言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

ブログに見る自然への畏敬

2017年04月23日 | 新・随想


 ブログを始めて何がよかったかというと、
 いろいろな人のブログを拝見して、
 交流を通して、
 自分の世界とは違うものを見聞きできることだ。
 行ったことがない土地の珍しい風景。
 美しい花々。草木、小動物たち。
 その写真に添えられた、詩のような言葉に魅せられる。

 その風景写真に遠い昔の自分の原風景を投影することもある。
 原風景と言えば、
 あるブログの棚田の写真を見た時、既視感を覚えた。
 行ったこともない土地の棚田の風景なのに。
 棚田にはそれぞれ歴史がひそんでいて、各地に落人伝説がある由。
 身をひそめているゆえ、人里に住めなかった人々が何代にもわたって命を繋いで育てた棚田。
 険しい山を切り開いて、水の利がない場所に水を引いて田を起こしてきた年月。
 そのひっそりとした棚田をカメラでキャッチする画像には、写す人の呼吸まで聞こえてくる。
 荒れ果てた場所から少し行くと目の前に突然現れた風景。
 「あっ」と驚く光景の先に棚田が広がっている。
 その「あっ」という驚きが画像に声のない声で映っている。
 緑したたる棚田の風景が一面に広がる。
 上からふもとへと段々に広がる棚田。
 棚田に引く水門の穴のずっと遠方に黄色い菜の花畑が見える。
 それは一幅の絵であり、一編の詩のようである。
 そのブログの余韻をもったまま一日を終えたくなる。
 
 もう一つのブログ。
 里山にシメジを取りに行く途中の出来事を活写したブログである。
 キジのつがいにであい、泥を集めて巣作りをするツバメのつがいをみつける。
 翅がぼろぼろに傷んだベニシジミ蝶をパチリと写す。
 丹念に観察した写真と言葉には生き物への愛情に満ちている。
 遠景にかすむ里山の風景。

 どんなにたくさんの言葉や、語彙を連ねるよりも美しい。
 それはもう詩である。
 
 二つのブログは共に自然を写しだし、簡単な言葉を添えている。
 そこには、自然の中に見る素朴な命の営みへの畏敬や、愛しさに満ちている。

 文明の利器を手に入れた私たちは、便利さと引き換えに自然をけがしてきた。
 工場の廃液を垂れ流し、原発事故で汚染された放射性物質を海へ流し続けている。
 大気汚染で空の青を奪った。

 国破れて山河あり。
 
 自然の美しさに「あっ」と賞賛の声をあげ、これを保とうとする心を忘れたくない。

 上に挙げたブログ主様からコメントにお返事があった。

 「里山の初夏は命に溢れ返っていて詩そのものでした。
  きっと人間も自然に生きればそうなれるのでしょうね」

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6 コメント

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ぜひ、 (荒川三歩)
2017-04-23 21:44:33
棚田に御一緒しましょう。
私と同じ感性で見ていると感じています。
ろこさんなら棚田をどう語るのか興味があります。
興味があるという言い方は失礼ですね。どう語るのか、その予感でワクワクします。
ご案内します。

棚田 (Rei)
2017-04-23 21:52:36
いつもながら美しい画像に感心しています。
自然を愛さないのは真の教養人とは言えないと言う
言葉を知った時、恥ずかしいと思いました。
以来、ブログなどで少しは目覚めました。
棚田は日本ではみたことありません、
地名は忘れましたが、中国雲南省で広い広い棚田を見たことがあります。
日本のそれのように整然とはしていなかった記憶です。
荒川三歩さんへ(感動) (ろこ)
2017-04-23 21:55:20
荒川三歩さんへ
 ぜひお供したいです。
 ブログを拝見した時のあの感動を忘れたくないです。
 そしてこの目で棚田を見てみたい。
 日本の原風景である棚田。ひっそりと人目を忍んで生きてきた落人たちの命の棚田を五感で感じたいです。
 とっておきの言葉は紹介しないでおきました。(笑)ご覧になった方だけの限定の「詩」ですから(笑)
 早く棚田に水が張られないかなあ~~~。
Reiさんへ(雲南省) (ろこ)
2017-04-23 22:06:44
Reiさんへ
 こんばんは。
 私も棚田を実際見たことがありません。
 Reiさんは、中国・雲南省の広い棚田をご覧になったことがあるそうで、美しいのでしょうね。
 中国語を学ばれたReiさんは、きっと現地の人と棚田についてお話が広がったことでしょうね。
 私は中国へは行ったことがないので、行ってみたいです。知らないことが多くて、恥ずかしいですが、その一方で、知らないことを学べる楽しみがたくさんあると、勝手によい方に解釈しています(笑)
棚田 (cocoa)
2017-04-24 11:18:10
棚田は田舎には小さいのがたくさんありました。
でも、山間をドライブすると、耕作放置とイノシシの害で、もうすぐ消滅しそうに見えます。
耕作地にはイノシシ除けの電気柵がめぐらされ、広角で写真に撮ろうとすると、手前の柵が邪魔になります。
私たちはたまに行って写真を撮るだけで、なんの役にも立ちません。
別府市の棚田は、学生さんのボランティアに来てもらって何とか維持しているそうです。
営農者は、後継者がいなくて放置された他人の田まで草刈りをしないといけないから大変なのだそうです。
棚田の農業が成り立つような仕組みにならないものでしょうかねえ!
cocoaさんへ(ボランティア) (ろこ)
2017-04-24 11:39:36
cocoaさんへ
 そうなんですよね。
 伺った話ではcocoaさんがおっしゃるように、棚田を受け継ぐ人がいなくて、ボランティアが今は、棚田を守っているそうです。
 そのうち消滅しそうで何とかならないかと思います。
 棚田に限らず、離農する人が多く、問題です。
 一億みんな背広を着てサラリーマンになることはないのです。自分の地域の農業、畜産、林業、に関わって潤うような政治経済にならないとこの国はおかしなことになります。

 TPP導入でますます外国のコメや肉が関税なく安く入ってくるようになったら、ますますこの国の農業畜産は衰退します。
 地場産業が潤うような仕組みを考えるところが農林省・農水省です。
 もうお役所任せにしないで知恵を絞らなければなりませんね。

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