9時に目覚め、支度をして尾道を徘徊。
尾道観光でいつも感じるのは、映画のロケ地めぐり、そして古寺めぐりをしていると時間がいくらあっても足りないということである。
というのは、やはり細く急斜面の坂道が突如目の前に出てきて、つい行ってしまうからだろう。
時間の大幅なロスになることはわかっているのだけれども、「何か素敵な風景があるのかもしれない」という好奇心に抗うことができないのである。そこが、また尾道の魅力なのだが。
関東平野の海なし県で育った私には、細い路地や急こう配のある地形が新鮮に映る。
私に多大な影響を与えた映画「ふたり」
毎年尾道には盛夏に来ていたのだが今日も十分暑かった。
コートがいらぬほどであった。
てか、もう桜が咲いていた。
尾道水道をバックに、春の日を浴びながら可憐に咲き乱れていた。
熊野神社。
細い路地の向こうにある小さな神社。
か、かわえええええ!!
くまくま熊野神社!!!
浄土寺
ここは「ふたり」でピアノの発表会が行われた場所だ。
お寺でピアノの発表会だと!?って当時の私は驚いたが、さすが大林マジック。しっくりと馴染んでいた。
海を眺めつつその脇の道を登っていく。
急こう配でへたりそうになりながらも登っていく先にあるのは、やはり「ふたり」のロケ地。
姉・千津子が亡くなった事故現場である。
全国から来るファンがお花を供えるという、聖地中の聖地。
その場所には椿が生けられていた。
そっと合掌。
初めて来たときは、私もお花を供えたっけ。
千津子にさよならをして、また歩く。
小腹が空いたので、こもんのワッフルを食した。
ブルーベリーとカスタード、さくさくのワッフルはとても美味でほっぺたが落ちそうだった。
お店の人に
「こもんさんは、大林監督の『ふたり』で出ていましたよね」
と訊くと、奥の席まで案内してくれた。
ここで実加演じる石田ひかりが
「10月27日姉は死にました」
と神永青年に姉の死を告げるのである。嗚呼。
それにしてもだな、ロープウェイの大行列よ。
じゃあ、自分の足で登ってみようか、千光寺。
ということで頭の片隅に残っている地図を頼りに千光寺まで登ってみる。
普段、駅の階段も避ける(エスカレータ使用)な私が、標高140m、尾道港を一望する大宝山に登るのである。
夏だったら躊躇するが、春の柔らかい陽気が背中を押してくれた。
汗をかきながら、千光寺を目指す。
途中、天寧寺に寄る。
三重塔の造りにはいつも下から見入ってしまう。
五百羅漢に圧倒された。
まだまだ歩く。
ここでも桜が咲いていた。多くの人が写真を撮っていた。
ようやく到着。
やっほー!!
この眺め!!
遠く霞んで見える瀬戸内海の島々にうっとり。
リア充、発見。
文学の小路。
鐘の下で涼んでいたら、住職さんに声を掛けられた。
尾道の歴史、千光寺のことなど、たくさん話してくださった。
「どちらから来たのですか?」
と尋ねられたので
「東京からです。8年ぶり8回目の尾道です」
と言うと、
「ええええ?!」
と驚かれた。
貴重なお話をたくさんしてくださった。
住職さんと別れ、坂を下っていく。
ドビンちゃん!!
さりげなく井戸。
西国寺の巨大わらじ!
大山寺の猿さん。
その横に梅が咲いていた。
そして私が大好きな御袖天満宮へ。
55段の階段の最後の一段は継ぎ目が入っている(あとは全部一枚岩)。
物事、すべて完璧がいいというわけじゃないという教えらしい。
境内の「さすり牛」を激写。
さすりながら・・・さすりながら・・・気付いたら泣いている俺!!
この8年、まあ色々あって、私もだいぶ変わってしまった。
でも牛さんは前回来た時同様、口角をキュッと上げて鎮座していた。
その慈しみ溢れる表情に、涙が出てきた。
少し下って、桃咲稲荷神社へ。
名前も素敵なのだが、全体的にこじんまりしていてマジで可愛い。
トイレの横で一服。
ようやく下に降りて朱華園に並ぶ。
30分ほど並んだだろうか。
ずっとコートを脱いでいたのだが、歩くのを止めるとちと肌寒い。
中華そば。
背脂がぽにょぽにょしている。
あっさりした醤油ベースに小魚のダシが生き生きしている。
美味しい~!!美味しい~!!!!
