大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・あたしのあした・67『雲母市二大事件!』

2017-01-25 12:05:36 | 小説
あたしのあした・67
『雲母市二大事件!』


 
 とんでもないことになった!

 あたしがつまづいた女の人は息をしていなかった。
「こっちもダメ!」
 ネッチとノンコがつまづいた二人の男の人もこと切れているようだ。
「見るんじゃありません! みんな車に戻って!」
 手島さんがビシャリと言った。
 あたしたちは、生まれて初めて水死体を発見したのだ! それも三人も!
 八人もいるので気絶こそしなかったけど、パニックになりかけ。
 息が荒くなり、何人かは口を押えて吐き気を堪えている。手島さんの指示は正しい。
 おろおろよろよろとギャラクシースペシャルに戻りながら、チラっと手島さんをかえりみる。
 手島さんは、気丈にも三人の息を再確認してスマホを取り出したところだ。警察に電話するんだろう。
 たった今まで、恥ずかしがりながら『ラブライブサンシャインごっこ』に付き合っていたとは思えなかった。
 で、その様子を振り返り振り返りしながらも見ているあたしも、かなり腹が座っているのだろうか。

 日本のセキュリテイーは大したもんだと思う。

 三分後には救急車、三分半後にはパトカーがやってきた。
 みんなはギャラクシースペシャルの中でひっくり返っている。死体に触れたノンコなどは、裸になってシャワー室に籠って体中を洗いまくっている。あたしは、パトカーが来てからは二階に上がり、備え付けのスコープで成り行きを見守った。
「あれ……?」
 目を疑った。
 手島さんが頭を押えながらお巡りさんの質問に答えている。指の間からは一筋血が流れ、救急隊員の人が「大丈夫ですか?」という感じで手島さんの顔を覗き込んでいる。
 そして、ぶったまげたことには、二人の男の人の死体が消えている。

 なにかあったんだ!

 ギャラクシースペシャルと浜辺の間には岩場や防潮堤があって、ギャラクシースペシャルの一階部分からは見えなくなっている。
 車の中でヘゲヘゲになっている間に異変があったんだ。
 やがて、頭に包帯を巻いた痛々しい姿の手島さんがお巡りさんに支えられながら戻って来た。
「手島さん、何があったんですか!?」
 二階から駆け下りてきて、ドアが開くのももどかしく聞きただした。
「あなたたちの姿が見えなくなって、後ろからガツンとやられてね、気が付いたら男の人二人の死体が無くなっていて、救急隊員の人に助けられたの。えと、お巡りさんが、あなたたちからも事情を聞きたいということなので協力してあげて」
「そろそろ救急車に戻りましょう、頭だから、早急に検査しないと」
「はい、あとはお願いします。車の運転は手配しておくから心配しないで、では……」
 それだけ言うと、手島さんは一瞬気を失った。でも、すぐに持ち直し、「大丈夫です……」を言いながら、自分で救急車まで歩いて行った。

 亡くなった女の人はゼノヴィア公国の王位継承第一位のシャルロッテ王女だということが分かった。

 お忍びで来日していたということ以外は何もわかってはいなかったけど、明らかに大事件! スキャンダル!
 あ、それから、学校を大騒ぎにした爆弾予告は予想通り、悪質な悪戯であったようで、なにも起こらなかった。

 小さな地方都市である雲母市は、二つの事件で大騒ぎ。

 それ以上大ごとになることはなかったが、あたしは胸騒ぎが止まらなかった……。

 
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