言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

人生と吟醸酒

2017年05月20日 | 新・随想


吟醸酒だけを置いている店がある。
従業員は男性だけ。
各地の吟醸酒がずらりと棚に並べられ、客はそこから吟醸酒を選ぶ。

吟醸酒は香りが大切。
店内すべて禁煙。
おつまみは香りを楽しみ、味を確かめてからでないとサーブされない。

あまりお酒は呑めない私だけれど、このフルーティーなお酒にすっかりはまってしまった。
では吟醸酒とは何だろう?
吟醸酒はお米を60%以下に磨いて、低温長期発酵の製法で作ったお酒のこと。
大吟醸酒と普通吟醸酒がある。
吟醸酒のうち、精米歩合50%以下のものを大吟醸酒とし、精米歩合51%~60%のものを普通吟醸酒とする。

すごいことである。
お米を 磨いて磨いて60%以下に磨いてしまうということは、お米のほとんどを磨いてしまうことである。
純米を磨いて、磨いて、研(と)いで研いで。
一粒の米を研げるだけ研いで出来あがる極上の吟醸酒。

これを人間におきかえてみるならば、

服から飾りをとり
顔から化粧をとる
文から修飾語、美辞麗句、引用をとり
唇から追従をとる
削(そ)いで削いで
何もなくなる寸前まであらゆるものを削ぐ。

自分の中からあらゆるものを削ぎ落として素になったとき
どんな自分がそこにいるだろうか?
極上の吟醸酒になれるか?
ただの細かくなった粒子にすぎないのか?

自分を磨くということはこの吟醸酒をつくる過程のようなものではないだろうか?

磨くと言うことはあまたの傷をつけることでもある。

余分なものをそぎ落とし、あまたの傷に耐えてはじめて磨かれた珠になるのだろう。

あらゆる飾りを捨てて素で輝ける人になれ!
ちっぽけな傷に泣くこともない、磨く途であると考えるなら。

人生行路。

青き春からはじまり、朱夏から白秋へ、そしてやがて玄冬へと続く道。
人生は短くもあり長い旅でもある。




 
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コメント (2)   この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ふと、 (雀(から))
2017-05-20 11:02:14
高村光太郎の詩を思い出しました🙋
(雀(から)さんへ(高村光太郎) (ろこ)
2017-05-20 16:59:55
(雀(から)さんへ
 こんにちは。
 有名な詩人、高村光太郎の詩を思い出された由。
 どんな詩でしょう。
 人は傷付きながら、まあるくなっていくのでしょうか。
 まあるくなれたらいいですね。

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