生きていて良かった。
商店街を歩く。
商工会議所。
Qちゃん、発見!!
カープなクマさん。
薬局のコロちゃんケロちゃんも健在。
商店街で桂馬蒲鉾で晩酌用の蒲鉾を買った。
作家の志賀直哉と縁がある蒲鉾らしい。
林芙美子像を拝む。
土堂小学校西側の電信柱を目指す。
これも「ふたり」の中で重要なロケ地だ。
駅の北西側も魅力的なスポットが多々ある。
これまた「ふたり」のロケ地、ガウディハウスへ。
ちなみに物語の中で、ここでは精神的に残酷なシーンが展開されるんである・・・。
昭和8年に和泉家の別邸として一人の大工さんが3年かけて建てた建物
まるでガウディが設計した家のように複雑かつ不思議で、美しいデザインであることから、このように愛称されている。
ちょうど一部だけ工事中であった。
ガウディハウスを去る。
途中、水仙の花が夕日に染まっていた。
この階段(坂道)、下りるのが難儀だった。
でもこのような「地元の人の生活の香り」がするものに触れられて嬉しい。
日はまだ沈まぬ。
向島まで渡船で渡る。
片道5分間の船旅だ。
深呼吸をして、海の香りを存分に味わう。
高校生が自転車に跨りながらフェリーに乗っていた。
そうだ。
私が珍しいと思っているこの光景は彼らにとってはきっと日常の一コマなのだ。
地元の人の暮らしの一端を見て、色々と考えるのも旅の醍醐味だ。
夕焼けを眺めながら「また尾道に来よう」と誓う。
コンビニで酎ハイとタバコを買ってホテルに帰った。
かんぱ~い!!
柿天、うまー。
この日は25,000ほど歩き、文字通り、足が棒のようになった。
バスソルトを入れたお風呂にゆっくりと浸かった。
精神が昂ぶっているせいか、この日も入眠するのが難しく、マイスリーを追加。
尾道観光でいつも感じるのは、映画のロケ地めぐり、そして古寺めぐりをしていると時間がいくらあっても足りないということである。
というのは、やはり細く急斜面の坂道が突如目の前に出てきて、つい行ってしまうからだろう。
時間の大幅なロスになることはわかっているのだけれども、「何か素敵な風景があるのかもしれない」という好奇心に抗うことができないのである。そこが、また尾道の魅力なのだが。
関東平野の海なし県で育った私には、細い路地や急こう配のある地形が新鮮に映る。
私に多大な影響を与えた映画「ふたり」
毎年尾道には盛夏に来ていたのだが今日も十分暑かった。
コートがいらぬほどであった。
てか、もう桜が咲いていた。
尾道水道をバックに、春の日を浴びながら可憐に咲き乱れていた。
熊野神社。
細い路地の向こうにある小さな神社。
か、かわえええええ!!
くまくま熊野神社!!!
浄土寺
ここは「ふたり」でピアノの発表会が行われた場所だ。
お寺でピアノの発表会だと!?って当時の私は驚いたが、さすが大林マジック。しっくりと馴染んでいた。
海を眺めつつその脇の道を登っていく。
急こう配でへたりそうになりながらも登っていく先にあるのは、やはり「ふたり」のロケ地。
姉・千津子が亡くなった事故現場である。
全国から来るファンがお花を供えるという、聖地中の聖地。
その場所には椿が生けられていた。
そっと合掌。
初めて来たときは、私もお花を供えたっけ。
千津子にさよならをして、また歩く。
小腹が空いたので、こもんのワッフルを食した。
ブルーベリーとカスタード、さくさくのワッフルはとても美味でほっぺたが落ちそうだった。
お店の人に
「こもんさんは、大林監督の『ふたり』で出ていましたよね」
と訊くと、奥の席まで案内してくれた。
ここで実加演じる石田ひかりが
「10月27日姉は死にました」
と神永青年に姉の死を告げるのである。嗚呼。
それにしてもだな、ロープウェイの大行列よ。
じゃあ、自分の足で登ってみようか、千光寺。
ということで頭の片隅に残っている地図を頼りに千光寺まで登ってみる。
普段、駅の階段も避ける(エスカレータ使用)な私が、標高140m、尾道港を一望する大宝山に登るのである。
夏だったら躊躇するが、春の柔らかい陽気が背中を押してくれた。
汗をかきながら、千光寺を目指す。
途中、天寧寺に寄る。
三重塔の造りにはいつも下から見入ってしまう。
五百羅漢に圧倒された。
まだまだ歩く。
ここでも桜が咲いていた。多くの人が写真を撮っていた。
ようやく到着。
やっほー!!
