大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・🍑・MOMOTO・🍑デブだって彼女が欲しい!・35『どこにいるんだ?』

2017-04-06 06:40:56 | ノベル
🍑・MOMOTO・🍑デブだって彼女が欲しい!・35
『どこにいるんだ?』



 ――駅前で待っている―― 

 メールを受けた時はビックリした。どうしてって? 発信者が紀香だったから。
 授業が終わると、まっすぐ駅前に向かうために、掃除当番も代わってもらって下足室へ。
「ちょっと野暮用で」
 階段で出くわした桜子には、メールの追伸に書かれていたようにトボケておいた。
「なに、野暮用って?」
 気分を害した桜子を無視するのは気が引けたが、仕方がない、紀香に会うことが先決だ。

 駅前に着くと、ジットリと汗ばんでいた。

 指定された時間には、まだ間があるが、つい焦ってしまう。これを逃したら二度とチャンスは無いと思ったからだ。
――早く着きすぎたわね、ホームに行って、1番線の電車に乗って――
 言われたように、ホームに向かい、1番線に入って来た電車に飛び乗る。
――すぐに降りて、駅前に戻って――
「なんだよ!?」
 若干いらだちながらも指示に従う、同時に乗っていた電車のドアが閉まって走り出す。一つ後ろのドアでオッサン二人が焦っている。
 二人の様子から刑事だと分かる。刑事というには親父も含めて人相が悪いので、すぐに分かる。
――3番乗り場のバスに乗って――
 バスは、郊外の車庫行きだ。終点の車庫まで行くと1時間近くかかる。走り出したバスの後ろの座席に座れとメールがくる。
――次のバス停で降りて――
「降ります!」
 閉まりかけたドアに突進。さすがにいらだってくる。
――向かいの上りのバスに乗って――
「ええ……!?」
 チクショウ……喉まで出た言葉を飲み込む。ちょうどやってきた上りのバスが、今まさに発進するところだ……こうやって、三回バスを乗り換えて、最後は国富港前のバスだった。
――降りたら、左の路地。そこにある自転車の乗って右へ、あとは道なりに進んで――
 倉庫群の中を2分ほど走ると、急に視界が開けた。波止場に出てきたのだ。
――目の前の船に乗って、すぐにキャビンへ――
「でかい船だな」
 船の事はよく分からないけど、数万トンはありそうな貨物船、ラッタルを上がって直ぐのドアからキャビンに入る。
――反対側のドアから出て、接舷している船に乗る――
「またかよ」
 思わずため息をついてしまう。
――ごめんなさい、これで最後だから――
 はじめて人間的な言葉がでてきた。おわりが近いのか、いらだちの限界に来たオレをなだめるためか。

 船と船の間にはキャッツウォークが渡してあり、渡り切るとモーターの音がして、キャッツウォークが収納される。
 ドアを開けると、角ごとに行き先が案内されていて、その案内に従って進むと食堂のような大きなキャビンに行きついた。
「紀香、どこにいるんだ?」
 キャビン一杯に呼びかけると、真後ろで声がした。
「ここよ」

 振り返ると、すぐ後ろのテーブルに、制服姿の紀香が居た……。 
ジャンル:
小説
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