言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

うすべにいろの迷い

2017年09月14日 | 日記その1

女が女であると意識する時は薄物をはおるときではなかろうか。
 肌がすけてみえる瞬間、えもいわれぬ美がかもしだされる。そしてそれを脱ぐときはさらになまめく。
 そんな女のナルシズムを歌ったのは松平盟子である。

・ランジェリーすべりおちゆくたまゆらのうすべにいろの迷い愉しむ
(『たまゆら草紙』河出書房新社)
 素肌からするりとすべるようにぬげていくランジェリーの瞬間を歌っていて微妙なエロティシズムがこぼれるようだ。
 ランジェリーがぬげていく先にあるものは何だろうかと想像が宙を飛ぶ。
 それを「うすべにいろの」「迷い」とし、それを「愉しむ」とはまったく憎い大人の女が匂い立つ。
 なにやら謎めいて秘めやか。女というものは着るもの一つ、それが寝巻きであり、ランジェリーで「女」に生まれた幸せを想い、なまめかしく「愉しむ」感性の持ち主であることがわかろうというものだ。
  男はまさかパジャマを着る喜びなんぞはかんじないだろうし、パンツやステテコの歌をなまめかしく歌うこともないだろう。



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