大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・オメガとシグマ・54『図書室で借りた本』

2017-04-19 14:40:38 | 小説
高校ライトノベル・オメガとシグマ・54
菊乃のターム『図書室で借りた本』
 



 街の図書館や学校の図書室が、まだアナログの図書カートを使っていたころ。

 読書大好き少女の月島雫は気が付いた……。


 自分が借りた本の図書カードには天沢聖司の名前があった。
 あれ?
 ほかの本を見ると、借りたどの本の図書カードにも天沢聖司の名前がある。
 みんな、あたしより先に読んでる。

 天沢聖司……どんな人だろう?

 興味と疑問の湧いた雫は、いろいろなドタバタ事件の果てに天沢聖司に出くわすことになる。
 天沢聖司は、それまで雫に意地悪ばかりしていた変わり者、同じ中学校の三年生だった。

 あたしだって素敵だと思ったジブリの名作アニメ。

 それに憧れて、増田さんは図書室で本を借りた……んだけど。
 いまの図書室ってバーコード管理だから図書カードなんて無いのよね!
 言ってみりゃ無精卵みたいなもんで、いくら温めても「彼との出会い」というヒヨコは生まれっこない。

 そんなことは承知の上で、増田さんは、本を眺めてはニマニマしている。

「あーーー、で、どんな本借りたの?」
 増田さんは、借りて直ぐにブックカバーを掛けたので本の名前が分からない。
 トイレから戻ってみると、あいかわらずニマニマだったので聞かざるを得なくなった。
 だって、本から顔あげた彼女と目が合ってしまったから。
「もちろん、これですよ!」
 カバー付きの表紙をめくると『耳をすませば』とあった。
 なんちゅうか、とてもベタな子だ。
 顔に出てしまったのか、増田さんは慌てて訂正した。
「これだけじゃないんです、ほら!」
 机の中から、さらに四冊出してきた。
「五冊も!?」
「はい、だって、雫が借りたのは五冊でしたから」

「あーーー、教室に置いといたら」

 五時間目と六時間目は移動教室が重なってしまい、校内移動にしては「どーなんだ!」ってくらいの荷物なのだ。
 増田さんは、五時間目六時間目のモロモロの間に『耳をすませば』を挟んでいる。
 ただでもスペシャルサンドイッチ状態なのに、どーすんだろって感じになってしまった。

 そして恐れていたことが起こってしまった。

 六時間目が終わって教室に戻ってみると、図書室で借りた本は四冊しかなかったのだ。
 
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