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C型肝炎の治療後の肝がんの発生は抑えられる!!2016年7月発表

2016年10月31日 | 学会研究会報告
C型肝炎の治療後の肝がんの発生は抑えられる!!
C型肝炎の治癒後の肝がん発生率についての研究報告がありました。以下要約をのせておきます。
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C型肝炎のウイルス排除後の肝がんのリスクについて
原文 Hepatology 2016 Jul; 64:130.からの要約

HCVウイルスが排除されることによって、全体では年間1%未満の発症になったが、肝硬変においては年間1.4%とやや高値であることから、気を付ける必要がある。

C型肝炎ウイルス(HCV)感染を持つ患者さんはは、新しく、より効果的な治療薬によって治療されている。そのような患者のための長期のフォローはまだ不明の点が多い。HCVのウイルス学的な陰性化が続く状態(SVR)を達成することは、肝細胞癌(HCC)のリスクを減らすと推測されているが、どのくらい低下するかはまだよく分かっていない。

アメリカの医療機関の研究で、インターフェロンベースの治療によりSVRとなった患者さん10,738人の肝細胞癌の発症データを分析した。

これらの患者(95%男性、64%白人)の間では、0.3%の年間の発生でHCCは100例発症。識別された。SVRを達成しなかった患者さんでは年間1.3%であったのでかなり低い結果となった。SVRを達成した肝硬変を持つ患者は、1.4%の年間のリスクを持っていた。多変量分析において、肝硬変の存在はHCC発生の最も強い予測値であった(危険比率、6.7)。他の重要な危険因子は、糖尿病、ヒスパニック系などがあった。
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ということでした。インターフェロンベースの治療なので、今の飲み薬のデータよりは肝がんを抑えている結果がいいという可能性はあります。また、アメリカの場合は、慢性肝炎のうちに治療を受ける方が多いという背景があると思われ、日本よりも肝がんの発生率は低いですが、日本ではもっと治療後の発癌を抑える率が上がっていることが予想されます。それでも、発生率は欧米よりは高いと思われるのですが、実際に治療をおこなうことで、肝がんになりにくくなっているというデータは、とても心強いですよね。
治療して治った後もきちんとチェックをして肝臓が治って元気な状態を維持できていることを確認することの重要性を認識していきましょう。

下のスライドは、札幌緑愛病院での新規発生のラジオ波焼灼術を受けた肝がん患者数と新規に受診する患者数との比較のグラフです。新規に受診する患者数が増えているのにもかかわらず、肝がんになる患者さんがどんどん減ってきているのがわかります。
 
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2 コメント

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Unknown (ひでほ)
2016-10-31 17:34:22
HCCができちゃったらRFAだったら、椎名先生、開腹OPは肝硬変でリスキーだけど高山先生、カテーテルだったら・・・まだきめていないです。
あら (Kawanishi)
2016-10-31 21:11:28
ひでほさん
肝がんになるきなのですか?元気な肝臓になる気満々で行って下さい。できたときはその時考えればいいんですから。その時がいちばんいい治療が出てきていますしね。

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