大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・あたしのあした・20『女子高生の反応じゃない』

2016-10-01 11:12:29 | 小説
高校ライトノベル
 あたしのあした・20
 『女子高生の反応じゃない』
      


 先生というのは生徒の成れの果てだ、言い換えれば生徒の劣化版。

 生徒というものは、先生たちがよく言うように未熟なもんだ。
 自分勝手だし、空気読めないし、騒がしいし、打算的だし、中二病だし、言葉をしらないし、生意気だし、事なかれだし、et cetera。
 そういった負の特徴をなにも克服しないどころか、かえって増幅して大人になったのが、目の前に居る。

 体育の水野先生だ!

 プールが故障して補講が出来なくなり、打ちだした対策に、ご本人はご満悦だ。
「益荒男(ますらお)高校のプールは去年できたばかりの新品だ! それに、足にはホテルの送迎バスが使える! 嬉しいだろう!」

 じゃなくって!

 最初に送迎バスを見せられたあたしたちは、てっきりホテルの温水プールが使えるものだと期待した。

 で、着いてみたら男ばっかしの益荒男高校だよ!?
 最初から益荒男高校だと言ってもらった方が、絶望するにしても傷が浅い。
 ホテルの温水プールと信じて益荒男高校に着いたもんだから、絶望感はハンパない。
 それを、得々として「どーだ嬉しいだろ!」てな顔をされると、もう凹みすぎて地球の裏側まで穴が開きそう。

「水野先生……」

 バスを降りて集合していると、益荒男の先生がやってきて、水野先生に耳打ちした。
「え、あ、は、そうなんですか……いや、ご心配なく。なんとかします」
 先生は、しばし眉間に皴をよせたが、すぐになにか閃いたようで、パッと明るい表情になって、あたしたちを見た。
 先生の閃きに、あたしたちは怖気をふるった。
「更衣室の鍵が紛失してしまったので、お前たちはバスの中で着替えなさい。バスというのは移動手段だけじゃない。こうやって頭を使うことで、いくらでも用途が広がるものなんだ!」
 大きな声で言うものだから、下校途中や、校舎の窓から覗いていた益荒男男子たちが「オーーー!」と色めき立つ気配がしまくる。

「「「「「「「「「ウオーーーーーー!!!」」」」」」」」

 水着に着替えてバスから出てくると、もう気配なんてものじゃなくて、地の底から湧くようなどよめきがした。
 あたしたちは、一応バスタオルで体を巻いているけど、益荒男男子にとっては刺激が強すぎる。
「ウ、鼻血……」
 鼻を押えて駆けて行ったのが、さっきの益荒男の先生だから、ますます成れの果てだ。
 ネッチたちはとっても嫌がっていた。当たり前っちゃ当たり前の反応。

 だけど、あたしは意外に平気。

 むろん水野先生の無神経さには呆れてはいるんだけど、益荒男男子たちの反応は微笑ましくさえ感じている。

 これって女子高生の反応じゃない……なんだか、自分の中に男がいるような気がしてきた。
 
 
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