言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

涼を求めて

2017年07月13日 | 新・随想

寝苦しい夜、寝る前に冷凍庫から出した氷枕を頭の下にセットして寝るとあ~ら不思議、あまりの快適さにあっというまに熟睡できます。

これから2ヶ月酷暑との戦い。

日よけグッズが売り出されている。
昔ながらのすだれやよしず、お洒落な南欧風のひよけなど。

母はお年を召したお客人が見えると冷たいお茶でなく、きりりと熱めのお煎茶をお出しした。
このきりりと爽やかな熱めのお煎茶は汗をひかせるものらしい。

見た目の涼しさも風流である。
二部屋続きの和室には座敷用のすだれがかけられ涼しげな木陰を作った。
なげしの上からじざい鉤でつるされた舟型の花入れに花が活けられ、風で舟の花器が揺れるともうそこは湖の風情がただようのであった。

床の間の掛け軸は「瀧」。

瀑布からとうとうと流れる滝の音が聞こえてきそうである。

門から玄関にいくまでには水が打たれ、潅木にも打たれた水が珠をつくって露を含む様子はいかにも涼しげである。

お茶の世界では「蹲」(つくばい)に水を張って客を迎え入れる。
そのとき、もてなす側は手桶の水をつくばいの上高くから流し入れる。
すでに満々とたたえられた水に上から水を注ぐと、その注ぐ音が
「もうこれで準備万端整って向かいいれる用意ができました」と客に知らせる合図である。

つくばいにあふれる水が清げで美しい。

客はつくばいの水で口と手をすすいで茶席に入るのである。

せわしない現代、こんな一手間かけた演出はまだるっこしく映るであろうか?
あるいは風流な別世界に入ったようにおもうであろうか?

なんでも手っ取り早く結果をほしがる現代にあって過程を楽しむことも心の潤いに繋がるのではないだろうか。

茶席に入る前のつくばいの所作や、茶席に連なる道(路地という)に打たれた水。
そんなもてなしの心遣いを客も愛でる。そこにはすでに客ともてなす側の精神の会話がかもし出されるのである。

さて暑い日に、あなたはどんな涼を求め、どんな涼を提供しますか?
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4 コメント

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お庭 (sara)
2017-07-14 07:30:58
素敵です
涼しげ…

父が庭師だったので日本庭園は憧れです

時間も忘れ、そこに座ってそれだけを眺めていたいと思います
時間がゆっくり流れます
saraさんへ(庭) (ろこ)
2017-07-14 08:53:26
saraさんへ
 おはようございます。
 日本庭園はいいですね。
 心が落ち着きます。
 お父様が庭師さんだったのですね。
 それでは庭にはこだわりがありますね。
 大きくなくても、一坪でもいいですから、木と花のある生活がほしいと思います。
 自然から学ぶことが多く、庭木の静かな佇まいに癒されますね。
 コメントをありがとうございました。
素敵です♪ (雀(から) )
2017-07-14 09:20:04
私は冷暖房が嫌いなので 一切ありません 真夏と真冬は 一歩たりとも我が家から出たくありません
と言って すきま風だらけのあばらいなので 真冬は こたつに 半日以上 こもっています😁
でも夏場は 自慢の 風通り抜ける 避暑地になります😉
私の祖父も 真夏も 熱いお茶を 好んで飲んでいました 熱いお茶の方が 喉が乾かない さっぱりするとの 持論でした👼
雀(から) さんへ(自然が一番) (ろこ)
2017-07-14 11:26:38
雀(から) さんへ
 おはようございます。
 そうそう。
 私も冷房は苦手です。
 朝は熱めのほうじ茶をいただくと、爽やかな一日が始まりそうなきがします。
 OLをしている友人は、冷房対策に、夏は毛糸の腹巻をしているそうです。パワハラとかセクハラとか言われていますが、彼女に言わせると、冷房がいちばんのハラスメントだと言っています(笑)
 雀(から) さんのお宅は居ながらにして避暑地を堪能する夏ですね。
 そういえば、日本の家屋は夏を快適に過ごせるように昔から考えられていますね。風土に合った家屋も、洋風建築に駆逐されてしまいました。

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