大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・マリア戦記・エピソード01・04『マリアの目が据わってきた』

2016-10-13 14:00:00 | 小説・2
高校ライトノベル
マリア戦記・エピソード01・05
『マリアの目が据わってきた』



 陸軍特務師団のベースは首都の南にある。

 そこは二十年前のヨミの第一次攻勢で出来た二番目に巨大なクレーターの中にある。
 クレーターの直径は三キロほどもあり、所狭しと対空防御兵器が並んでいる。
 中央にはベースのコアに通じる入り口があり、入り口はカメラの絞りのような構造になっていて、出入りするものの大きさに合わせて変化する。直径二十メートルほどに開かれた入り口を、マリアたちを乗せたオスプレイが巣に着地する猛禽類のように下りていく。
 隔壁を三つ降りたところがハンガーだ。マリアはスターウォーズの基地のように思えて興奮した。

「さ、ここからはリフトよ。三回乗り換えるから、迷子にならないでね」

 みなみ大尉はテーマパークのベテランスタッフのようにマリアをエスコートしていく。
「大尉、またお腹がすいたんですか?」
 二つ目のリフトに向かう途中、カーネルサンダースの孫みたいな曹長に声をかけられた。
「え、CICに行くとこだけど?」
「やだなあ、そっちは士官食堂ですよ。CICはリフトを下りて三番通路を右です」
「わ、分かってるわよ」
 見かけの割には抜けているところがあるようだ。
「こちら主計科の徳川曹長、ベース内での日常生活は彼が面倒見てくれるわ。こちら安倍司令の娘さん、いろいろ面倒見てもらうことになるから、まず徳川君のところに連れて来たんじゃない」
 強引な強がりに、徳川曹長もマリアも吹き出しかけた。
「えと、安倍マリアです。お世話になります」
「こちらこそよろしく。司令からも話があるだろうけど、ここでは君は少尉待遇だ。一応士官だからベース内の大概のところには行けるよ。当面必要なものは後で届ける。ベースの詳しいことは、その時にレクチャーするよ、みなみ大尉に任せたら日が暮れそうだ」
「ちょっとね!」
「はい、回れ右して二つ目を左、二番のリフトに乗って……自分が案内しましょうか?」
「大丈夫、ここへは君に合わせに来たんだからね!」
「じゃ……えと、幸運を祈ります」

 マリアは徳川さんに付いて来てほしかったが、三角の目をしたみなみ大尉には言えなかった。

 奇跡的に迷うことなくCICに着いた。
「司令、マリアさんを連れてまいりました」
 レーダーパネルを見ていた四人がが振り返った。マリアの姿を確認すると三人は任務があるようでCIC内のパネルやモニターをいくつか確認したあとCICを出て行った。残った一人が口を開いた。
「さっそくだが、マリアはウズメに乗ってもらう」
 お父さん……そう言おうとした口が固まってしまった。
「司令、マリアさんは来たばかりです!」
「社会見学に来させたわけじゃない。マリアは即戦力だ」
「し、しかし、同期テストやらずに無謀です」
「待ってはおれない、ヨミの同期体はまもなく動き出す」

 あいかわらずむちゃくちゃを言う親父だ。俺だったらブチギレる。

「わかったわ、ウズメにでもなんにでも乗ってあげるわ」

 マリアの目が据わってきた。
 
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