大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・🍑・MOMOTO・🍑デブだって彼女が欲しい!・28『空き教室のリンチ』

2017-03-30 06:33:00 | ノベル
🍑・MOMOTO・🍑デブだって彼女が欲しい!・28
『空き教室のリンチ』




「デブ、紀香になにしたのよ?」

 小木ルリカが手下を連れて立ちふさがった。
――ああ、こう来るよなあ……――
 登校すると、三好の友だちの綾乃に呼び止められ、付いていったのが校舎四階の端っこの空き教室。
 昨日の下足室でのやりとりを、ルリカたちは見ている。
 はた目には、オレが三好にイカガワシイことをやって三好が逃げたと見えているだろう。
 実際、そう見えるように躊躇する三好の胸スレスレに手を持っていった。
「デブなんか嫌いだ!」
 やっと三好は叫んで走っていった。
 あれでよかった。三好は、二回持久走で救けられたことで、オレに礼を言おうとした。今まで、キモイとかデブとか言っていた分、オレへの謝罪の気持ちは強かった。そんな強い罪悪感のまま礼を言ったら、やり過ぎて、仲間たちからハミゴにされる。場合によっては、オレに向いていた矛先が三好に向いてしまう。だから、ああしたんだ。

 で、こうなることは予想していたけど、どう対応していいかまでは考えていなかった。

「小木たちが見ていたとおりだよ。気に入らなかったら好きにしてくれたらいい」
「こいつ……開き直りやがった!」
 ルリカの目が険しくなり、取り巻きの輪が、グッと縮んだ。
「おまえ、最低のデブだな……!」
「最低はいいけど、デブを付けるのはやめてくれ。世界中のデブに悪い。デブへの偏見だ」
「デブにデブって言って、どこが悪い! 高校二年になってまでなって、こんな幼稚なことはしたくないけど、我慢がならない。ミンチにしてやる!」
「オー!」
 ルリカたちは、ネットに入った石鹸を取り出して振り回し始めた。
「考えたな、それで殴れば、跡が付かない。アメリカ軍のリンチのやりかただな」
 どこからでも打ち据えろと、オレは体を正面に向けた。
「くらえ!」
 ルリカが振りかぶる、さすがに目をつぶってしまう。
「キャ!!」
 意外なことに、ルリカの悲鳴がした。

「先輩に手を出すんだったら、あたしたちが相手です!」
 沙紀と野呂を先頭に、デブの会の一年生が集まっていた。みんな手に手に同じネット入りの石鹸を持っている。
「先輩は、こちらに!」
 野呂が、デブ仲間4人を引き連れ、オレをカバーして、空き教室の外まで運ぶ。
「お、おまえら! ちょ、ちょっと!」
 4人は、オレを抱えるようにして、三階への踊り場に連れてきた。
「デブの会で対処します。先輩は、教室に行ってください」
「おい、待て!」
 空き教室に戻る野呂たちに叫ぶが、野呂たち4人は、すぐに階段を駆け上がってしまった。
 そして、目から火が出た。
「いってー!」
 頭を抱えてうずくまると、立て続けに硬いもので打ち据えられる。
「紀香の胸さわって! 変なことしやがって! 紀香を苦しめやがって!」
 瞬間顔を向けると、泣きながら石鹸を振り回す島田大輔の顔が見えた……。
ジャンル:
小説
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