子は『なぜ再開されぬ月旅行の謎』という特集番組を食い入るように見てしまった。時々頭をよぎる宇宙飛行士の幻のせいかもしれない。
 本当に見たかったのは、その次の『週間火曜曲』という番組だった。
 ひょんなことで、町おこしのためにAKR47を受けることになったので、その研究のために、同番組のAKR特集を見たかったのである。姫子は、アイドルにはあまり興味のない文芸部である。

「あー、めんどくさい!」

 どうにも、フリが覚えられない。番組で出てきたヒット曲は、どれも聴いたことはあるけど、フリまではとても無理だった。なんとか二曲だけ、それも一番だけ覚え、あとはナリユキマカセということにした。

「なんという雑な……」
 秀哉は後の言葉が無かった。美希は、それでも芸事成就の受売(うずめ)神社のお守りを差し出した。
「商店街の運命は姫子にかかってんだからね……」
「そんな怖い顔しな~いの。ね、二人とも。ね、笑って応援してよ……ね!」
 二人の幼なじみは、引きつりながら、なんとか笑顔にはなってくれた。

「じゃ、20番から25番の人入ってください」

 アシスタントのオニイチャンの言葉を聞いて、今度は姫子が緊張して、他の四人の受験者といっしょに試験会場に入った。
 まず、プレゼンテーションでやらかした。
「立川姫子、17歳です。わたしは月乃街商店街の家具屋の娘です。AKRに入ってアイドルになって、町おこしのヒロインになりたいんです。絶対、駅裏開発のショッピングモールには負けたくないんです!」
「勇ましいかぐや姫だね。あのショッピングモールの開発には、うちの親会社も入っていて、あそこにAKRのプラネットステージ作るつもりなんだけど」

「ゲ……!」

 で、姫子は、二分近く演説をぶってしまった。その迫力ある声は外の廊下まで聞こえ、審査員や受験生を笑わせ、秀哉と美希を縮み上がらせた……。

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