言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

あっかんべえ

2017年08月13日 | 日記その1

真夏の一番暑い日に、押し入れとクローゼットの片付けに汗を流した。
 衣類はなかなか捨てられない。
 思い切って5年着ないものは処分することにした。
 古くなったタオルやタオルケットは足ふきマットにリフォームすべく、裁断してミシン掛け。
 思い出深い衣類も、えいやっと、処分。
 汗が滝のように流れる。
 
 以前、乳がん検診でひっかった日、もうダメを覚悟して、ほとんどのものを処分した。
 入院している間、あるいはもしもの日が来た時、我が家に家族以外の人が来ても整然としているように、
 「立つ鳥跡を濁さず」のように、家中をきれいに片づけた。
 きれいさっぱり片付いた部屋・部屋。

 片付きすぎて、人の気配がない部屋は、寒々としている。
 私という人間がいなかったようになった。

 そして念には念を入れてセカンドオピニオンをがんセンターに聞きに行った。
 そこで調べた結果、乳がんの疑いすらないといわれてぽかんとした。
 地元の市民病院で危うく乳がんでもない乳房をばっさり切り取られるところだった。
 
 家に帰って片付いた部屋にべったり座って泣き笑いをした。

 それから何年経ったことだろう?
 ごちゃごちゃしたクローゼットと押し入れ。

 夏休みになると母に「片付けなさい」とうるさく言われた日を思い出した。
 「もう、うるさいわねえ」と口答えした日。
 「あっかんべえ、お尻ふりふり」とおどけてお尻を振って見せた日。
 怒りながら笑い転げた母。

 思い出して押し入れから顔を出して「あっかんべえ」をしてみたとたん、夫の顔とぶつかった。
 「おい!何してんだよ~」

 暑い一日は汗だらけのあっかんべえで終わった。

 
 
 
 
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