ヒマヒマノキ~心と言葉をとどけます~

その一言に人はうれしくなります。元気になります。何気ない日常のそんな出会いをお届けします。

エッセー ~どちらを選んでもベストです~

2016-12-20 | 日記


この数ヶ月、入院中の母の介護で、毎日のように病院に通っています。父が亡くなってからずっと一人暮らしだった母にとって、息子がこんなにも長く傍にいるのは、何十年ぶりだろうかと感じているに違いありません。

「今年も阿武隈川に白鳥がきたよ。写真見えるかい。」しかし、寝たままの母は、声かけをしても返事をしてくれないことが多く、気持ちは確かめようがありません。うまく返事を引き出している看護師さんやリハビリスタッフの声かけは見事なのですが、そんなふうにはとてもできません。

母が胸においた手を握ってやると、握り返してきます。なかなか離そうとしません。不安がそうさせるのか、それとも夢うつつの中で、子ども時分の私を甦らせてその手を握っているのか、果たしてどうなのでしょうか。
ともあれ今私ができることはぎこちない声かけと手を握ってやることくらいしかないのです。

私の骨折リハビリを担当してくれているケアマネジャーのEさんは、私の母のことを心配して様子を聞いてくれます。直接の仕事ではないはずなのに、ただただ感謝です。

そのEさんに、もしも治療が限界となり生涯を終えるとするなら、最後を病院で過ごすようにするのがよいのか施設で過ごすようにするのがよいのか悩みますと打ち明けました。

Eさんは即座にこう言ってくれました。「どちらを選んでもベストです。できる限りのことをしているのですから。」

介護は確かに疲れます。でもその中で問われているのは、命の尊厳を思い続けているかなのですよ、それをEさんが言っているように思うのです。
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きいて!きいて!
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