今に語り継ぐ昔ばなしの里 NO.3

フロンティアエイジ11月号 第8面より

今に語り継ぐ昔ばなしの里 NO.3

 葛の葉姫(和泉市信太山)

  狐との奇縁を通し 恩返しの心を説く

 戦中の疎開で奈良盆地に居た頃は本も乏しく、祖母から聞かされる昔話が唯一の楽しみだった。その一つが「葛の葉姫」の話。

 安倍保名は信太(しのだ)の森で猟師に追われる白狐を助けるが、その猟師に傷つけられる。苦しむ保名のもとを葛の葉と名乗る娘が訪ねて介抱し、子(後の安倍晴明)を授かる仲になる。子が5歳の時、尻尾の出た母を見て驚き、正体を知られた葛の葉は障子に

 恋しくば
 たずね来てみよ
 和泉なる
 信太の森のうらみ葛の葉

と書いて去る。父子は信太の森で葛の葉と再会する、という内容。説教節の一演目で歌舞伎や文楽の「芦屋道満大内鑑」のベース。「恩返し」の大切さを説かれた記憶がある。

 JR阪和線の北信太駅南西、葛の葉町に信太森神社(葛葉稲荷神社)がある。沼道子宮司が「朱塗りの鳥居はすべてご寄進」。無くした貴重品が参拝するうちに見つかってというケースもあるとか。

 境内には2000年を経たと伝えられる楠の株や葛の葉が人間になった姿を自ら確かめたという姿見の井戸、狐が化けたという白狐化石など、伝説にまつわる物と並び清少納言の歌碑や芭蕉の句碑も。

 南方の丘陵が今はマンションなどの立ち並ぶ信太の森跡。そこに立つ信太の森ふるさと館の係員は「毎年秋に庭でこども歌舞伎『葛の葉物語』をやります。葛の葉は信太山の象徴です」と言い、近くの池が再会の際に葛の葉がのぞいた鏡池と教えてくれた。

 隣にある延喜式内社聖神社もいわくあり気だったが、社務所の人に「作り話には関係ありません」と言われた。 (一)

 和泉市産業観光振興会TEL0725・41・1551。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 今に語り継ぐ昔ば... 今に語り継ぐ昔ば... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
規約に同意の上 コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 
 
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。