大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・オメガとシグマ・26『お祖母ちゃんが突然やってきたワケ』

2017-03-20 12:52:44 | 小説
高校ライトノベル・オメガシグマ・26
『お祖母ちゃんが突然やってきたワケ』




 お祖母ちゃんは思い立ったらすぐの人だ。

 若いころに、お好み焼きが美味しいと感じたお店で、お勘定をしてもらいながらバイトを申し込んだ。三か月働いてノウハウを覚えると、直ぐに自分の店を出した。
 買い物に行って、人のムームーやアロハがダサいと感じたら、あくる日には衣料品の店を出してしまう。
 お祖父ちゃんと出会ったら「この人だ!」と猛烈にアタック、一か月後には結婚し、十一カ月後にはお母さんが生まれている。
 あたしが生まれた時も「神さまの啓示があった!」と叫んで飛行機に乗り、生まれた病院に直行し「孫娘を抱っこしたい!」と詰め寄った。新生児は24時間はガラス張りの新生児室から出せないので、ガラスに貼りついてスリスリしていたらしい。
「お母さん、明日には抱っこできますから」
 お父さんが言うと。
「義男さん、この子の名前!」
「え、あ、それはまだ」
「ミコになさいな、響きがいいし、縁起もいいの。字はね……」
 電子辞書を出して検索し「美」が気に入って、その押し出しのまま、あたしに美子という名前を付けてしまった。
 美子ってのは普通「よしこ」って読まれる。
 以前は、名前を伝えるたびに「ミコって読みます」と注釈していた。
 でも中学からこっちはシグマで通っているので、まっいいや。

 今回は何を思い立ったかというと……。

「ミコ、この写真に写ってるのはなんという?」
 うちに来るなり写メを見せた。ウインドブレーカーの下には、あのTシャツを着てるけどスルーしておく。
「えと、皇居?」
 見たマンマを答える。
「んーーーーーミコもそうかい」
 お祖母ちゃんは、まるで外人を見るような目で見る。

 てか、お祖母ちゃんこそ外人なんだけどね。

 日本語はペラペラだけど、髪はブロンドで目は青い。
 名前はミリー・ニノミヤ。お祖父ちゃんはとっくに亡くなったけど、お祖父ちゃんの苗字を大事にしている。
「写真に写ってるのは橋だろ?」
「え、ええ?」
 確かに写っているのは皇居前広場から見た二重橋だ。
「不思議だよねーーーー」

 ということで、先輩との約束をキャンセルして皇居前広場に行くことになった。

「ちょっとスミマセーン」
 わざとカタコトの日本語になって皇居前広場の人たちに聞くから恥ずかしい。

 お祖母ちゃんとあたしには共通点がある。

 お祖母ちゃんの口もΣなんだ。
 でも、お祖母ちゃんのΣ口はチャーミングだ。
「お祖母ちゃん、比べっこしよう」
 中学の時、鏡に映して比べたことがある。
「ハハ、ミコとお祖母ちゃんはいっしょだね。口元がとってもチャーミング、そうだ! これTシャツにプリントしよう!」
 藪蛇で、お祖母ちゃんは、あたしとのツーショットをイラスト化してしまった。
「これ、お店でも良く売れてるよ!」
 でもって、皇居前広場に来たあたしはTシャツのお揃え。肌寒いからと言い訳してカーディガンを着ているんだけどね。

 とにかくエネルギッシュなお祖母ちゃんにはかないません。これで、先月は心臓発作で死にかけたんだけどね。

 そんなお祖母ちゃんと、昨日今日はアキバに来ている。
 アキバはあたしのお庭みたいなもんなんだけど、久々にアキバでノビテしまった。
 いろいろ話題を提供してくれるお祖母ちゃんなんだけど、またいずれお話します。

 
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