この眺め!!
遠く霞んで見える瀬戸内海の島々にうっとり。
リア充、発見。
文学の小路。
鐘の下で涼んでいたら、住職さんに声を掛けられた。
尾道の歴史、千光寺のことなど、たくさん話してくださった。
「どちらから来たのですか?」
と尋ねられたので
「東京からです。8年ぶり8回目の尾道です」
と言うと、
「ええええ?!」
と驚かれた。
貴重なお話をたくさんしてくださった。
住職さんと別れ、坂を下っていく。
ドビンちゃん!!
さりげなく井戸。
西国寺の巨大わらじ!
大山寺の猿さん。
その横に梅が咲いていた。
そして私が大好きな御袖天満宮へ。
55段の階段の最後の一段は継ぎ目が入っている(あとは全部一枚岩)。
物事、すべて完璧がいいというわけじゃないという教えらしい。
境内の「さすり牛」を激写。
さすりながら・・・さすりながら・・・気付いたら泣いている俺!!
この8年、まあ色々あって、私もだいぶ変わってしまった。
でも牛さんは前回来た時同様、口角をキュッと上げて鎮座していた。
その慈しみ溢れる表情に、涙が出てきた。
少し下って、桃咲稲荷神社へ。
名前も素敵なのだが、全体的にこじんまりしていてマジで可愛い。
トイレの横で一服。
ようやく下に降りて朱華園に並ぶ。
30分ほど並んだだろうか。
ずっとコートを脱いでいたのだが、歩くのを止めるとちと肌寒い。
中華そば。
背脂がぽにょぽにょしている。
あっさりした醤油ベースに小魚のダシが生き生きしている。
美味しい~!!美味しい~!!!!
生きていて良かった。
商店街を歩く。
商工会議所。
Qちゃん、発見!!
カープなクマさん。
薬局のコロちゃんケロちゃんも健在。
商店街で桂馬蒲鉾で晩酌用の蒲鉾を買った。
作家の志賀直哉と縁がある蒲鉾らしい。
林芙美子像を拝む。
土堂小学校西側の電信柱を目指す。
これも「ふたり」の中で重要なロケ地だ。
駅の北西側も魅力的なスポットが多々ある。
これまた「ふたり」のロケ地、ガウディハウスへ。
ちなみに物語の中で、ここでは精神的に残酷なシーンが展開されるんである・・・。
昭和8年に和泉家の別邸として一人の大工さんが3年かけて建てた建物
まるでガウディが設計した家のように複雑かつ不思議で、美しいデザインであることから、このように愛称されている。
ちょうど一部だけ工事中であった。
ガウディハウスを去る。
途中、水仙の花が夕日に染まっていた。
この階段(坂道)、下りるのが難儀だった。
でもこのような「地元の人の生活の香り」がするものに触れられて嬉しい。
日はまだ沈まぬ。
向島まで渡船で渡る。
片道5分間の船旅だ。
深呼吸をして、海の香りを存分に味わう。
高校生が自転車に跨りながらフェリーに乗っていた。
そうだ。
私が珍しいと思っているこの光景は彼らにとってはきっと日常の一コマなのだ。
地元の人の暮らしの一端を見て、色々と考えるのも旅の醍醐味だ。
夕焼けを眺めながら「また尾道に来よう」と誓う。
コンビニで酎ハイとタバコを買ってホテルに帰った。
かんぱ~い!!
柿天、うまー。
この日は25,000ほど歩き、文字通り、足が棒のようになった。
バスソルトを入れたお風呂にゆっくりと浸かった。
精神が昂ぶっているせいか、この日も入眠するのが難しく、マイスリーを追加。