大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・オメガとシグマ・83『気絶した増田さん!』

2017-05-20 12:35:37 | 小説
高校ライトノベル・オメガとシグマ・83
シグマのターム『気絶した増田さん!』





「「ヤバいよ!」」

 先輩二人は叫んだが、あたしは声も出なかった。

 増田さんは気絶してしまった。

――あ、みんなも居たの?……――

 続いて風信子先輩がやってきて声を上げた。

 え!?

 風信子先輩は一発で状況を理解した。
「ごめん、ダブルブッキングだ! それよりも増田さん、増田さん!」
 先輩は気絶している増田さんの肩をゆすった。
「その前に、モニターなんとかしなくちゃ!」
 オメガ先輩はパソコンのキーボードに手を伸ばした。
「待て!」
「だって、こんなHシーンが三つも並んでちゃ!」
「俺に考えがある」
 ノリスケ先輩がオメガ先輩を押しとどめ、キーボドをカチャカチャいじる。
「よし、この場面で良いだろう、そっちも無難な場面に切り替えとけよ」
「そうか、増田さんの錯覚ってことにするんだな」
「分かりました」
 あたしもHシーンを似たような構図のCGに切り替えた。主人公が女の子と出合い頭にぶつかって、倒れた女の子の上に主人公が被さるシーン。もちろん服を着ていて、普通のアニメにもよく出てくるパターン。
「ほんとごめんなさいね、てっきり今日は茶道部の部活だと思い込んで」
 風信子先輩の思い込みは無理もない。茶道部が先輩1人になってからは、茶道部の活動日でも、あたしたちはお邪魔している。
 もちろん、エロゲをやる時は風信子先輩の許可を得る。だから茶道部の活動日にあたしたちが居ても不思議じゃないし、あたしたちが居てもエロゲをやっているとは思わない。

 ウ ウ~~~~ン

 増田さんの意識が戻って来た。
「大丈夫、増田さん?」
 空気を読んで、年下のあたしが声を掛けた。
「あ……え? あ……わたし?」
「ごめんね、薄暗い部屋でいきなり三つのモニターの光で、フラッシュ効果になっちゃったんだよね」
 ほら、小さな子供がテレビ画面のフラッシュなんかで気分悪くなったり気絶したりするアレ。
「わたしがダブルブッキングしちゃって、びっくりしたわよね、ほんとごめんなさいね」
「あ、そのモニターに……あ、出会い頭にぶつかったところなんだ」
「そだよ、男の子が乗っかっちゃってるから一瞬ドキってするかもね」
「こっちのモニターは、ちょうどキラキラしていたしさ」
「あ、そうなんだ、あたしってばビックリしすぎ、ああ、恥ずかしいです!」
「ドンマイドンマイ、俺たちは、こうやって作法室間借りして、パソコンゲームとかの研究やってんだよ」
「ですよね、それをわたしは……」
 増田さんを落ち込ませてはいけないので話題を替えた。

「あのう、夏コミに参加するって話なんですけど……」

 あたしは、ペンタブを出してきて失敗した話をした。
「あ、そういう参加の仕方じゃなくって」
 風信子先輩が身を乗り出す。
「コスプレで参加できないかと思ったの」

「「「「ええ、コスプレ!?」」」」

 一人分声が多い。

 なんと、増田さんが、ビビッと目を輝かせて両手を胸の前に組んだのだった!
 
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