大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・マリア戦記・エピソード01・15『まりあの作戦勝ち』

2016-10-29 10:33:48 | 小説・2
 高校ライトノベル
マリア戦記・エピソード01・15
『まりあの作戦勝ち』


 まりあはマリアにそっくりだ。

 マリアのアシスタント兼ガード兼影武者として特務師団から派遣されてきたのだから、そっくりで当たり前。
 ベースはアクト地雷の汎用品だけれども、CPUが一昔前のスパコン並の性能……じゃ分かりにくいよな。
 かつてゲーム機の王者と言われたプレステに例えると、初代プレステとプレステ8くらいの差がある。
 学習能力や表現能力がケタ違いに優れている。

 常にマリアを観察していて、思考や行動パターンを修正していく。

「やっぱ、写真というのはアナログがいいよね~」
 アルバムやら未整理の写真が山盛り入った段ボールを核とした引っ越し荷物の真ん中で、マリアとまりあが悦にいっている。
 マリアが帰宅した直後は「捨てろ!」「捨てない!」と双子のケンカのようになっていたが、マリアの心と性癖を学習したまりあが修正を計り、マリア以上の情熱で引っ越し荷物に熱中し始めた。
「印画紙に焼き付けた写真て、いい具合に劣化していくんだよね……」
「色がさめたり、セピア色になったり、とても懐かしい……」
 壮大なカルタ会のように写真を並べてはひとしきり思い出に耽り、ため息ついては並び替え、いろいろ差し替えては目を潤ませている。
「これ、ケンカしたあくる日だ」
「ああ、ホッペの絆創膏ね!」
「この難しい顔は、ケンちゃんにコクられたあとだ」
「こっちは、芳樹くん。ニヤケテるし!」
「相手によって態度も反応もゼンゼンちがうんだよねー!」
「おたふく風邪のなりかけ~!」
「ぶちゃむくれ~!」
「そのとき買ってもらったのが……ジャーン、このリボンのワンピだ!」
 衣装ケースから懐かしいものを取り出す。
「そーそー、それがリボン時代の始まりだ!」
「小六の春まで続いたんだ。前の席になった吉井さんが大人びててさ」
「そーそー、ブラウスの背中に浮かんだブラ線見た時はショックだった!」
「家に帰ってすぐに初ブラ買いにいったんだよね!」
「お父さんに着いて行ってもらって!」
「お父さん、真っ赤な顔で、お店に入れなかったんだよ」
「お兄ちゃんは鼻血出しちゃうしね」
「男って、おっかしいよねー!」
「「アハハハ」」

「ちょっと、早く片づけちゃいなさいよ! そいでお風呂入んな!」風呂上がりのみなみさんがガシガシ髪を拭きながら注意する。

「まりあ、いっしょに入ろ」
「あたしお風呂当番だから、あとにする」
「じゃ、おっさきー!」
 鼻歌を奏でながらマリアは風呂に向かった。
「まりあ、あんたアシさんでもあるんだから、この溢れかえった荷物なんとかしなさいよね!」
「わかってまーす」
 調子のいい返事をすると、言葉とは裏腹に段ボールの中身をぶちまけ始めた。
「ちょ、まりあ!」
 もうみなみさんの言葉には反応せずに、敷き詰めた思い出アイテムの上でゴロゴロし始めた。
「あ、あのなー」
「ゴロニャーン」
「あんたは猫か!」

 あくる日、マリアは、みなみさんが手配してくれたロッカールームに荷物のほとんどを運び込んでしまった。

 夕べ、風呂からあがると、まりあがマタタビに酔った猫のように目をトロンとさせヨダレを垂らしながら引っ越し荷物に溺れているのを見て気持ちが変わってしまったのだ。

 どうやら、まりあの作戦勝ちのようだった。
ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
«  高校ライトノベル・女子高生... | トップ | 高校ライトノベル・ライトノ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小説・2」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。