大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・『はるか 真田山学院高校演劇部物語・57』

2017-07-15 06:34:33 | はるか 真田山学院高校演劇部物語
はるか 真田山学院高校演劇部物語・57

出版された『はるか ワケあり転校生の7カ月』の原話ノーカット版。いかにはるかは生まれ変化していったか!?


アハハと笑いながら読み、高校演劇の基礎とマネジメントが分かる高演ラノベ! 


『第六章 おわかれだけど、さよならじゃない6』


 東京駅に着いてさらにびっくりした!

 ホームに、伝法のオネエサンが立っていた。
「坂東はるかちゃんね?」
「は、はい」
 張り込みの刑事に発見された犯人て、こんな気持ち……。

「で、あなたは?」
 伝法さんは先生を見とがめた。
「あ、わたしは……」
 先生も気圧され気味のご返答。
「ちょっと確認させていただきます」
 伝法さんはスマホを手にした。
「もしもし、タキさん。仕込みの最中にごめん。いま東京駅。うん、はるかちゃんはメッケ。でも、それにさ……」
 話の最後に大爆笑して、伝法さんはスマホを切った。
「さ、行きましょうか、大橋先生、はるかちゃん」
 伝法さんは、さっさと歩き出した。
 
 五分後、スマホのアドレスを交換して、わたしたちは伝法さんの車の中。

「大橋先生も、新幹線、タキさんに頼んだんでしょ?」
「ええ、昨日電話がありまして『明日、東京の出版社行く予定あったよなあ』て……」
「さすがに、となりの席ってわけにはいかなかったようですけど、同じ車両にしたんですね」
「あいつ……」
 同感です、はい。でも、このおかげで楽になったんだけどもね。
「まあ、半分お遊びの賭け。半分は……フフ、そういうタキさんてかわいいですね」
 大人の関係ってムズイよ。
「申し遅れました、わたし渡辺真由って言います。編集の仕事やってます。トモ……はるかちゃんのお母さんとも古いつき合いです」
 アクセルを踏み込んだ。うしろの車の追い越しを阻止。二十キロオーバー、負けん気つよそー……。
「荒川についたら、お任せしていいんですよね」
「そのつもりです。故郷とはいえ事情が事情ですから」
「よかった。わたし午後から編集会議だから……先生、今夜はお泊まりなんですよね?」
「ええ、そのつもりですが」
「じゃ、はるかちゃんと同じホテルにしときますね」
「でも、予約してありますから」
「キャンセルしときます。同じ系列だから」
「え……?」
 タイヤをきしませて交差点を曲がった。
「あ、父が経営してるんです。大橋先生、こういうのって苦手だから、いつも人任せでしょ」
……でしょうね、今時ガラケーすら持たない原始人だから。
「はるかちゃん、どのへんに着けようか。いきなり家の前ってのもなんでしょう?」
「わがまま言ってすみません。南千住の図書館に行ってもらえます」
「あら、返し忘れた本でもあるの?」
「いいえ、借りにいくんです。南千住の空気を」
「ハハ、さすがトモちゃんの子ね。表現が文学的だ」
「いえ、文字通りなんです。荒川の子に戻るには、新幹線速すぎましたから」
ジャンル:
小説
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